思い出補正はなぜ起こる?

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思い出補正という言葉があります。かつての辛かった思い出が良い思い出に変換されていたり、あるいは大したことがない思い出がとてつもない武勇伝になっていたりと、記憶が簡単に変換されることをいいます。

なぜ起こるのか?

そんな脳の不思議について問いかけがなされた本がジュリア・ショウ著による「脳はなぜ都合よく記憶するのか:記憶科学が教える脳と人間の不思議」(講談社)です。著者は、人間の脳の記憶のメカニズムに関する研究を行っている研究者です。特に感情的な出来事を通して起こる記憶エラーを取り扱っています。人間の脳は簡単に記憶を取り違えることを、実験によって証明します。人間は簡単に記憶を塗り替えたり、体験をしていないことを創造してしまうことを明らかにします。

なぜ脳は不正確なのか?

なぜ、脳はそのように不正確なのでしょうか。著者の立てた仮説は、脳は記憶の正確さを犠牲にしてでも、より豊かに創造的に生きることを選んでいるのではないか、そうしたものです。確かにとてつもないショッキングな記憶を、一時的に喪失することによって和らげるような症例はありますし、あるいは洗脳、サブリミナル、催眠といった作法にハマってしまう人間もいます。なぜ、そうしたことが起こるのか、脳の不思議に迫ったスリリングな本です。