近年、デジタル一眼カメラやスマホカメラの高画質化・高性能化が進む一方で、独特なプリントの風合いが楽しめると「インスタントカメラ」が若者の間で話題になっています。なかでも富士フイルムが展開するinstax“チェキ”シリーズの人気は高く、使ったことはなくてもその名を聞いたことがあるという人は多いでしょう。先日、そのチェキシリーズの最新モデルとして、“ハイブリッドインスタントカメラ”を標榜する最新モデル「 instax SQUARE SQ 10」が発表されました。本稿では、SQ10に込められた、大きな2つの改革についてご紹介します。

↑ instax SQUARE SQ 10。5月19日発売で参考価格は3万1860円。フィルムにはアスペクト比1:1のスクエアフォーマットを新採用しています

 

↑こちらが正面。左手でもシャッターを切りやすいよう、シャッターボタンを左右それぞれ備えているのが特徴的です。焦点距離は35mm判換算で28.5mm、絞りはF2.4、最短撮影距離は10cm

 

↑こちらが背面。操作しやすいシンプルな操作性にこだわったとのこと。たしかに、見やすいUIと下部に集約された操作系のおかげで、少しさわれば直感的にほとんどの操作を行うことができました

 

画像を確認・加工してからプリントできる

SQ10の最大の特徴は、“ハイブリッドインスタントカメラ”というキャッチコピーからもわかるとおり、instaxシリーズで初めてデジタルイメージセンサーを搭載している点。

 

これが何を意味するかというと、撮影後に好きな写真を“選んで”プリントできる、ということです。これまでチェキは失敗すればフィルムを無駄にしてしまう、という一発勝負的な緊張感がありましたが、本機であれば気軽に、いろいろな構図を試しながらシャッターを切ることができます。

↑「あの一発勝負の緊張感がよかったのに……」という方もご安心を。SQ10では撮影後に選んでプリントする「MANUAL」モードと、従来のチェキ同様、撮影後に自動でプリントされる「AUTO」モードを切り替えられる仕様になっています

 

また、撮影後に多彩な画像編集・加工が行えるのも、デジタル技術を搭載した本機ならではの魅力。作品をつくりこんでいくことで、よりフォトジェニックな写真表現が可能になりました。編集・加工した作品は内臓メモリ(約50枚まで)やmicroSDカードに保存可能なので、あとからプリントしたり、同じ写真を複数回プリントしたりすることもできます。

↑フィルターは全部で10種類。さらに、画像周辺部の光量を19段階で調整する「ビネット」に加え、画像全体の明るさも19段階で調整でき、多彩な写真表現が可能です

 

↑画像の加工は撮影後だけでなく、フィルターや明るさ調整を適用した状態で撮影することも可能。加工後の状態をライブビューで確認しながら構図を固めていけるのは便利です

 

そのほか、デジタルイメージセンサーを搭載したことで、自動露出調整や人物検出、オートフォーカスといった新機能に対応。これまでのインスタントカメラではうまく撮るのが難しかった室内などの暗い場所や逆光下、10cmまでの近距離撮影でも簡単に撮影できます。

 

久々の新フィルム「スクエアフォーマット」への情熱

本製品のもう1つの大きな特徴が、画面サイズ62mm×62mmの「instax SQUARE Film」(参考価格 1350円/10枚入り)を採用している点。近年ではインスタグラムなどのSNSでなじみのあるスクエアフォーマットですが、同社によれば約90年前から写真愛好家に支持されてきたものなのだそう。

↑従来から上下に広がったことで、新たな写真表現が可能に。発表会でもスクエアフォーマットの魅力が熱く語られ、同社の新フォーマットに対する情熱を感じました

 

1対1の画角なので、インスタグラムなどのSNSとの相性もよさそうですが、惜しくもWi-fi機能は非搭載。しかし、前述のとおり、本機はmicroSDカードスロットを備えているため、スマホと画像をやりとりすること自体は可能です。

 

今後の拡張性にも期待大

発表会の会場では関連アクセサリーも何点か展示されていました。そのなかからいくつかご紹介しましょう。

↑こちらは7月発売予定の専用レザーカメラケース。傷や衝撃から守ることができます

 

↑実物はありませんでしたが、自分撮りに役立つセルフィ―ミラーも7月発売予定とのこと

 

そのほか、プリント後の楽しみを広げるアイテムも用意されています。

↑プリントした作品をその場で収納・持ち歩ける手帳型の「ポケットアルバム」(奥)と、手軽に美しく飾れる「アクリルフォトフレーム」(手前)

 

↑一度にたくさんの写真を保管・持ち運べる「フィルムボックス」

 

こうした撮影後、プリント後までトータルで楽しめるのがインスタントカメラの大きな魅力。プリントした作品の活用法をあれこれ考えるのも楽しいものです。

 

SQ10は、「その場でプリントできる」というインスタントカメラの手軽さと、「構図選択や編集・加工によって作品をつくりこめる」というデジタルカメラの機能性を兼ね備えた、まさに“ハイブリッド”なカメラだと感じました。従来のチェキシリーズとはまた違った使い方ができるという意味では、同シリーズ最新モデルでありながら新ジャンルのカメラといえるのではないでしょうか? どういった楽しみ方ができるのか、今後も注目していきたいですね。