記念ゴールの喜びとともに、守備面の課題も挙げた金子。JFAアカデミー福島の出身で、また記念ゴールで福島に朗報を届けたいと語った。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 J1リーグ節目の2万ゴール目は、清水エスパルスの金子翔太が決めることとなった。川崎フロンターレにボール支配率で圧倒されていた14分のこと。左サイドバックの車屋紳太郎が、清水陣内深くに位置取り、谷口彰悟がその車屋を狙う。ところが、このパスを鎌田翔雅がカットし、一気にオーバーラップを仕掛ける。
 
「チームとしては川崎さんがすごくうまいのでショートカウンターを狙っていこうという話は出てました」と振り返るのは金子。右に流れた鄭大世からのクロスをファーで押し込んだ金子は、チームとしての「狙い通りの形でした。持っているなと思います」と誇らしげに勝った。
 
 ただ、それが勝利につながらなかったことについて「チームが勝てたら一番よかったです」と悔しがっていた。またチームを勝たせるためには「もっと取らなければならないと思いますし、点以外のところでもっと貢献しないといけないと思います」と言葉を続けた。
 
 ゴール以外の部分での貢献について金子は「守備」を上げている。というのも、1失点目は「僕がもっと寄せていれば(防げていたかもしれない)」との思いがあるからだ。
 
 金子は「あの時間帯はしんどいところだったので、そこでもっとプレッシャーを掛けられていたらなと思っていました」と、反省を口にした。
 
 その金子はJFAアカデミー福島の出身選手だ。試合後も3.11のことを聞かれ、中学校の卒業式当日の発災と、その後の惨状について淡々と説明。また今年1月に開催された福島第一原発とJヴィレッジの視察に参加した時のことを念頭に置きつつ、「実際に(1月に原発とJヴィレッジに)行って、もちろん少しずつ復興に向かっていると思いましたが、まだまだ現場は甘くなくて、そういう状況を見て、僕はサッカーでしか朗報を届けられないので。こういったメモリアルなゴールを届けられればと思います」と気持ちを新たにしていた。
 
 12年程度ののちに訪れるはずの3万ゴール目にも関われるよう、長く現役を続け「またそういうゴールを決められれば」と話していた。
 
取材・文:江藤高志(川崎フットボールアディクト編集長)