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皆様、こんばんは。月に一度、デジタルとプロ野球という“交わりようのない機軸”の前に、唯々立ちすくむひと時。「スポーツワイド プロ野球デジタルニュース」の時間がやって参りました。

2017年のプロ野球もいよいよ開幕し、12球団は早くも明暗がくっきりと分かれております。

広島は神って中日は曇って明暗分けたプロ野球開幕



明るいほうでは昨年セ・リーグ優勝を果たした広島東洋カープ。流行語大賞「神ってる」は今年も健在で、4月12日の巨人戦では新ストッパー“カミってる”ことカミネロを9回に捕え、一挙7得点で大逆転。ド派手に10連勝を飾りました。

カープは開幕戦を落としただけで、10勝1敗という超ロケットスタートを成功させたわけですが、この躍進に広島地方では昨年のフィーバーが再燃。なんでも開幕から1カ月でのCS放送の加入者が、東京都の加入者数を上回ったということです。これがどれだけすごいかというと、東京都の人口約11362万人に対して、広島県の人口はその4分の1となる約285万人。しかも、昨年の優勝騒ぎであれだけのフィーバーがあったにも関わらず、まだ余白を残しているという恐ろしさ。今年連覇を狙う広島県のカープフィーバーは、しばらくの間続きそうです。

さて、続いては暗の方です。37年ぶりに開幕から5連敗を喫したのは中日ドラゴンズ。今季から森繁和新監督を迎え、スローガン「原点回帰」を謳っての再出発も、開幕から投打がなかなかかみ合わず、ここまで苦戦を強いられております。

そんな状況ではありますが、本拠地ナゴヤドームでは今季から女性やファミリー向けイベントの充実と、ファンサービス面での改革を積極的に行うなど、いろいろと新しい取り組みを始めているようです。

顕著だったのが4月4日からの開幕戦シリーズのポスターにデカデカと描かれた「ドラゴンズ愛」のスローガン。森監督、平田、大島両選手が登場する球団CMでもドラゴンズ愛を前面に押し出し、ファンに球団愛を強く訴えました。

本拠地ナゴヤドームでも今シーズンからセンタービジョンが生まれ変わり、全長106mとセ界最大となる「106ビジョン」を新設。「106」で「ドーム」と読むらしいです。シャレていますね。この大型ビジョンに「原点回帰」「原点回帰」というスローガンが踊りまくっている今シーズン。開幕から苦しいスタートではありますが、今季のドラゴンズは何かが違うという雰囲気をそこはかとなく漂わせております。

バレンティンと矢野コーチの乱闘はAIにも予測不能!?



続いてはAIが解説をするというやっとデジタルっぽい話題です。

開幕直前の3月27日。電通ラボ東京が「AIスポーツ解説プロジェクト」を発表。これまでのプロ野球におけるデータをつぶさに学習し、将棋などにも使われているディープラーニングを応用することで、選手の傾向や配球、順位予想までを予測してしまうのだとか。その名もスポーツ解説システム「ZUNOさん」。風雲たけし城のゲーム「君もUNO君」に名前は似てこそすれ、その機能は実に革命的。今シーズンはNHKの野球関連番組に登場する予定のよう、いずれ解説者もいらなくなる世の中が来るかもしれませんね。

はい。それでは最後はいつものヤツまいりましょう。「今月のアナグラン!」。今月は4月4日のヤクルト対阪神戦での乱闘です。阪神藤波投手の投球が、ヤクルト畠山選手の顔付近に当たるデッドボールが発端となり、両軍入り乱れての乱闘騒ぎへと発展しました。この乱闘で外野からすっ飛んできて阪神側に突っ込んでいった一騎当千バレンティン選手とブルースリー並みの飛び蹴りで応戦した阪神矢野コーチが退場処分となりましたが、近年ではWBCなど国際大会の活性化で選手同士がなかよくなり、珍しくなってしまった乱闘こそ、昭和野球であり、アナログ野球の決定版。これはさすがの人工知能とて予想することは難しいでしょう。この点においては「バレンティンにインコースを攻めたらいかれる」と誰もが予想ができる人間側の予想が優秀かもしれませんね。

それではまた来月。最後は開き直ってアナログになってしまったPBDNでお会いしましょう。

文/村瀬秀信

※『デジモノステーション』2017年6月号より抜粋

むらせひでのぶ/ライター、コラムニスト、プロ野球観客。セイバーメトリクスとか武器にできたからいいなぁと憧れる40歳。数学2、血圧140。著書に「4522敗の記憶」(双葉社)、「プロ野球 最期の言葉」(イーストプレス)、「気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている」(交通新聞社)など著作多数。

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