JFLから一段ずつステップアップを果たし、今季ついにJ1に辿り着いた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ8節]柏2-0横浜/4月22日(土)/柏
 
 横浜戦の勝因のひとつは、間違いなく齋藤学を封じたことだ。その重要なタスクをこなしたのが、今季から加入した小池龍太だった。
 
「ミーティングで監督から、自分がマッチアップする齋藤選手がキーマンになると言われていた。自分でも、そこを抑えられるかで勝負が決まるというのは認識していた」という小池は、素早い寄せで相手のエースから自由を奪い、ほとんど仕事をさせなかった。
 
 試合後は、「(うまく)抑えられたかな。ただ自分だけの力で抑えられたとは思っていない。チーム全員が自分の力を120パーセント発揮した結果。全員がよく走ったし、レイソルのサッカーができたかなと思う」と謙遜して試合を振り返る。しかし、間違いなくこの日の働きぶりは際立っていた。
 
珮憩Iじ″を命じた下平監督も、「今日は驚くくらい小池が齋藤選手を抑えてくれた。ほぼ何もさせなかったのではないかなというぐらい。伊東(純也)のプレスバックなど、(周囲の)守備の貢献もあったが、なにより小池が1対1の対応でほぼ何もさせなかった。本当に小池の頑張りを誉めたい」と、この右SBのパフォーマンスを手放しで称賛するほどだ。
 
 この男の成長度は計り知れない。というのも、21歳のDFは異色のキャリアの持ち主だからだ。
 
 2014年にJFAアカデミー福島を卒業すると同時に、当時JFLに所属していた山口に加入。当時はアマチュア契約でアルバイトをしながら生計を立てていたという。山口では1年目から主力に定着し、チームのJ3参入に貢献した。
 
 さらにJ3から1年で、チームとともにJ2昇格。それでも勢いはとどまらず42試合すべてに出場し3ゴールを奪う働きぶりを見せる。その活躍が下平監督の目にとまり、今季J1の柏入り。毎年一段ずつカテゴリーを上げ、文字通り猗躍的″なステップアップを遂げるのだ。
 
 そして今季、ようやく辿り着いた日本のトップディビジョンでも、ますます存在感を高めている。
 5節の広島戦では清水航平、前節の神戸戦では大森晃太郎と、リーグに名を轟かせるアタッカーと対峙し、いずれも決定的な仕事をさせず勝利に貢献した。そして前述したように、横浜戦では日本屈指のドリブラーである齋藤を封じてみせた。
 
 自身も「守備面は少しずつ自分の特長として掴めてきている」と、ここまでの成長にたしかな手応えを感じている。それでも、「ある程度納得のいく部分もある。でも今日100パーセント止められたかというとそうではない。もっと向上心をもってやりたい」と満足する素振りは一切ない。
 
 むしろ、そのハングリー精神は強くなるばかりだ。
 
「自分はやっぱりクロスだったりの攻撃面が売り。もちろん守備はやらなきゃいけないけど、次は自分の力で得点を奪える選手になりたい」

 小池が自身の長所だと語るセールスポイントは、積極果敢な攻め上がり。高校2年生まではMFだっただけあって、得点へのこだわりも強い。前節の神戸戦では鋭いクロスでアシストを決めるなど、柏でもその持ち味を発揮し始めているものの、いまだに得点は奪えていない。次なる目標はJ1初ゴールだ。
 
 急成長を遂げる若武者は、どこまで成り上がるのか――。柏の背番号13から目が離せない。

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取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)