<英レディング大学の研究者は、「大気中の二酸化炭素濃度の上昇により、エアポケットが2倍以上に増える」という研究結果を発表した>

フライトの最中に突然、機内が激しく揺れ、不安を感じたり、気分が悪くなったりした経験はないだろうか。その原因のひとつが、エアポケットと呼ばれる晴天乱気流(CAT)。雲のない晴天の高高度で起こる予測困難な乱気流で、肉眼やレーダーでも確認しづらいため、これを回避することは難しい。

航空業界では、その強度を三段階で分類しており、やや動揺を感じるが腰が浮くほどではないものを"弱"、機内での歩行が困難で固定されていない物体が移動する程度のものを"並"、固定されていない物体がはね回るほどのものを"強"と定めている。

エアポケットが2倍以上に増える

英レディング大学のポール・ウィリアムズ准教授は、2017年4月、科学雑誌『Advances in Atmospheric Sciences』において、「大気中の二酸化炭素濃度の上昇により、"並から強"もしくは"強"に分類されるエアポケットが2倍以上に増える」との研究結果を公表した。

ウィリアム准教授は、すでに、2013年の研究論文で「大気中の二酸化炭素濃度が二倍になると、エアポケットが増える」ことを明らかにしている。気候変動により、水平または垂直方向に風速または風向の差がある状態、すなわちウインドシアが強まるとみられるためだ。

コンピューターシミュレーションを実施

今回の研究では、大気中の二酸化炭素濃度が二倍となった場合、冬シーズンの北大西洋上空12キロメートルにおいて、エアポケットがどのように変化するのか、コンピューターシミュレーションを実施。これによると、エアポケットは、その強度によって、"弱"が59%、"弱から並"が75%、"並"が94%、"並から強"が127%、"強"が149%、それぞれ増加するとの結果が出た。

ウィリアム准教授は、今後、他の航空路でも同様のシミュレーションの実施を検討しているほか、高度や季節によるエアポケットの変化についても明らかにしていく方針だ。

気候変動によって、異常気象や自然災害が増加し、水の循環や分布、生物多様性などに悪影響が及ぶことが懸念されている。気候変動は、これらに加えて、私たちが国や地域間を移動するために不可欠なフライトにも好ましからざる影響を及ぼしつつあるようだ。GWで飛行機利用の機会も増えるこの時期、シートベルトの着用に気をつけたい。

松岡由希子