モテモテのイケメンが、地味なアナタに本気になるはずがない

おっさんの映画ライターには、なんであんなに臭いヤツだらけなのか。女子ライターが集まった昨日の酒の席は、そんな話で盛り上がりました。私自身、試写室でそういう人の隣に座ってしまい、臭くて映画に全く集中できないという事態に陥ったことが何度かあるのですが、一緒に飲んでいた友人は、かつて同じ編集部にいて今は映画ライターをしている脂ギッシュな中年男性が、「下着を毎日変えるのは面倒」と言っていたというおぞけ立つ話を披露してくれました。

「きっと映画業界という閉鎖的な社会で自分の好きなことに没頭する"オタ"は、あんまり必要ない鼻の機能が退化しちゃってるんだな」――とここまで読んだ皆さんが思ったところで、今回のネタは『スウィート17モンスター』。こじらせ女子高生ネイディーンがすっ転びまくる傷だらけの高校生活を描いた物語です。

幼い頃からいじめられっ子だった彼女、唯一の心の支えは幼馴染の親友クリスタの存在です。ところが17歳のある日、ひょんなことからクリスタが彼女の兄ダリアンと関係を持ってしまいます。親友がお兄ちゃんの嫁とかすごくいいじゃん、と思いきや、成績優秀で痩せマッチョのイケメン、誰からも愛される学園の人気者の兄は、ネイディーンにとって自分の不幸の根源のようなもの。大嫌いなのです。そしてどうやら本気になってしまったクリスタに、彼女は言い放ちます。

「お気の毒だけど、アニキに絶対に捨てられるから」

イケメンお兄ちゃんを演じるのは、人気ドラマ「glee」で注目を集めたブレイク・ジェナー。この肩幅と大胸筋!

オタ丸出しで最前列に座るおっさんは、絶対に臭いか?

どんな物事でも「ありがちな姿」というのはあるものです。例えば冒頭の映画業界の臭いおっさんにおいて、「オタ丸出しで最前列に座るおっさんは臭い」というパターンを知っていれば、そういう人の近くに座らないことで、映画を見ている最中に鼻がモゲるとか、あまりの臭気に気絶するとかいう惨劇から身を守れるわけです。つまり失敗や無様を避けるためにパターンを知ることは、賢い行為と言えます。

その一方で、このパターン化には、主に二つの落とし穴があります。ひとつは、何事にも必ずある「例外」を考慮していないこと。「オタ丸出しで最前列に座るおっさん」の中にも、時には臭くない人もいるし、あらゆるイケメンが必ずしも「常にチヤホヤされている、いい加減な遊び人」とは、当然ながら限りません。

そしてもうひとつは、そうしたパターン化を自分にも当てはめてしまい、がんじがらめになってしまうこと。ネイディーンは「私のような嫌な感じの子を、誰も受け入れてくれない」と思っているのですが、確かに前回登場のローラ・アルバートさんも「私のような太ったオバさんを、目にとめてくれる人は誰もいない」と、似たようなことを言っていました。そしてその二人揃って言っていることがもうひとつ。曰く「小さい頃から自分が大嫌いだった」。

こういう状況から脱却するには、世間を広げて「例外」を数多く見ることかもしれません。「孤独なおっさんかにしか見えないけど、奥さんに愛されてる」「アジア人は貧乏と思いこんでいたけれど、うちよりリッチなんだ」「オタ丸出しで最前列に座っていても、臭くない」みたいな経験は、きっとあなたをパターン地獄から救うはず。

世の中には遊び人じゃないイケメンもいるし、太ったあなたを肯定してくれる人もいるし、オタ丸出しで最前列に座ってなくても臭いおっさんも、もちろんいるのですから。

『スウィート17モンスター』

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