観光客の来訪にも期待が寄せられている (C) 2016 A24 Distribution, LLC

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 映画「ムーンライト」(公開中)が第89回アカデミー賞で作品賞を受賞したことを受け、映画のロケ地である米マイアミのデイド郡リバティ・シティのNW22番街の一部(6ブロック分)が「Moonlight Way(ムーンライト・ウェイ)」と命名された。

 郡政委員のオードリー・エドモンソン氏は「この映画は、私たちを含め、リバティ・シティの多くの子どもたちがどのような環境で育ってきたか、どのような苦難を経験し耐え抜いてきたかを忠実に描いています。“ろくな大人になれない”と言われている子どもたちにぜひ目を向けてほしい。生い立ちや育った場所に関係なく、人は何かを成し遂げることができるのです。『ムーンライト』のおかげで、マイアミ郊外の状況を全米に知ってもらえました。さらに裕福な地域の住民とリバティ・シティの人々の間にある、心理的な溝が埋まることも願っています。まだ見ていない人には“今でも遅くない”と伝えたいですね。この環境を知らない人は、きっと気づかされるものがあるはずです」と熱い思いを吐露。

 本作では、米マイアミの貧困地域で孤独な生活を送る黒人少年シャロンが、自己のアイデンティティを模索するさまを幼少期(アレックス・ヒバート)、少年期(アシュトン・サンダース)、青年期(トレバンテ・ローズ)の3つの時代構成で描いている。リバティ・シティの公共住宅で育ったバリー・ジェンキンス監督は、世紀の誤発表により披露されなかったアカデミー賞の受賞スピーチ原稿の中で「『ムーンライト』を見たら、マイアミのような環境で育ってきた少年が、大人になってアカデミー賞に輝く作品を作るとは誰も思わないだろう。実はそうやって自らの夢を抑え込んで、否定してきたんだ。周りに否定されたわけではなく、僕自身がね。だから、僕たちや、この作品に自分を投影している人は、これを機に自分自身を愛してほしい。なぜなら、そうすることで、夢を見るだけでなく、許されないと思っていた夢を実現できるかもしれないからだ」と故郷に暮らす人々に温かなエールを送っている。