習近平体制はいつまで続くのか

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 中国の李克強首相が3月の全国人民代表大会(全人代=日本の国会に相当)閉幕後の記者会見を終えた際に記者らに呼びかけた「機会があれば、また会いましょう」という言葉が、自らの首相辞任を示唆しているのではないかとの観測を生んでいる。

 習近平国家主席は今年秋の第19回党大会で、定年制を廃止し、腹心の王岐山・中国共産党中央規律検査委員会書記を党最高指導部である党政治局常務委員に留任させるとともに、李氏に代わって首相に就任させる意向との情報が出ているからだ。

 そのようななかで、「機会があれば、また会いましょう」という言葉は、「もう皆さんとは会うことはないでしょうが……」という前提があるのではないかという憶測を生んでおり、中国専門家の間で、李氏の首相辞任説が急速に広まりつつある。米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」が報じた。

 李氏は全人代冒頭の政府工作報告で6回も「習主席を中心にした党中央」という表現を使い、習氏を江沢民・元主席や、「最高実力者」といわれたトウ小平氏と同様、習氏が「党の核心」的地位に就いていることを認めた。

 これは習氏ら太子党(高級幹部子弟グループ)と対立する共産主義青年団(共青団)閥のトップである李氏が権力闘争に敗れ、習氏の指揮系統に組み込まれたことを意味しているようだ。そして、上海閥の兪正声・中国人民政治協商会議(政協)主席も同様で、上海閥も習氏の軍門に下ったといえよう。

 習氏は党大会における党組織の改正で今後2期10年間、最高指導者の座に居座ることが予想される。かつて、やはり「核心」とされた江沢民氏が71歳で3期目の総書記に就任した例があり、習氏も「核心」として、3期15年務めることは可能となる。

 江氏は政権2期目の1998年に、ライバルの李鵬首相を全人代委員長に転じさせた。この先例から、李首相は秋の党大会後も党政治局常務委員の座を維持することはできるが、首相の座を明け渡して、全人代委員長という名誉職的地位に就く可能性が濃厚となる。

 これについて、香港の中国問題専門の月刊誌「争鳴」は「党大会の最高指導部人事や党改革が習氏の思惑通りに行くのかどうかは、夏の避暑地、河北省北戴河での北戴河会議で、習氏の3選に難色を示す党長老らを、習氏を中心とする現役最高指導部が説得できるかどうかにかかっている」と指摘している。