ベーコン×ほうれん草も?栄養価が減りがちな組み合わせ
みなさんご存知の通り、食べものにはそれぞれ違った栄養素が含まれています。そしてこれを料理にして食べると、単純に栄養素が足し算されていくのかと思いきや、その組み合わせによっては栄養価が増したり、逆に効果が減ってしまうような組み合わせも存在します。
そこで今回は管理栄養士の筆者が、ちょっと気をつけたい“もったいない組み合わせ”を3つご紹介したいと思います。
1:レバニラ炒め×ウーロン茶https://www.shutterstock.com
いかにも力が付きそうなイメージのあるレバニラ炒め。特にレバーには鉄分が豊富なので、貧血気味の方で意識してとっているという人も多いのではないでしょうか。
しかし、そんな鉄分もウーロン茶などのお茶と一緒にとると効果が半減してしまいます。お茶に含まれるタンニンが鉄分とくっつき、吸収されづらくなるからです。
ウーロン茶以外の緑茶や紅茶などもタンニンが多いので、お茶は食事の前後を避けたり、お水やタンニンの少ない麦茶などに換えるとよいでしょう。
2:生の大根×生のにんじんhttps://www.shutterstock.com
サラダなどでもよく見るこの組み合わせですが、これも実はもったいない組み合わせのひとつ。それはにんじんに含まれる“アスコルビナーゼ”という酵素にあります。大根は免疫機能を整えるなどの働きがあるビタミンCを含んでいますが、“アスコルビナーゼ”はこのビタミンCを破壊してしまうんです。
これを避けるためには、にんじんを茹でるなど加熱して酵素の働きをなくしてしまうか、もう一つは酢などの酸味を加えることでも酵素の働きを失わせることができます。そう考えると、紅白なますはただ縁起がよいだけでなく、理にかなった食べ方と言えますね。
3:ベーコン×ほうれん草https://www.shutterstock.com
ベーコンとほうれん草の炒め物は美味しく定番の組み合わせですが、何が問題なのでしょうか。それは、ベーコンに含まれる“リン酸塩”という添加物です。これは保水性や結着性を向上させる目的で添加されているのですが、これがほうれん草に含まれるカルシウムや鉄分などの体にとって必要なミネラルの吸収を妨げてしまいます。
対策としては、こういった添加物を使っていないベーコンを使うか、料理をする際にベーコンを少し茹でておくとリン酸塩を含めた他の添加物も一緒にある程度除去することができます。
いかがでしたか? 今回は栄養効果が減少する食べ合わせをご紹介しました。このような組み合わせをしたからといって栄養がなくなるわけではないので、気にしすぎる必要はないのですが、「いつもこの組み合わせかも」という人はちょっと気をつけてみるとよいでしょう。
【参考】
※ Tei Sinthip , Iaroshenko Maryna , zefirchik06 / Shutterstock
【筆者略歴】
圓尾和紀
“日本人の身体に合った食事を提案する”フリーランスの管理栄養士。TVや雑誌の出演、講演、執筆、カウンセリングなどで活動中。「カラダヨロコブログ」は月間アクセス20万以上。著書“一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方”が2017年4月24日に発売予定。