“アシストのアシスト”で先制点を演出し、自らのゴールで追加点をゲット。非凡な技術と優れた戦術眼を駆使し、中村は決定的な仕事をこなして勝利の立役者に写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ8節]鹿島 0-3 磐田/4月22日/カシマ

 豪快な一撃だった。21分、相手ゴール前で粘った松浦からの落としを、思い切り左足で叩く。ボールは鋭い軌道を描き、ネットに突き刺さった。

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 シュートのひとつ前のプレーでも、打てるチャンスはあった。だが、「(自分のところに来たボールを)胸でトラップして、落として、バウンドしたところをアウト(にかけて)で、上から降るみたいなシュートを打とうしたけど、そんなにバウンドしなかった」から、川又へのパスに切り替えた。
 
 この試みは相手に防がれたが、冒頭で記したように、再び、自分のところにボールが届く。
 
「さっきは打てなかったけど、もう一回、チャンスが来るのはなかなかない。“打ちがい”があるでしょ」
 
 昨季の横浜時代には流れの中からのゴールはなかっただけに、「良かった」と安堵する。
 
 非凡な技術が凝縮されたチーム2点目だったが、先制点を演出したのも中村だった。
 
 相手陣内で足もとに収めると、ドリブルを開始。鹿島DFを十分に引き付けてから、右サイドの櫻内に出して、そこからのクロスを川又が得意のヘッドで沈めた。
 
「左SBもストッパーも出てこない。来たら、川又にスルーパスか自分でシュートと思っていたけど、そんなに来なかった。で、前に前に、って行ったら、相手が来たので、(櫻内)渚に出して。そうすれば、僕に寄せてきた分、川又がDFと1対1になれるし、彼の良さが出る」
 
 ちなみに、櫻内にパスした後は、自身がリターンをもらおうとマイナス気味にスタンバイ。結果的にパスは届かなかったが、「いつかは来ると思うから、準備はしている」と語る。
 
 フィニッシュに絡むまでの過程で、わずか何秒の間に様々なシチュエーションを思い浮かべ、最適のプレーを選択する。国内随一のテクニックのみならず、その“頭脳”が演出した2ゴールだった。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)