劇的優勝!女子高生コンビが日本最高記録を連発し、新時代の訪れを告げたフィギュア国別対抗戦の巻。
日が沈んだあと、1週間くらいですぐのぼった!

フィギュアスケート国別対抗戦は劇的な決着となりました。2日目までの競技を終えた段階で日本は首位に立つ好発進。男子シングルでの羽生・宇野ワンツーフィニッシュが大きなリードを与えていました。しかし、3日目の競技では女子シングルでワンツーを狙えるロシアが猛追を見せることは間違いない。1点を争う熾烈なデッドヒートになることは確実でした。

「何かひとつ頑張りがなければ勝てないだろう」

これまでの自分の殻を破って一段階上にのぼるような何かがなければ、競り負けるだろう…個人的な見立てとしてはそのように思っていました。そして、日本勢はその頑張りを見せました。とりわけ、夜明けのように眩しく輝いた女子シングルでの奮闘は素晴らしかった。

つい先日、浅田真央さんの引退によってひとつの時代の終わりを感じたばかりだというのに、そのエンドロールの最後に「続・編・決・定!」のテロップでも出てきたような気分。若いチカラが、今まさにのぼっている。昨日より今日強くなる勢いで、ショートの順位を覆してみせた三原舞依・樋口新葉の女子高生コンビ。あぁ来季は、十分なチカラを備えた女子高生を愛でながら五輪への道を歩むことができるんだ。ガッツポーズでもしたいくらい。

自己ベストを更新したばかりか、宮原知子さんの記録をも超えて、フリープログラムの日本最高記録となる145.30点と146.17点を立てつづけにマークしたふたり。ド緊張の大本番で同じことをするにはまだまだ人間としての修行が必要でしょうが、チカラと技はすでに十二分なものがあることをふたりそろって見せつけてくれました。

これでまだ1年も時間がある。どこまで伸ばしていけるか楽しみで仕方ありません。これまでの10年あまりが真央時代だとすれば、もうすでに新しい時代、黄金時代が始まりつつある。この大会に出ていない選手にも、同等以上の期待感を備えた面々がまだいるのです。確かな手ごたえをもって来季に臨める素晴らしい大会になったのではないでしょうか。今季エピローグのつもりが来季のプロローグになるなんて、大収穫です!

↓記録と結果を出した若いチカラが、まおちゃんありがとうの寄せ書きをかかげる!

日本チームだけのつもりが、ほかの国からもどんどん寄せ書きが集まるという感動のエピソード!

何ですか、このイイ話!こんなん泣いてしまうわ!

なお、僕が知る範囲では「みきちゃんありがとう」もしくは「みきちゃんおめでとう」の寄せ書きはまだ実施されていないと思いますので、平昌ではぜひお願いしますね!

地上波中継はペアのフリーをダイジェストでお届けするところからスタート。すると、須藤・オデ組の滑りを見守る日本の応援席には、国旗とチームメンバーの名前が付けられた真っ赤な法被姿の人物が。頭にはガッチリとハチマキをしめ、ものすごいやる気を示している若大将。その視線は鋭く、張り上げる声は大きい。「パ、パチンコ屋の朝イチの行列を仕切る人みたいだ…!」と慄く僕。それこそ我らが羽生結弦氏の応援スタイル。松岡修造さんを、選手としての実績・応援時の熱さで早くも凌駕する、未来の応援団長の戦闘服です。

↓ただの若きスケオタ男子じゃねーか!

実践を踏まえての競技に関する深い知識!

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近年はGPファイナル、世界選手権などを含めて世界ツアーを敢行し、試合を見まくる超現場主義!

ファンの間でも「この人はちょっと私たちとは格が違うっていうか、そもそも違うっていうか、とにかく一緒にされても困る…」と別格の扱いを受けるトップオタ!

VIP席でご満悦です!

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ペアの競技までを終えた段階で、トップは日本の88点、2位が86点のアメリカ、3位が85点のロシア。前日の段階ではロシアと7点差あったものが、3点差にまで縮まってきました。女子シングルはロシアが相当に強く、特にSP1位のメドベージェワには、ワンミス・ツーミス程度では届きそうにありません。

メドベージェワの1位を前提で考えるなら、「向こうが1位(12点)・2位(11点)」だと、たとえ「3位(10点)・4位(9点)」でも逆転を許すことになります。なるほど、SPの序列を引っくり返せと。割って入れと。守っていてもダメで、攻めなくてはいけないと。さぁここで殻を破ることができるか。

後半グループの6分間練習では、樋口さんは周囲にギラギラと光を放ちながら、シェヘラザード独特の圧をかけていきます。三原さんはPresented by資生堂の大会にあわせるように、表情筋をひとつひとつ確認しながらのリンクイン。笑顔で滑ることで緊張や重圧と戦うかのよう。

何せ応援席には松岡修造みたいなのがめっちゃメラメラしている。ダメだったら「僕のショートすいません!」と土下座でもしそうな顔でメラメラしている。4分くらいひとりで反省の弁を述べつづけそうな顔で立っている。負けて帰るのは気が重い。土下座とかされたらいろんな意味で面倒臭い。どうせ終わったあとには本物の松岡修造もくるんだろうなぁ…とか考えるとますます気が重い。「重圧」という言葉の意味、はじめて感じていたかもしれません。

「気が重い!絶対にやるしかない!」

先に登場したのは樋口新葉さん。冒頭のトリプルルッツ+トリプルトゥループの大技を余裕をもって決めると、安定したジャンプとブレないスピンで演技全体の流れも美しくまとめていきます。演技後半に再びトリプルルッツ+トリプルトゥループを決めると、グワァァァァっと会場の興奮も高まっていくかのよう。手拍子が起き、ラストへ向かってスピードをあげていく。

演技を終えた瞬間に、「あ、これパーソナルベストですわ」とジャッジを見るまでもなくわかる演技。本人は何度もこぶしを握ってガッツポし、応援席の松岡修造みたいな人も拳を突き上げます。あとは何点が出るか、どこまでいけるか。やっている要素からすれば、すごい点が出てもおかしくない演技のはずです。

↓そして出た145.30点!宮原知子さんの143.69点を超えフリープログラムでの日本歴代最高記録!


オオオオオオオオオオオ!!

新時代到来や!新時代くるの早かったな!

この点より上って、メドベージェワとソトニコワとキム・ヨナしかおらんぞ!

日本チームにも勢いがつく超高得点。優勝を争うロシアに対しても強烈なプレッシャーです。メドベージェワはともかく、ラジオノワは自己ベストをここで出さないといけなくなってきた。これは容易なことではありません。しかも、その圧をさらに三原さんと若大将が高めてくる。

傑作シンデレラを滑り出した三原さんは、トリプルルッツ+トリプルトゥループのコンボを難なく決めると、失敗するとかしないとかという低次元な戦いではなく、どれだけ魅せられるかという高みへと向かっていきます。この試合以前にもノーミスのシンデレラはありましたが、印象としてはそれよりもさらにいい。地元日本の応援という舞台装置もあいまって、ますますよく見える。もしかして、もしかするのか…?

↓そして出た!わずか10分弱で日本最高記録を再度塗り替える146.17点!


納得のパーソナルベスト!

ガラスの靴を王子様がもってきた!

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さぁこれでプレッシャーはロシアチームへドーンとのしかかります。ラジオノワは自分の演技でトップに立たないかぎり、あとがどうなろうが日本チームの優勝が決まります。146.17点を超える自己ベストを出さないといけないということを意識したかどうかはわかりませんが、トリプルルッツ、ダブルアクセル、さらにトリプルループと目に見えるミスが出てしまう演技になったラジオノワ。十分に美しい演技ではありますが、この自己ベスト祭りの波には乗り切れませんでした。

最終滑走となるメドベージェワは、さすがの強さ・美しさで世界最高記録を更新していきますが、絶対王者がいても勝てるわけではないというのがチーム戦。日本はこの大舞台で若いふたりが「チーム」となって突き抜けた。どちらかひとりだけでは足りなかったかもしれない勝利を引き寄せた。女王のスゴさは体感しつつも、試合としてはコチラがいただきました!

↓呆けるしかないようなメドベージェワの世界最高記録!おめでとう!でも、試合には勝たせてもらいました!

男子のなかに入ってもトップ10争いできるスコア!

「4回転がなくても戦えるってことよ!」という高笑いが聞こえる!

↓圧巻のプロトコルはもはや最後の「穴埋め」の段階へ!

GOEはオール2&3!

「3F+3T」「3F」「3S+3T」「LSp4」はGOE満点!

さらにパフォーマンスの項目は全ジャッジが10点!

「いやー、もうちょっとで全部3と10なのになぁ」って、そういうゲームじゃないですからね!

でも、これあと1年あったら本当に全部埋まるかもしれんね!

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素晴らしい手応えと収穫を持って来季へと戦いがうつっていく。日本にとってはもちろん、世界の大きな流れという意味でもいい大会になりました。今の時点でこれだけ自己ベストが出たのですから、五輪ではさらに先の世界に届くはず。競技としての魅力もさらに高まっていくに違いありません。怪我、病気、アクシデント、そういうものがないようにお祈りしつつ、見守っていきたいもの。

見守り作業にあたっては、今大会の応援席にならってコチラも赤い法被の導入というのも検討したほうがいいかもしれません。もし質問の機会を得られるとしたら、「法被とか着たほうが盛り上がりますかね?」という点を聞いてみたいもの。ユニフォームとかもないので、みんな私服で見ているわけですが、揃いの法被とか着たほうがリンク内からわかりやすいようだったら導入を検討したく思います。応援正装として…!

スーツより法被のほうが似合うんだなと思いました!