浦安駅前の土地が不当に高く評価されていた疑いが

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「結局、何が目的で選挙に出たんだ?」

 “夢の国”東京ディズニーランドのおひざ元である千葉県浦安市の市民の間で、しばしば話題になる選挙があった。その選挙とは3月に実施された千葉県知事選のこと。現職の森田健作氏が2位以下に3倍近い票差をつけて圧勝したこの選挙に、浦安市に所縁ある人物が出馬していたのだ。それが浦安市長を5期18年間も務めた松崎秀樹氏だ。

「昨年11月に松崎氏が知事選への出馬を表明する以前から、森田氏の3選は確実と言われていた。松崎氏は出馬に際して『浦安だけがよくていいのか。県政を見たときに哀しい思いをした』と、その理由を語っていたが、浦安市長としての実績を加味しても、その挑戦は無謀としか言いようがなかった。森田氏の次点につけたとはいえ、票差を考えると“次の千葉県知事選”に繋がる結果だったとは言えません」(全国紙記者)

 実は、松崎氏は浦安市では知らぬ人のいない名物市長だった。18年間という長きにわたって市政を担う中で、浦安市の人口は12万8000人から16万6000人に増加。一貫して国から普通地方交付税をもらわない“自立した自治体”を維持し、市長就任当初に473億円あった地方債残高を半分以下に減らしてきた。教育に力を注ぎ、一般会計の20%を教育予算に割いてきたことは「こんにちは市長室です〜浦安市と松崎ひできの18年間のあゆみ〜」というサイトで「私にとっては自慢の一つです」と語られている。

 『週刊東洋経済』が実施している「住みよさランキング」の「富裕度」部門において、浦安市は上位に名を連ねる常連メンバーである。それは、よく言われる「東京ディズニーランドがあるから」ではない。浦安市の税収に占める法人税の比率は12%程度。税収の半分近くを市民税が占めており、さらに30%以上を固定資産税が占めている。松崎市政のもと増えた市民の税金でもって、浦安市は全国屈指の“富裕度”を誇ってきたのだ。

「そんな豊富な実績があるだけに、6選も濃厚だったといえるでしょう。実際、前回(2014年)の市長選でも松崎氏は2位にダブルスコアの大差をつけて勝利していましたから」(同)

 にもかかわらず、任期途中で市長職を辞職して県知事選にチャレンジしたのはなぜなのか……? そんな声が、浦安市民の間であがっているというのだ。

「一度、市政の人にもどって、自身の経歴をキレイにしたいと考えたのではないでしょうか?」

 こう語るのは、とある浦安市議。実はかねてより、松崎氏の周囲には“夢の国”からは想像もつかない、きな臭い疑惑が浮上していたという。同じく浦安市議の水野実氏が話す。

「さかのぼること15年前には、浦安市の業務を請け負っている廃棄物処理業者から3000万円のお金が松崎氏の親族企業に流れていた問題が浮上して、3度もの不信任案が提出されました。結局、その疑惑に関して何ら説明されないままうやむやにされてしまったのですが、その後も松崎氏を巡る疑惑がいくつも浮上したのです。その最たる例が、この4月にオープンした浦安音楽ホールに関連した土地取引です。

ホールができた新浦安駅前の2000平方メートルの土地(以下、〈新浦安〉)はもともと浦安市の土地でした。この土地と、民間が所有する東西線浦安駅前の838平方メートルの土地(以下、〈浦安〉)を、市長の専決処分で2014年に等価交換したのです。市が依頼した不動産鑑定士の評価は、〈新浦安〉が6億6600万円で、〈浦安〉が5億7000万円でしたが、相続税路線価と比較すると〈新浦安〉が1.2倍、〈浦安〉は1.5倍と不当に高く見積もられていました。さらに、2010年に同じ〈新浦安〉を別の不動産鑑定士に評価してもらったことがあるのですが、そのときの評価は13億円。いくら震災による液状化現象が影響したといっても、4年で半値に下がるでしょうか? 〈新浦安〉を安く見積もり、〈浦安〉を高く見積もることで無理やり等価交換を成立させた疑いが濃厚なのです」