超特急(写真=三橋優美子)

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 超特急が、4月26日にニューシングル『超ネバギバ DANCE』をリリースする。本作はデビュー5周年を記念したシングルとなっており、表題曲は彼ららしい“カッコよさ”も“ダサさ”も詰め込まれた一曲だ。今回のインタビューでは、今の超特急における「超ネバギバ DANCE」の意義やロンドンで行われたMV撮影秘話を中心に話を聞いた。また、これまでリリースしたシングル、アルバムは11作連続でオリコンTOP10入りを記録し、2016年12月には神戸ワールド記念ホール、東京国立代々木競技場第一体育館にて総動員数2万人のアリーナ公演を成功、そしてバラエティ番組や俳優としての活動など活躍の幅を確実に広げている超特急。改めてその成長への実感と目指すグループ像について、メンバー全員にじっくりと話してもらった。(編集部)

「カッコイイけどちょっとダサい、っていうところをもう一度」(コーイチ)

ーー新曲の「超ネバギバDANCE」は5周年記念シングルで、遊び心満載のアッパーな曲ですね。

ユーキ:5周年ということで、バラードとか感動的な曲でくるかなと思っていたんですけど、まさかのアゲアゲで。聴けば聴くほど「超特急っぽい!」って思える、超特急の新しい名刺になる曲になったなと思います。

タカシ:5周年という節目で、より一層超特急っぽい曲と出会えたのがうれしいですね。カッコよさもダサさも詰め込まれた曲。ライブでもコールをしてもらえると、楽しんでもらえるんじゃないかと思うし、MVも今までにないものに仕上がったと思います。

ーーそのMVは鉄道発祥の地でもあるロンドンでの撮影。街中を7人で列車のように連なって歩くシーンでは、現地の方々の驚いている表情も映っていました。

カイ:ロンドンの街中で撮ったので、周りの方の注目度がすごかったですね。

タカシ:MVでは初めての海外の撮影で、街の中での撮影も楽しかったですし、何より、キングスクロス駅でユーロスターの前で撮影出来たのが嬉しかったです。

ユースケ:キングスクロス駅でMVやジャケット写真を撮るというのは、日本のアーティストでは超特急が初めてらしいんですよね。すごく感動しました。

ーー駅のホームで撮るということで、何時までに撮り終えないと、というような時間制限があったんですか?

カイ:ありました。1時間ぐらいかな。ダンスの撮影は20分ぐらい。

コーイチ:引きと寄りと1回ずつ。全部で5回ぐらいで撮り切ろうという感じで。

リョウガ:カメラがどこを狙っているのかわからなくて、「今、誰抜かれてるんだろう?」と思いながら踊っているところもありました(笑)。

タクヤ:限られた時間の中だったので、大変だったんですけど、超特急にしかできない場所で踊れたので、すごく光栄でした。

ーー現場の駅員さんや係の人も超特急を見ていたんじゃないですか?

ユーキ:見てました。女性の方がいて、超特急にハマってくださったんですよ。

リョウガ:駅構内を案内してくれた方ね。

ユーキ:「カワイイ!」って言って、ダンスも真似してくれたり。

カイ:その人、コーイチ推しだって言ってたよ。

ユーキ:コーイチ推し!?

カイ:「誰がいい?」って聞いたら、「私、歌う人が好きなの」って(笑)。

タカシ:えっ、俺は!?

一同:(爆笑)

カイ:いや、ちょうどコーイチがソロを撮ってる時だったから。だからコーイチって。……あっ、でも、「顔だけだったらタクヤ」って言ってた(笑)。

リョウガ:どうですか? タクヤさん。

タクヤ:あ……、ありがとうございます(照)。

ーー(笑)。では、今回のMV、それぞれのオススメポイントもお願いします。

コーイチ:僕はイントロが終わって、ビッグベンの合成から歩き出すとリアルビッグ・ベンが出てくるシーンがすごく超特急らしくて好きですね。

カイ:ソロダンスの時、現地の子どもたちが悪乗りっぽい感じで入ってきてくれたんです。ハプニングなんですけど、逆にいいシーンになったなと思ってます。長い時間ではないですけど、印象的なシーンですね。

リョウガ:僕がソロを撮らせていただいた場所は、ウォータールーっていうストリートアートが描かれているトンネルのような場所だったんですけど、イメージでいうと、アンダーグラウンドなバッドボーイズ的な雰囲気の場所で、僕とは程遠いイメージの場所で、ちょっとドキドキしました。でも、実際そこで踊ってみると、新鮮な感じがして、印象的なシーンになりました。

タクヤ:僕はイントロから歌出しに入るところ、音にハマってる感じが好きです。あれは現場で意図的にやったものではなくて、監督が編集でハメてくれたんですけど、そこからコーイチの歌出しにつながっていく感じがいいなと思います。

ユーキ:僕はやっぱり、間奏が終わった後の「ご乗車ください」ってところからウィンクしてるところですね。

ーーウィンクは一発OKだったんですか?

ユーキ:なんとか1回で決めました。でも、気づいてる人はいると思うんですけど、実はちょっとウィンクになってないっていうか……。

リョウガ:まばたき(笑)。

ユーキ:ですね(笑)。でも、そこも含めて楽しんでもらえれば。

ユースケ:僕が印象的なシーンは、タワーブリッジから発車するところ。あそこはめちゃめちゃ人が通ってて、どうしようって感じだったんですけど、撮影が始まったら自然に人が止まってくれたんです。撮影終わった瞬間、たくさんの方に「イェーイ!」って拍手もしてもらって、大好きなシーンになりました。

タカシ:僕はラストサビ、〈奇跡のアバター〉っていうところでちょっと長くソロカットがあるんですけど。ユーロスターを背景にしたリップシンクで、手を伸ばしてる感じが自分でもいいなと思って。ぜひ、チェックしてほしいですね。

ーー映像も楽曲も、超特急の「カッコよさと」「シュールさ」満載の“らしさ”あふれる仕上がりになりましたね。

コーイチ:「Beautiful Chaser」のようなロック色の強い曲や、「Yell」のようなポップな楽曲があって、2ndアルバム『Dramatic Seven』では、いろいろなジャンルでメンバーそれぞれの個性を打ち出す楽曲を出すことができて、今回の5周年シングルでは、改めて「Believe×Believe」(ビリビリ)のような、テンポが良くて、カッコイイけどちょっとダサい、っていうところをもう一度フィーチャーしようってことで、7人のまとまりと全力感を全面に出した形になったと思います。

「8号車のみなさんだけでなく、それ以外の方をどう引っ張ってこれるか」(タクヤ)

ーー楽曲の幅も、活躍の場も広げたここ1〜2年の超特急ですが、今、活動していく上で大事にしているポイントはなんですか?

ユーキ:やっぱり大事なのはライブだと思います。この2年ほどで、ライブは超特急にとってすべてを証明するものの核になったと思っていて、そこは固まったんじゃないかと思います。元々、メディア露出があまりなかった僕たちが、それでも2015年に代々木(第一体育館)に立てたということは、ライブで人を引き寄せることができたんじゃないか、という自信になっていて。今、2017年になって、個々での仕事も増えてきて、より一層ライブというものが超特急にとって活動の証になる、という思いは強くなってますね。

カイ:ライブを重ねることで、確実に自信につながっているという思いは強いんです。実際、ライブがない期間が1カ月くらい空くと、8号車(超特急のファン)の人も僕たちとの距離を感じてしまうこともあると思うんですけど、僕たちのライブに参加することでまた気持ちを高めてもらうことができているなと……確実に、とは言えないですけど、少なからずできているなと感じているので、それはモチベーションになっていると思います。

ユースケ:僕はライブのたびにメンタルが折れることがあったんですけど、それでもライブの結果がいい形で繋がってきているので、前を向けたと思っています。とくに大きかったと思うのは、去年の『Synchronism』ツアーがあって、その後フェスにいくつも出演させてもらったことだと思います。僕たち5周年ですけど、まだまだ駆け出しで、フェスに出ると、超特急を知ってもらえてないなと実感することもあって。もっとたくさんの人に知ってもらおうと思ったし、もっともっとフェスやイベントでもっとアピールするべきだと思うようになりました。

ーー大規模なフェスにも出られてますよね。

ユースケ:そこで自分たちらしさを表現する楽曲の大事さも実感したし、そういう意味では、今回の『超ネバギバDANCE』は、カップリングも含めて、すごく強い楽曲になってくると思っているので、育てていきたいなと心の底から思ってます。

ーーここ数年、みなさんにお話をうかがっていて、明らかに2016年ぐらいから、超特急を知らない人にどう届かせるか、ということへの意識が高まっているんだな、というのは感じていました。

カイ:やっぱりフェスへの出演が増えたことで、その意識は高まりました。自分たちのライブは自分たちのファンに向けてやるものだと思うんですけど、フェスはもっと違う人……他のアーティストの方を目当てに来た人に向けてやることが大事だなと思っていて、その方たちがいかに気になって帰り道、電車や車の中で「超特急」って検索するかどうか。少しでも頭の片隅に残るか、というのが大事なので、去年はよりインパクトの強い「バッタマン」をやりまくったし、それがちょっとずつ「超えてアバンチュール」になったり、「Seventh Heaven」になっていったし、これからはおそらく「超ネバギバDANCE」になるんだろうなと思いますね。きっと、そういう意味では「バッタマン」から「ネバギバ」になるってことは、僕たちの与える印象も変わるから、僕たち自身の成長もちゃんと見せなきゃいけないと思いますね。

ーーフェスは大きな経験だったんですね。

カイ:だからこそ、見せ方一つ一つをしっかり考えないと、と思いますね。

タクヤ:ホント、見せ方……ステージングは大事ですね。例えば、花道がある場合、どの曲のどのタイミングで使うのか、新規の方に向けてどうアピールできるのか。それを考えます。目でも楽しいし、耳でも楽しませるものにするために、リハーサルの段階からかなり話し合いますね。

ーーリハーサルで組み立てていく。

タクヤ:はい。でも、この前あるイベントに出させていただいたんですけど、まだまだだな、アウェイだな、というのを強く感じたんです。8号車のみなさんだけでなく、それ以外の方をどう引っ張ってこれるか。課題はまだあるなと思いました。

ユースケ:フェスやイベントのトリをありがたいことにさせていただけてるのに、アウェイを感じるのはやっぱり超特急ってまだまだなんだ、ってことだと思うんですよね。例えば、スタジアムの場合、ランウェイの場合、その時しかないステージングを常に考えていて、新しい人がどうやったら超特急を覚えてもらえるかというのはよく7人で考えるようになりましたね。

リョウガ:昔はアウェイに対してちょっと恐怖心みたいなものがあって、必死にそれに負けないようにしようっていう気持ちが強かったように思うんですけど、2015年に代々木2デイズを経験して、本当に大きな会場だったし、いろんな思いを体験したことで、8号車と一緒なら絶対に成功できるということも体感して。8号車がいればどんな場所だって大丈夫だという自信に繋がったし、それからのフェスは僕らを知らない方々に超特急を知らしめるという、攻めの姿勢が取れるようになったと思うんです。

ーー8号車の存在があるからこそ、攻めの姿勢になれる。

リョウガ:そうですね。それに、その頃から本当に一人ひとりが思うこと、したいことをどんどん言うようになったし、超特急のためになんでも言おう、っていう意識は高くなったんじゃないかなと思ってます。

ーーその変化は大きいですね。タカシくんはどうですか?

タカシ:超特急全体としての変化もそうですし、自分自身もこの2年くらいの中で大きく変われたんじゃないかなって思ってます。「変わらないと」という気持ちも芽生えてきた2年間でしたし、今以上にライブに関しても構成や細かい部分にも、発言していきたいという気持ちは大きくなってますね。

ーータカシくんの「変わっていかないと」というのは取材の場やライブを見ていてもひしひしと感じるものがあったりするんですよね。当然、末っ子感はあるんだけど、それだけじゃないぞ、という姿勢が見えてきているような。

カイ:おまえ、どんだけ嬉しそうな顔してるんだよ(笑)。

タカシ:いや、めちゃくちゃ嬉しいです。言ってくださったように末っ子担当だから、ということで片付けられないように、っていう気持ちは大きいです。

ーーメンバーから見ても、変化を感じないですか?

ユーキ:感じますよ。不器用ながらも真面目に、自分に対して変わりたいんだろうなというのはすごく感じますね。

ーーコーイチくんはここ1〜2年の変化、成長をどうとらえていますか?

コーイチ:例えば、最初の頃、「超特急ってダサカッコイイよね」って言われても、僕ら7人の中での「ダサカッコイイ」というのはそれぞれ違っていたと思うんですけど、今は「ダサカッコイイ」に対するそれぞれ7人の共通の感覚というのが限りなく近い気がしますね。

ーーなるほど。

コーイチ:見てる景色が近いから、見てるみなさんにも「こういうことがやりたいんだ」、「こういうグループなんだ」というのがはっきり伝わるようになってきたと思うし、だからこそ、超特急が唯一無二でいられるのかなと思います。

ーー改めて、「ダサカッコイイ」というキーワードで言うと、その「ダサさ」みたいなところはなぜ必要なのか、みなさんの中ではどう思ってますか?

ユーキ:一番は「いないから」ですよね。ダサくてカッコイイというアーティストはたぶん今までにいないですし、何よりも見てる人にとって親近感があると思うんです。僕たち距離感を大切にしてるので、8号車のみなさんとの距離も縮まるというか。

ーー心開いている感じ。

ユーキ:そうですね。心開いてます(笑)。僕らって、未成年の少年の頃からずっとグループをやっていて、それがみんな20歳を超えて、「ダサカッコイイ」がもしかしたらいつか消えるかもしれないけど、それも含めて今の自分たちがどんどん成長していってる姿、夢を追いかけてる姿をそのまんま一緒に見てもらおう、感じてもらおうって思ってるんです。ダサい部分もカッコいい部分も見せて、「超特急が頑張ってるから僕たち、私たちも頑張ろう」って思ってもらえるようなグループになりたいと思ってるので、それが「ダサカッコイイ」につながってるのかな、と思いますね。

カイ:でも、初期の頃は全員ダサいと思わないでやってたよね(笑)。

ユーキ:まったく思ってなかった(笑)。

カイ:今思うと2ndシングルの『Shake body』あたりから若干おかしいんだけど(笑)、気づいてなかった(笑)。それに気づかずカッコイイと思ってやってたから、それが逆に良かったんじゃないかと思うけど。

ユーキ:だからこそ唯一無二のグループってことなんだろうな、と思いますね。

「個々で離れ離れになってる時こそ、力を合わせるべき」(ユースケ)

ーーその超特急が昨年あたりから、個々の活動も広がってきました。

カイ:もっともっと個人活動もやっていきたいですね。今もやらせてもらってますけど、もっともっと。寝ないぐらい忙しく。

ユースケ:やりたいね。何でもやるって気持ちですよね。

カイ:そういえば、この間ユースケ言ってたよね。

ユースケ:帰り道にね。

カイ:「個人の仕事ってさ、やっぱり大事だよね!」ってユースケに言われて、「そうだよね」って話をしてたのを覚えてる。

ユースケ:個々で離れ離れになってる時こそ、力を合わせるべきというか。7人がまたひとつになった時にドカーンとなれるような準備というか。そういうお仕事って大事だよな、って思いますね。

ユーキ:可能性があることは全部チャレンジしていきたいですし、何よりも個人で得たものを超特急に持ってくることが一番だと思っています。個人の活動はやってて楽しいですし、バラエティ番組は本当に心の底から笑ってるので、自然に楽しめることがこれからも増えたら嬉しいなと思ってます。でも、もちろん、パフォーマンスを疎かにしたくないので、テレビ出演も全力でやらせていただきながら、パフォーマンスでも何かひとつ成長したところを、8号車のみなさんにも見せていきたいなと思っているので、近々お楽しみください。

ーー個人だけでなく、グループとしても芸人さんと絡んだりする機会も増えましたよね。パフォーマンスに挑む時と同じように、グループで事前に話し合いをしたりするんですか?

カイ:いえ、もう何となくメンバーの役割は分かってますね。だから改めて話し合ってはいないです。何となく自分たちの番組でやってる立ち位置が、他でもそのまま出るので、メンバー同士のバランスはみんな理解してると思います。

ーータカシくんが出演する映画『一週間フレンズ。』が先日公開され、タクヤくんは『兄に愛されすぎて困ってます』が6月公開。カイくんも映画が控えていたり、俳優としての活動も多くなってきました。メンバーの出演作は見たりするものですか?

タクヤ:見ますよ。この前も、タカシの映画を見に行きました。面白かったです。タカシが出てるから見に行こうと思ったし。

ユースケ:見たくなりますね。自分の勉強にもなると思うし。

ーーそれぞれの仕事がまた超特急に還元できる部分も。

タクヤ:もちろんあると思います。それを思って個人活動をしてますし、必ずいい形の還元ができると思ってます。

カイ:結局はさっき話してたライブの大事さにつながると思うんですよね。個々の活動をしててもそこに戻ってくる。僕たち、デビュー当時から、毎週のようにフリーライブをやって、ショッピングモールでイベントをやって、全然人がいないというのも経験してるし。そういう経験を経たからこそ、今たくさんの人に来てもらってるありがたさだったり、ステージに立つということの大事さが実感できてると思うんです。そこは忘れずに前に進みたいなと思いますね。
(取材・文=田部井徹)