恥垢って何? 医師が教えるデリケートゾーンの正しい洗い方

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嫌なにおいが発生したり、かゆみが広がったり……。デリケートゾーンに対して悩みを抱える女性はきっと多いはず。だからこそ、適切なケア方法が知りたいですよね。では、具体的にどんなポイントに気をつけてケアしたらいいの? 今回は、産婦人科医の高橋怜奈先生に、デリケートゾーンの「正しい洗い方」を解説してもらいました。

■間違った洗い方をするとどうなるの?

そもそもデリケートゾーンを間違った方法でケアをしていると、どんなトラブルが発生しうるのでしょうか? まずは、間違った洗い方により発生するリスクを解説してもらいました。

間違った洗い方は、「洗いすぎているケース」と「洗い方が不十分なケース」の2つに分けられます。

膣内は乳酸菌の一種であるデーテルライン桿菌(乳酸桿菌)が膣内を酸性に保っているので、ほかに菌が増殖し病原化しないように防いでくれています。これを膣の自浄作用といいます。前者の場合、自浄作用に必要な菌まで洗い流してしまうリスクが考えられます。自浄作用が働かなくなると、膣内の菌のバランスが崩れて、カンジダ膣炎や細菌性膣炎などの原因となることも。また、デリケートゾーンは粘膜のため、強い刺激を与えてしまうと、かゆみや痛みにつながってしまいます。

後者の「洗い方が不十分な場合」は、デリケートゾーンに尿が残り、においの発生を引き起こすことが考えられます。

■医師が伝授! 女性のデリケートゾーンの正しい洗い方

できれば、間違った洗い方によるトラブルは防いでいきたいものですよね。では、デリケートゾーンの正しい洗い方の手順とは? さまざまなポイントに分けて教えてもらいました。

◇デリケートゾーンは石鹸で洗って大丈夫?

デリケートゾーンを石鹸で洗うのはNGです。というのも、体を洗うボディソープなどでは、刺激が強すぎるから。顔を洗顔フォームで洗うのと同様に、デリケートゾーンの場合も専用のソープを使いましょう。また、デリケートゾーンはpH(水素イオン濃度)を一定に保っておく必要があります。そういった意味でも専用のソープはこれが保たれるよう作られているので、オススメです。

また、デリケートゾーンはぬるま湯で洗うだけでもOK。専用ソープがいいか、ぬるま湯だけがいいかは、合うか合わないかの問題があるため、自身に適した方法で洗ってください。

◇医師が教える! 洗い方の手順

まずは普段使っている温度に設定し、シャワーでやさしく洗いましょう。このとき、熱すぎるお湯は刺激になるため避けてください。

そして、専用ソープを使う場合はしっかり泡立てて使用すること。スポンジはデリケートゾーンをこすりすぎてしまう可能性があるため、基本的には顔を洗う際のイメージで、素手で洗っていきましょう。このとき、洗うのは外陰部まで。膣内を洗う必要はありません。

生理中は経血が気になる方も多いと思いますが、同様の洗い方で問題ないですよ。

◇要注意! 洗い方のNG例5つ

また、以下の5つはデリケートゾーンに刺激を与える洗い方になってしまいます。自身で洗う際は十分留意してくださいね。

(1)爪を立てる
(2)市販のボディソープを使用する
(3)膣内まで洗ってしまう
(4)1日に何回も洗う
(5)熱すぎるor冷たすぎる水で洗う

■「恥垢」の適切な処理方法とは?

デリケートゾーンに白いカスのようなものが付着している……。みなさんは、この正体が気になったことはありませんか? 「恥垢」と呼ばれるこの塊ですが、自分で取ってしまっても問題はないのでしょうか。最後に、恥垢の適切な処理方法について教えてもらいました。

◇デリケートゾーンにたまる「恥垢」とは?

「恥垢」の正体は、尿やおりものなどの分泌物です。名前の通り“垢”は、平坦な部分よりも、凸凹のある部分にたまりやすいのが特徴。したがって、ひだのある外陰部は、これが蓄積しやすい部分だと言えるでしょう。身体に悪影響があるわけではありませんが、放置するとにおいの原因になることが考えられます。

◇「恥垢」の適切な取り方

恥垢をゴシゴシ取ろうとすると痛みの原因にもなるため、毎日取り除く必要はありません。そもそも、前述した正しい洗い方で外陰部をしっかり洗浄していれば、たまりにくいはずです。どうしても気になる場合は、入浴のタイミングで、素手で優しく取り除いてあげるのもOK。この際、爪が当たらないよう注意してくださいね。また、こすりすぎて粘膜を傷つけることのないようにしてください。

■まとめ

デリケートゾーンがかゆい、痛い……。その原因は、間違った洗い方をしているからかも? トラブルを未然に防ぐためにも、高橋先生が教える「正しい洗い方」で、適切なケアをしていけるといいですね。

(監修:高橋怜奈、取材・文:マイナビウーマン編集部)