瀬田なつき監督

写真拡大

 東京・吉祥寺の井の頭恩賜公園の開園100周年を記念して製作され、橋本愛、永野芽郁、染谷将太が共演した映画「PARKS パークス」が公開された。「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」の瀬田なつき監督がメガホンをとり、同公園と吉祥寺の街を舞台に、1960年代に作られた楽曲が現代に生きる3人の若者たちの夢を繋ぐ、さわやかな青春ドラマだ。瀬田監督に話を聞いた。

 2014年に閉館した映画館で、瀬田監督自身も学生時代に常連だった吉祥寺バウスシアターのオーナー本田拓夫氏の提案で、本企画が進行した。「本田さんから映画の具体的な内容については、お任せするというおおらかなスタンスで依頼されました。決まっていたのは、公園と桜を入れたいということだけだったので、逆にどうしようかと悩みましたが、井の頭公園の100周年がキーワードだったので、過去や思い出を取り入れた物語にしようと考えました」

 トクマルシューゴが音楽監修を手掛け、20組以上の豪華ミュージシャンも参加。橋本が演じる女子大生の純はギターで弾き語り、染谷が演じるトキオはラップを披露するなど、全編を通して豊かな音楽に満ち溢れた作品となった。

 「音楽を作るという要素が出てくるのですが、最初から橋本愛さんに演じてもらうとは決まっていませんでした。その後、橋本さんとお会いさせていただいたいたときに、歌うことも好きで、ギターも昔少し趣味で弾いたことがあると聞き、これはちょうど主人公の設定と一緒だなと思いました。染谷さんは『TOKYO TRIBE』やっていたから、ラップのフリースタイルできるんじゃないか、とトクマルさんと勝手に思っていたのですが、もちろん、染谷さんはラッパーじゃないから歌うのはできるがリリッックを作るのはさすがに無理だと(笑)。最終的に、ceroの高城晶平さんに考えてもらった部分と、染谷さんと一緒に考えた部分とがあります」

 登場人物の物語と同時に、普段の吉祥寺の街の日常が切り取られている。「吉祥寺の地域の皆さんにはお宅を貸していただいたり、エキストラで出演していただいたり、たくさん協力していただきました。完成後に試写の上映をしたときには、年配の方からも、あの場所がをこんな風に撮られているなんて、とか、あれはどういうことだったの? とストーリーについて聞かれたり、楽しんでいただけたようでうれしかったです」

 監督自身は関西出身。今作を撮り上げた今、吉祥寺は「出会いがあって、いろんな人とのつながりを感じる街」だそう。井の頭公園のお気に入りの場所を挙げてもらった。「撮影でよく使ったのは、七井橋のすぐ隣にあるベンチ。背もたれがなくて、柵もなくて池に面しているんです。弁天橋は人が少なくて、風流な感じがよくて。あとは、京王井の頭線の高架下が見えるあたりも、過去に戻ったような気分がして好きですね。この映画がいろんな人の公園の記憶とリンクするといいなと思います」と笑顔で語った。

 「PARKS パークス」はテアトル新宿で公開中、4月29日から吉祥寺オデヲンで公開。以降、全国順次公開。