板尾創路監督

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 「ピース」の又吉直樹の第153回芥川賞受賞作「火花」を映画化した板尾創路監督が4月23日、沖縄県で開催中の「島ぜんぶでおーきな祭 第9回沖縄国際映画祭」で会見し、クランクアップを報告した。

 会見は、主演した菅田将暉と桐谷健太のビデオメッセージから始まった。菅田は「愛にあふれていた」と表情をほころばせ、「お笑い芸人さんを演じて、本当にライブまでやらせてもらった。相方の(2丁拳銃の川谷)修士さんへの信頼がはんぱなかった」とコンビ愛を強調。桐谷も「むっちゃ楽しかったけど苦しくもあった。将暉にも、相方(三浦誠己)にも支えられた」と同調していた。

 累計発行部数253万部(文庫初版部数を加えると283万部)を突破する同名原作は、漫才の世界で結果を出せず底辺でくすぶる徳永と強い信念を持つ先輩芸人・神谷が出会い、現実の壁にはばまれ、才能と葛藤しながら歩み続ける青春物語。板尾監督は、「なんとか無事に撮り終えることができて、ホッとしています。天気が不安定だったのですが、すごく神がかってすべてうまくいった」と安堵の面持ちを浮かべる。

 主演2人に対しては、「本当に望んでいたキャストでしたが、両名とも作品に興味を示してくれた。大阪出身だからお笑いも大好きやしね」と理想の布陣だったことを告白。そして、「一生に1回やってみたい役に出合えて、恐れ多いとも言っていた。それくらい漫才師をリスペクトしてくれているから、最初は怖さもあったみたいですね」と語った。

 それでも、「ふたりとも大坂出身なので、関西人特有というか、お芝居であったとしても本当に笑わせたいという気持ちがあるんでしょうね。本番でリハーサルとは別のものを出してきたりする。本番までは見せないっていう……、ライバル心があるのでしょうね」と話し、芸人として理解を示していた。

 板尾監督にとっては「脚本を作るのが一番難しかった」そうで、「あの語りをどう映像にしていくか考えましたし、又吉の伝えたいことを汲み取る本作りには苦労しましたねえ」と述懐していた。クランクアップを迎えた今は十分な手ごたえを感じている様子で、「素晴らしいシーンがいっぱい撮れた」と晴れやかな表情をのぞかせた。

 「火花」は、11月23日から全国で公開。