Doctors Me(ドクターズミー)- 妊娠糖尿病といわれたらどうする?血糖コントロールのための食事療法

写真拡大

妊娠糖尿病といわれたら、母体、胎児の両方に様々な影響が起こるため、血糖コントロールの管理を行い、血糖値を正常値に近い値に保つように食事療法を行います。

妊娠糖尿病で起こる症状、食事療法とは具体的にどのようなことに気をつけるのかなどを詳しく解説します。

要チェック項目


□妊娠糖尿病は妊娠中にはじめて見つかった血糖値の異常である
□妊娠糖尿病の治療は食事療法が基本となる
□妊娠糖尿病は出産後も糖尿病の予防のために食事に気をつける必要がある

妊娠糖尿病とは

妊娠糖尿病とは


妊娠糖尿病とは、妊娠前には糖尿病と診断されたことがなく、妊娠して初めて認められた血糖値の異常です。明らかな糖尿病ではなく、軽度の高血糖値の場合を指します。

平成22年9月に妊娠糖尿病の診断基準が変わり、基準が厳しくなったので今までは妊娠糖尿病と診断されなかった人でも診断されるようになり妊娠糖尿病の方は増加しています。

妊娠糖尿病の診断基準


妊娠糖尿病は、血糖値を測定して空腹時血糖値92mg/dl以上、75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)1時間後の血糖値180mg/dl以上、2時間後の血糖値153mg/dl以上のいずれかに当てはまれば診断されます。

妊娠初期には妊娠糖尿病と診断されなかった場合でも中期以降に見つかる場合もあるので妊婦健診は受けるようにしましょう。

妊娠糖尿病の仕組みと原因

妊娠糖尿病になる仕組み


妊娠すると胎盤からインスリンの効き目を弱めるホルモンが分泌されます。インスリンは体内の血糖値を一定に保つために、血糖値が高くなると分泌され、血糖値を下げる働きをしています。

インスリンの働きが胎盤から分泌されるホルモンによって弱まると、血糖値が高くなっても血糖値が下がりにくくなるため、妊娠時は妊娠していない時よりもインスリンをたくさん分泌して対処します。

ですが、妊娠糖尿病では、インスリンを分泌する膵臓の働きに異常があり、インスリンをたくさん分泌することができないので血糖値が高いままとなってしまいます。

妊娠糖尿病の原因


妊娠糖尿病になる方は、遺伝も関与しており、糖尿病の方が家族にいる方や肥満、高齢出産、巨大児の出産経験がある方などは妊娠糖尿病となりやすいので注意が必要です。

妊娠糖尿病の症状

お母さんにみられる症状


妊娠糖尿病になり、お母さんの血糖値が高くなると、妊娠高血圧症候群(高血圧、蛋白尿、浮腫のいずれかがみられ胎盤早期剥離や子癇発作、出血がとまりにくくなる、ヘルプ症候群などの症状がみられる)、

羊水量の異常、網膜症、腎症、肩甲難産(分娩時に赤ちゃんの肩がひっかかり、分娩が停止して赤ちゃんが低酸素状態や麻痺が生じることがあります。)などが起こります。

帝王切開となることもあり、お母さんの体にも負担がかかります。

お腹の赤ちゃんにみられる症状


お腹の赤ちゃんは、流産や巨大児、心臓の肥大、形態異常、低血糖、電解質異常、黄疸、多血症、呼吸障害などが合併症としてみられ、重症の場合は胎児死亡となります。

妊娠糖尿病の治療

血糖値コントロールの目標


空腹時100mg/dl未満、食後2時間120mg/dl未満を目標値として血糖値のコントロールの徹底を行います。

血糖値のコントロールを図りながら、赤ちゃんとお母さんに十分なエネルギーと栄養が補えるようにすること、空腹時にケトン体の量が増えてケトーシスにならないようにすること、適正体重の管理が治療の目標となります。

血糖値コントロールの方法


糖尿病の血糖値コントロールは運動と食事が基本となりますが、妊娠時は積極的な運動が行なえないため、食事療法が中心となります。

妊娠糖尿病の食事

一日の推奨エネルギー摂取量


身長から標準体重(=身長(m)×身長(m)×22)を割り出し、BMI(体格指数)(=妊娠前体重(kg)÷身長(m)×身長(m))によって1日の推奨エネルギー摂取量が決定されます。

食事療法のポイント


・血糖値の上昇が穏やかとなるように1日の食事を決まった時間に3回、または4〜6回に分けてとるようにしましょう

・バランスよく栄養がとれるようにメニューを組み立てましょう

・きのこ、海藻類などに多く含まれる食物繊維、ほうれん草、小松菜、ひじきなどに多く含まれる鉄分を積極的に摂るようにしましょう

・タンパク質は脂身の少ない肉の赤身や魚、大豆、卵などからとるようにしましょう

・塩分を摂り過ぎないように味付けにはダシやレモンやゆず、しょうが、大葉などを活用しましょう

・甘いおやつやジュースなどの糖分を多く含む間食は控えましょう

・脂肪を控えるように、フライや油炒めなどは避け、焼く、炊く、蒸すなどの調理法を心掛けましょう

・メニューは洋食よりも和食の方が栄養バランスを整えやすいでしょう

妊娠糖尿病は出産後も食事に気をつけましょう

食事療法を行っても血糖コントロールが上手く行かない場合は、インスリン注射での治療を行います。

インスリン注射は経口薬とは異なり、胎盤を通して胎児に薬の成分が移行することがありません。

厳重な血糖コントロールの末に無事に出産できたとしても、妊娠糖尿病の方は後に二型糖尿病を発症する方も多く、日頃から食事には気をつける必要があります。

出産後も食事療法を継続し、糖尿病の発症を予防しましょう。

(監修:Doctors Me 医師)