実写版『美女と野獣』 映像と歌とスター共演で、伝説の三角関係を美しく歌い上げた傑作です【最新シネマ批評】

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【最新シネマ批評】
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは、超話題作『美女と野獣』(2017年4月21日公開)です。全米公開から27日目の4月13日には世界興行収入10億ドルを突破して、いまなおヒット街道ばく進中という本作。

Pouch の最新シネマ批評でも取り上げた『SING』と『モアナと伝説の海』の大ヒットで、ミュージカル映画がキテる2017年。ディズニー・アニメーションの中でも唯一、アカデミー賞作品賞候補にもあがった傑作の実写映画化で期待しちゃいます。

主演は『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー役で知られる、エマ・ワトソンです。では、物語から。

【物語】

傲慢な態度のせいで、魔女に呪いをかけられ野獣の姿になった王子(ダン・スティーヴンス)。バラの花びらの最後の1枚が地に落ちるまでに誰かに愛されなければ、彼はずっと野獣のまま。

時は過ぎ、ある日、城に迷い込んだモーリス(ケヴィン・クライン)は、野獣に捕えられてしまいます。モーリスを助けるために城にやってきたのは、娘のベル(エマ・ワトソン)。彼女は父と入れ替わりに閉じ込められますが、これをきっかけにベルと王子の交流が始まるのです。

【現代女性に通じるベルのキャラクター】

実写版『美女と野獣』の成功は、エマ・ワトソンの存在が大きいでしょう。アニメ版のベルは、ディズニー・プリンセスの仲間とはいえ、決して王子様を待っているタイプではなく、勇敢なヒロイン。

実写版のベルは、それに加えて自立心に溢れています。閉鎖的な村から飛び出してもっと広い世界を見たいと願っている女性で、女性はこうあるべきという古い概念に「NO」と言える人なんですよ。そんなベルにエマはピッタリ!

彼女自身、国連組織 UNウィメンの親善大使に任命され、女性が教育を受ける権利についてスピーチするなど、社会活動にも活発。野獣に対して対等に接することができる強いヒロイン像は、現代的で、まさにエマそのものなのです。

【野獣VSガストン、あなたの好みは?】

『美女と野獣』にはベルを取り巻く二人の男性が登場します。野獣(王子)と、ベルにしつこく言い寄るガストンです。

意外なのはガストンがワルの魅力を放っていること。行動はゲスの極みで、なんで魔女に呪いをかけられないのか不思議なんですが、演じるルーク・エヴァンスの好演により、Mな女子はガストン派になるかもしれません。

一方、野獣は苦悩に満ちていて、見た目は野獣ですが、心は繊細で意外と母性をくすぐられるキャラなんですよ。

欲を言えば、ダン・スティーヴンスさん演じるキラキラの王子姿をもうちょっと見たかったですね。後半なんて「ベル、早く “I Love You” って言ってあげて!」と、素の王子見たさに地団駄踏んじゃいましたよ。

【映像の技術革新がディズニー・アニメーションの実写化を可能にした!】

それにしても見事な実写化です。私が「どう見せるのだろう」と不安だったのは、野獣のお城で燭台や時計やポットの姿に変えられた使用人たちなんですが、これが見事に違和感なく映像化されていて感動! 映像技術の進化のおかげで、ベル、野獣、使用人たちの交流はとても楽しく、ディズニー映画らしい夢が溢れるシーンになっています。

【個性豊かで愛すべき使用人たち】

使用人らの声を担当しているのが、ユアン・マクレガー、イアン・マッケラン、エマ・トンプソンなどの演技派たち。ユアンは給士長のルミエール役(燭台)で登場します。『T2 トレインスポッティング』の後に見ると、彼の演技の幅の広さに驚嘆しちゃいます。

【野獣の声を演じた山崎さんが好きなのは…?】

ちなみに、プレミアム吹替版で野獣の声を演じた山崎 育三郎さんの大好きなキャラクターが、ルミエール。「どんな厳しい状況でも明るく前向きでやさしい人柄は、自分の目標の人物像」だと語っていました。蝋燭の炎をつけたり消したりしながら大活躍していたので、注目です。

実写版『美女と野獣』は、プレミアム吹替え版も豪華な声優陣で、実力派のミュージカル俳優がディズニーのオーディションを勝ち抜いて抜擢されています。野獣役の山崎育三郎さんはミュージカル界のプリンス。そしてミュージカル界のプリンセスと言われる昆夏美さんがベルを熱演。お二人とも素晴らしい美声を聞かせてくれます。

できれば字幕版と吹替版、両方を見て、より深く、『美女と野獣』の世界を堪能してほしいですね。

執筆=斎藤 香 (c)Pouch

『美女と野獣』
(2017年4月21日より、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー)
監督:ビル・コンドン
出演:エマ・ワトソン、ダン・スティーヴンス、ルーク・エヴァンス、ケヴィン・クライン、ユアン・マクレガー、イアン・マッケラン、エマ・トンプソンほか
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