酸攻撃を受けた元ミス・イタリア候補の女性(出典:http://honey.nine.com.au 画像を一部加工しています)

写真拡大

容姿だけでなく心にも耐え難いほどの深刻な傷を負わせる酸攻撃の被害に遭う人たちは、長い年月をかけてその治療に励み、変わってしまった自分の姿と向き合って生きていかなければならない。このほど酸攻撃によって顔や身体に大変な傷を負ったイタリア人の女性が退院後、テレビ番組に出演し現在の心境を視聴者に語った。『9Honey』や『BBC』など複数メディアが伝えている。

2007年にミス・イタリアコンテストで最終候補に選ばれたジェシカ・ノタロさん(27歳)は、当時の写真を見るとブルネットの長い髪とくっきりした目元からわかるように、きっと自分の美しい容姿に誇りを持っていたことだろう。

元ミス・イタリア候補生ということで、コンテストの後もテレビ司会者やモデルとしての仕事を得ていたジェシカさんは、それ以前からイタリア東海岸にあるリミニ市の水族館でアシカのトレーナーとしても働いていた。そしてドルフィンショーを行うアトラクション「Delfinario」での仕事中に出会ったのが、カーボベルデ共和国出身のジョルジュ・エドソン=タバレス(29歳)だった。

ジェシカさんとジョルジュが初めて会ったのは2004年のことだが、2人が交際するようになったのはずいぶん後のことで、2年の交際を経た後、昨年8月に2人は別れることになった。しかしそれ以降もジョルジュはジェシカさんへの執着心からストーカー行為を働くようになり、脅迫を受けたジェシカさんが警察に届け出たことで、ジョルジュにはジェシカさんへの接見禁止令が下されていた。

それを恨みに思ったのかジョルジュは今年1月10日、ジェシカさんの自宅前で待ち伏せし、ジェシカさんの顔に酸を浴びせた。ジェシカさんは顔と目に重度の火傷を負い、臀部と脚にも怪我をした。

自分が酸攻撃に遭い襲われた瞬間、焼けつくような痛みを感じながらジェシカさんは跪き、「神様、私の美しさを奪ってもどうか目の光だけは奪わないでください」と祈ったという。

ジェシカさんはそれから2か月間入院し、治療する日々が続いた。4月20日、イタリアの番組『Maurizio Costanzo Show』にスカーフを顔に巻いた状態で出演したジェシカさんは、司会者のコスタンツォさんから「スカーフを外したくなければそのままでいいですよ」と伝えられたが、番組の途中で勇気を出してスカーフを外し、視聴者に酸攻撃の被害の酷さを語った。

「入院している間、私はまるで刑務所で過ごしているかのようでした。もう以前のような生活をすることはできません。明るい太陽の下を外出することもできないのです。感染症を防ぐためにマスクを常時装着しなければならず、火傷の傷がとても痛みます。」

ジェシカさんは現在、酸攻撃の被害で左目を失明するかもしれないという危機に瀕している。番組にも眼帯をつけて出演したが、腫れて傷ついた顔に眼帯が痛々しく、治療にはまだ時間がかかるようだ。引きつった皮膚の整形手術は1年待ちで、火傷の治療費も毎月600ポンド(約84,000円)かかるという。入院時も感染症の予防のために、見舞客とはガラスのパネル越しにしか会うことはできなかったそうだ。

逮捕されたジョルジュは容疑を否認しており、事件当時のアリバイも主張している。現在は公判待ちで拘留されているということだが、自分の人生を180度変えてしまった元恋人に対して、ジェシカさんはこのように心境を明かした。

「相手に復讐したい気持ちはありません。でも唯一思うのは、私に会ってあの男が私に何をしたかということを知ってもらいたいということです。」

残酷な酸攻撃により、顔は火傷でただれてしまったが「幸いにも顔の特徴は残っていて、今でも鏡で“自分”を認識することができるし、口も鼻もそのままで、声を出すこともできます」と語るジェシカさんは、将来の夢を酸攻撃で台無しにされたくはないという強い気持ちを持っている。ジェシカさんの夢はいつか音楽アルバムを出すことだ。元のような外見の美しさが失われたとしても、今後も人生に負けることなく歩んでいくことをジェシカさんは強く願っている。

出典:http://honey.nine.com.au
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)