フランス大統領選で決選投票への進出が確実になった後、パリで支持者らにあいさつするエマニュエル・マクロン前経済相とブリジット・トロニュー夫人(2017年4月23日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】世間を驚かす政治活動、慣習にとらわれない結婚、フランスを現代化させるという公約──。フランス大統領選では、そんな経歴を持つ中道系独立候補のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相(39)が決選投票への進出を確実にした。

 マクロン氏が決選投票を制すれば、フランスの現代史上、最年少の大統領が誕生することになる。公職選初出馬でもある同氏が当選すれば、有権者が強大な権限を持つ大統領の選出で経験を重視してきたフランスの伝統を覆す形ともなる。

 マクロン氏は経済相在任中の昨年4月に中道政治運動「前進(En Marche)」を立ち上げた。同8月には、運動に専念するため、不人気な社会党フランソワ・オランド(Francois Hollande)政権を去る決断をした。

 同11月に大統領選への立候補を表明。その際にパリ(Paris)郊外の職業訓練センターで行った演説では「同じ男たちと同じ思想では対処できない」と訴えた。

 以来、連日のようにニュースの見出しに登場。「前進」も、都市部の若い知識層以外には支持を広げられないだろうという一部の予想を裏切り、参加者が25万人を超えるまでに成長した。

 マクロン氏は選挙戦を通じて、フランスは「逆張り」をすると主張。世界中で右派ナショナリストが勢力を増す中で、国民は欧州連合(EU)支持、グローバリゼーション支持のリベラルを選ぶ意志があると説いた。

 政界のアウトサイダーに位置づけられるマクロン氏だが、フランスのエリートコースを歩んできた秀才でもあり、リーダーを多数輩出しているフランス国立行政学院(ENA)をはじめ複数の高等教育機関に学んでいる。

 その後、投資銀行界に入り、ロスチャイルド(Rothschild)系の銀行で数百万ユーロを稼いでいる。2012年にオランド大統領の経済顧問に就任し、2年後に経済相に起用された。

■妻は高校時代の先生

 政治と同様に私生活でもマクロン氏は伝統を破っている。中流家庭出身の演劇愛好家のマクロン氏が、リセ(高校)時代に演劇教員のブリジット・トロニュー(Brigitte Trogneux)さんとの恋に落ちた物語は、仏メディアをとりこにした。

 トロニューさんはマクロン氏より25歳年上で、当時すでに3人の子どもを持つ既婚者だった。しかし、その後夫と離婚して2007年にマクロン氏と再婚している。

 マクロン氏は23日の第1回投票で約24%の票を獲得。極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首(48)とともに5月7日の決選投票に臨む見通しとなった。

 23日に発表された最新の世論調査では、仮に同日に決選投票が行われていればマクロン氏が約3分の2を得票して勝利したとの結果も出ている。

 パリのシンクタンク、政治革新財団(Foundation for Political Innovation)のドミニク・レイニエ(Dominique Reynie)氏はマクロン氏について、ライバルの試みにもかかわらず「政府寄りとみられるのを免れたようだ」と指摘している。
【翻訳編集】AFPBB News