今夏、来夏の激戦区はどこ?

写真拡大

 来年の夏、甲子園は第100回の記念大会を迎える。1998年の第80回大会以降、末尾ゼロの記念大会では“激戦区”の出場枠が増えることになっている。

 前回の2008年の第90回大会では埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪、兵庫の6地区の出場枠が2校に拡大された。思い返せば、1998年に松坂大輔(ソフトバンク)が横浜で伝説の春夏連覇を達成した際も東神奈川代表としての出場だった。

 そんなプレミアムな記念大会だが、来年の第100回大会では新たに福岡が2枠に増枠されることが内定したと報じられた。

 あらめて、2016年夏の参加チーム数のデータを基に激戦区をおさらいしてみた。

※野球の見方が変わるスマホマガジンでニュースやコラムが読み放題!

■2016年夏・参加数が100チームを超える都道府県

 2016年の夏の地方大会で、参加が100チームを超えた都道府県は以下の通りだ。

愛知:190チーム
神奈川:188チーム
大阪:177チーム
千葉:170チーム
兵庫:162チーム
埼玉:158チーム
東東京:137チーム
福岡:134チーム
西東京:128チーム
南北海道:115チーム
静岡:112チーム
茨城:100チーム

(参加数は連合チームを含むためチーム数で表記)

 最多は愛知で190チーム。愛知代表が夏の甲子園に弱い傾向があるのは過密日程のせいとささやかれたこともある。2位はこちらも激戦区でおなじみの神奈川だ。かつては参加校数最多をキープし、一時は200チームを突破していた時期もある。

 3位以下は大阪、千葉、兵庫、埼玉の順。ここまでは記念大会の増枠をすでに獲得済みだが、新たに134チームの福岡が2枠になる。福岡の高校球児、特に1、2年生にとってはモチベーションが上がる朗報だ。おそらく地区割りは春秋の大会と同様に北福岡、南福岡の南北割りになりそうだ。

■2018年夏・激戦区予想

 今年、来年で多少の増減はあると思うが、来夏の激戦区地図はどうなるのか。実際には地区割りによって差はあるが、2枠増を単純に半分で割った数字で算出してみた。

東東京:137チーム
西東京:128チーム
南北海道:115チーム
静岡:112チーム
茨城:100チーム
北北海道:97チーム
★愛知:95チーム
★神奈川:94チーム
広島:92チーム
★大阪:88.5チーム
新潟:86チーム
★千葉:85チーム
長野:84チーム
★兵庫:81チーム
★埼玉:79チーム
京都:78チーム
鹿児島:73チーム
宮城:72チーム
岩手:68チーム
岐阜:68チーム
★福岡:67チーム
青森:65チーム
群馬:65チーム

(★印は2枠に増える予定の都道府県)

 単純計算という条件つきだが、2018年の夏はこれに近い参加チーム順になるだろう。

 最激戦区は端から東西に分かれている東東京と西東京。もともと記念大会の増枠基準は参加数128チーム超え(=優勝までの最大試合数が8試合)だが、さすが首都東京というべきか、東西に分けてもその基準を超えている。いつか東京が3分割される時代が来るかもしれない。

 同じく南北海道も分割されているにも関わらず、115チームで第3位だ。

 100チームを超えそうなのは静岡と茨城。通常の年では愛知や神奈川の陰に隠れているが、こうして見ると改めて激戦区ということがわかる。静岡県民や茨城県民からは「我が県も2枠に!」との主張が聞こえてきそうだ。

 また、これまでの記念大会では分割された地区から多くの夏の甲子園初出場校が誕生している。

 1998年の第80回大会では埼玉栄(東埼玉)、滑川(西埼玉)、平塚学園(西神奈川)、関大一(北大阪)。2008年の第90回大会では本庄第一(北埼玉)、加古川北(西兵庫)が初出場している。

 記念大会での増枠をふまえ、来年の勢力図を思い描きながら、今年の夏の大会を観戦するのも面白いかもしれない。

文=落合初春(おちあい・もとはる)

【関連記事】