「奨学金地獄」という社会問題が注目されている。

 大学や専門学校などに通うための奨学金利用者数は年々増加の傾向を見せており、いまや大学生の2人に1人が奨学金を利用している。もちろん、借りた奨学金は社会人になってから月々返済していくが、実はこの奨学金の返済滞納者がおよそ33万人で、滞納額は880億円にものぼっている。(日本学生支援機構調べ)

 奨学金制度を利用する学生は社会人になる前に多額の“借金”を抱えることを認識しているのだろうか。奨学金制度を利用している大学生らに「合計いくら借りているか把握しているか」と尋ねると「把握していない。親が管理している」「忘れてしまったけど、結構借りてるほう」などと返済額を意識していない様子だが、平均借入額は288万円、多い場合は500万円以上にもなるという。

 そして、この奨学金を返済するために生活難に陥るのが「奨学金地獄」だ。子供2人を大学に通わせている女性は「夫の給料は上がるわけでもないし、私も現在パートで家計を支えています。住宅ローンもまだ返済が残っています」「(大学の授業料は)年間、2人で300万円です」「(授業料を)支払うのが困難なので、子供に奨学金を借りてもらっているのが現状です」と厳しい事情を明かした。

 大学の授業料は年々高騰しており、国公立で年間平均およそ56万円、私立では平均86万円となっている。さらにサラリーマンの平均年収は20年ほど前から緩やかに減少しており近年は横ばい。そのため、親からの仕送り額も年々低下し、首都圏の私立大学生への仕送り額は16年連続で減少中の8万5700円と過去最低額だ。親からの支援を受けられない学生は奨学金に頼るしかないの現状のようだ。

 日本は他の先進国と比べ、学費が高く、公的補助が少ないとされている。アメリカやカナダ、イギリスは授業料が高いものの、公的補助が手厚く、さらにドイツは授業料も安く、公的補助が手厚いのが特徴だ。加えて返済しなければならない奨学金制度も、他国では所得に連動した返済方式で利用者に優しい制度となっている。

 これまで奨学金制度に遅れをとっていた日本だが、今年からは国による給付型奨学金が開始された。そして返済も従来の方法に加えて、所得と連動した返済方式も採用された。日本学生支援機構の奨学事業戦略部長である藤森義夫氏は「まだまだ支援を必要とする人がいるのでそれらの人に奨学金を届けたい。給付を増やしたり、返しやすい制度にしていくことに力を尽くしたい。社会の矛盾が、若い人たちへのしわ寄せとなっているのではないか。我々の仕事により、将来起こりうる問題の改善に少しでも貢献できればと思っています」と話している。

( AbemaTV /原宿アベニューより)

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