ブロックを積み重ねて好きなものを創造できるMinecraft(マインクラフト)では、ファンアートとして112万8960個のブロックを23週間半かかって手作業で並べて作ったピクセルアートなどの超大作が生み出されることがあります。マインクラフトの人気が向上するにつれ、これらの作品はゲームの域を超えて「芸術作品」というレベルまで昇華していることがわかるムービーが公開されています。

Minecraft isn't just a game. It's an art form. - YouTube

太陽の光が降り注ぐ壮大な景色とオブジェ



非現実的な海中都市



もやがかって荒廃した未来のオブジェ



これらの造形物は、すべてゲーム「Minecraft(マインクラフト)」の中で作られたもの。



マインクラフトではファンの手で112万8960個のブロックを使った壮大なピクセルアートなどの超大作が作られることがありますが、今ではアートの1種としてさまざまな造形物が作られるに至っており……



それらの芸術作品を集めた写真集まで販売されています。マインクラフトの売上総数は1億本を突破しており、もはやマインクラフトはゲームの域を超える存在になっているのです。



そんなマインクラフトの中で芸術作品を手がけるアート集団が「BlockWorks」。



ジェームズ・デリーニーさんも、BlockWorksのアーティストとして活動しています。デリーニーさんは初めてマインクラフトをプレイした時のことを「グラフィックはきれいではないが、子どもの頃に遊んだLEGOに似た魅力を感じました。私は2週間でサバイバルモードに飽き、クリエイティブモードをプレイするようになりました」と語っています。



デリーニーさんが語る通り、マインクラフトには2つのプレイモードがあります。



ひとつは、マインクラフトの世界で必要なものをクラフトして生き残る「サバイバルモード」。



もうひとつは、絵画のキャンバスのようにマインクラフトの世界で無限の資材を使って好きなものを作り上げる「クリエイティブモード」。



そしてマインクラフトをオンラインでプレイする場合、プレイヤーは異なるサーバーを選択することができます。当初これらのサーバーはマインクラフトの制作会社であるMojangに所有権がありませんでした。



さまざまなサーバーがプレイヤーを引き付けるべく、好奇心をかき立てる世界観や……



グラフィックを変化させるMODなどのさまざまなオプション機能を追加しました。その結果、マインクラフトの中にひとつの産業が生まれたのです。



多くの企業が世界中のプレイヤーに向けてマインクラフトのマップを制作するようになりました。



同様にマインクラフトでマップ制作を行うBlockWorksには、20の異なる国々から合計62人のメンバーが所属しているとのこと。それぞれのメンバーはリモートで作業を行っているため、決まったオフィスはないそうです。



BlockWorksの作品はこんな感じ。マインクラフトの中で作り出された作品はダウンロードすることができ、ファンはマインクラフトアートを評価することができます。











マインクラフトが成長するにつれ、大企業はマインクラフトのポテンシャルに気づき始めました。BlockWorksも依頼を受けて映画「トゥモローランド」や、映画「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の世界をマインクラフトで制作・販売しています。



このようにゲームの世界を広告に利用するというアイデアは、マインクラフトで初めて登場したわけではありません。1996年に登場したゲーム「Doom」のエンジンを使った「Chex Quest」もそのひとつ。



仮想空間内をターゲットにした広告は、「Second Life」で大きく進歩することになり、リーボックなどの企業がSecond Lifeのマーケットプレイスに仮想店舗を出店するなどしています。



しかし、Second Lifeのプラットフォームの人気が傾くにつれ、Second Life内の産業も廃れてしまいました。



マインクラフトにも同じように危機が迫りつつあります。2016年5月にMojangは、「マインクラフトを使って企業が映画や商品の宣伝を作ることを禁止する」という新しいガイドラインを打ち立てました。これはMojangが「マインクラフトから発生するお金をコントロールしたい」ということを意味しています。



BlockWorksはこのガイドラインを受け入れましたが、その後、Mojangを買収したMicrosoftから依頼を受けて、「ロンドン大火」など、7つの過去の世界をマインクラフトの中に再現するプロジェクトを行っています。



BlockWorksのデリーニーさんは、「私たちは幸運にもMicrosoftと仕事をしていますが、多くのマインクラフトのマップ制作者は新しいガイドラインへの対応に苦しんでいます。また、活動をやめた多くのチームも存在します」と話しています。新ガイドラインが今後マインクラフトにどのような影響を与えるのかはわかりませんが、誰もクリエイティブモードをプレイすることがなくなり、「マインクラフトでプレイするのはサバイバルモードだけ」という結果になることも危惧されています。