世界ランク11位の平野美宇【写真:Getty Images】

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韓国OP準決で石川佳純に完敗、アジア選手権に続くVならず「快進撃は幕閉じた」

 卓球の韓国オープン(仁川)は22日、女子シングルス準決勝で世界ランク11位の平野美宇(エリートアカデミー)が世界ランク4位の石川佳純(全農)に0-4のストレート負けを喫し、4強で姿を消した。史上最年少で制したアジア選手権に続く連続Vはならず、国際卓球連盟(ITTF)は公式サイトで「特筆すべき快進撃は幕を閉じた」と伝えた。

 17歳の全日本女王の勢いは、24歳の前女王によって止められた。平野は準決勝でいいところなく完敗。1月の全日本選手権決勝で破った石川に雪辱を許した。世界ランク1、2、5位の地元・中国勢を破って優勝し、卓球界に衝撃を与えたアジア選手権から続いた躍進も途絶える形となった。

 ITTFの公式サイトも日本人対決で敗れた平野について「アジア選手権から始まった特筆すべき快進撃は、先輩選手の勝利とともに幕を閉じた」と紹介。準決勝は上位2シードである世界ランク3位の馮天薇(シンガポール)に石川が勝利し、「順当な結果となった」と記述している。

 準々決勝までは、さすがの貫禄だった。1、2回戦はストレート勝ち。準決勝の前に同日行われた準々決勝では、世界ランク25位のツォン・ジエン(シンガポール)を4-2で破った。

準々は「敬礼をせざるを得ない」と称賛も…準決で疲労の色、その理由は?

「平野の素晴らしいパフォーマンスは継続する」と記した準々決勝では、昨年のドイツ・オープンのU-21のシングルで敗れたジエンにリベンジとなったことを紹介。「平野の成功には敬礼をせざるを得ない。彼女は格上の選手でも恐れることなく対応し、神経質にならず、競技を楽しんでいるという感を強めている」と称賛されていたが、準決勝で苦杯をなめた。

 完全アウェーのアジア選手権、次々と格上選手から金星を挙げた激闘から、わずか1週間。疲労もあったのか、石川戦は精彩を欠いてミスが目立ち、本来の攻めの卓球が鳴りを潜めた。

 記事では「平野にとっては過酷なトーナメントが続いた。アジア選手権で平野が王座を獲得することを予想した人は多くはないだろう。この2週間は17歳にとって過酷だったはずだ」と日程的に厳しい状況だったと分析。「石川の勝利は、日本選手権で平野に喫した敗戦の雪辱を果たしたことを意味する」と伝えた。

 これが、5月の世界選手権(デュッセルドルフ)前、最後のITTFツアーとなった。今度はドイツの舞台で輝き、アジア女王から世界女王へ。平野の挑戦は再び始まる。