ハマちゃんに濱田岳を、スーさんには映画版で元々ハマちゃん役の西田敏行を据えた攻めの配役を見せた「釣りバカ日誌〜新入社員浜崎伝助〜」が「釣りバカ日誌season2〜新米社員浜崎伝助〜」として金曜20時テレビ東京系に帰ってきた。今回のハマちゃんは社会人三年目だ。


テレ東のこの枠のコンセプトは「大人のための痛快エンターテイメント」。釣りバカ、これにピッタリ。と、思っていたのだが、意外に大人だけでなく若い世代にも評判が良いそう。映画版に慣れた古参釣りバカファンのお父さんと、初めて観る新規釣りバカファンの子供が、金曜夜8時にお茶の間に集う。こんな素敵な事、他にない。

ドラマ、釣りバカの魅力!


一体釣りバカのどこに人気の秘訣が隠されているのだろうか?

ハマちゃんとスーさんのボーイズラブ

なんと言っても、平社員と大企業の社長の格差・年の差ボーイズラブだ。もちろん本当の恋愛な訳ではないが、ハマちゃんとスーさんが本当に好き合っているイチャツキがとにかく微笑ましい。

しかもそのパターンがまた豊富。恥ずかしがりながらもお互いを好きと言ってしまったり、嫉妬からツンデレを見せたり、ケンカの模様はまるでカップルの様だ。これを「かわいいー!」と見るのも良し、「気持ち悪いー!」と見るのも良し、ストレートに感情をぶつけ合う二人の姿を是非見届けてみて欲しい。

佐々木課長の哀愁とかわいさ

佐々木課長(吹越満)がまた良い。上に弱く、下に強い。嫌な上司要素をたぶんに含む佐々木課長。しかし、ハマちゃんとスーさんに振り回され、いつも割を食う羽目になる。単純な事で喜び、単純な事で落ち込む。一番人間らしいこの佐々木課長は、かわいさと哀愁を備えた人気キャラクターだ。

前作の第5話では、余命半年と勘違いし、ストーリーの中心になった。生真面目な自分の殻を破ろうと、三つ星レストランやキャバクラに行き、ハマちゃんと最後にやりたいことを叶えていく姿は、好評を博した。season2でも佐々木課長がメインとなる回があるかもしれない。

コメディとして、圧倒的な釣りという受け皿

例えば、佐々木課長が活躍した第5話。人生の最後と勘違いした佐々木課長が男を見せる。今までの人生で最後にやるべきこと、「花は盛りに散ってこそ花」と、スーさんに社長から降りてもらうことを要求したのだ。結局、スーさんの求心力で誰もが納得する形で社長の座を守る事になるが、屈指の感動シーンとなった。

ここで釣りがコメディの受け皿としての力を発揮する。この回もスーさんは「会社からいなくなっちゃっても釣りは行こうね?」「(人生の最後にやりたいことは?と聞かれ)誰も見たことのない大物を釣る事」と、緊迫したシーンやラストで釣りの話をしてしまう。「ああ、どこまで行っても釣りバカは釣りバカだな」という着地点のおかげで、コメディの枠から出ないのだ。さらにこれがヒューマンドラマとしてのハードルを下げ、また感動しやすくなる。このループが完成するのだ。

西田敏行がアドリブでグチャグチャにする

他のドラマにも、アドリブはあるにはあると思う。しかし、技術のある俳優さんがやる上、編集も撮り直しも出来るので、視聴者からすればどれがアドリブだかよくわからない。しかし、釣りバカの場合はわかりやすい。なぜなら、グチャグチャになるからだ。

そのきっかけは大概スーさん役の西田敏行だ。西田敏行が子供が遊ぶようにアドリブをぶち込む、そのおかげでセリフ同士がバッティングしたり、何度もセリフを噛む。なんならちょっとグダグダだ。これがドタバタ感を引き出し、釣りバカの世界観にマッチしているのだ。それなのに最後はきっちり収まるから不思議。

そんな釣りバカseason2第一話は、なんとハマちゃんがライバル会社からヘッドハンティングの話が持ちかけられるという。給料3倍と釣り休暇、その好待遇にハマちゃんはどう動くのだろうか?第1話から二人のイチャイチャ大喧嘩が見られそうだ。

(沢野奈津夫@HEW)