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●映像を直接タッチ、みんなでタッチ
ソニーモバイルコミュニケーションズは4月20日、「Xperia Ear」に続くスマートプロダクトの第2弾、「Xperia Touch」を発表。その発表会では、プロジェクターで壁や机に投影したスクリーンを直接タッチして操作できるという特徴的な製品を展開する狙いと、それを実現する技術などについて説明がなされた。

○23インチのスクリーンに直接触れて操作できる

「Xperia」ブランドでスマートフォンを展開するソニーモバイルコミュニケーションズは、同じくXperiaブランドを冠した新たな製品群として「スマートプロダクト」を展開している。同プロダクトの第1弾として2016年11月、耳に装着し、音声でメッセージや通話などの操作ができる「Xperia Ear」が発売されているが、4月20日には第2弾となる新製品「Xperia Touch」が発表された。

Xperia Touchは壁やテーブルにスクリーンを投影できる小型のモバイルプロジェクターで、最小で23インチ、最大で80インチまでの投影が可能だ。だが最大の特長は、投影されたスクリーンを直接タッチし、タブレットのように操作できる点にある。

タッチ操作ができるのは23インチでの投影時に限られるが、タブレットより一層大きな画面で操作できるのに加え、10点までの同時タッチ操作にも対応していることから、家族や友達など複数で同時に操作することも可能だ。しかもOSにはAndroid 7.0を採用しているので、Google Playからゲームやコミュニケーションアプリなどをダウンロードして楽しめるのも大きなポイントとなっている。

Xperia Earと同等のボイスコントロール機能も備えており、天気やニュースを確認したり、アプリを音声で起動したりもできる。ただしプライベートに配慮して、メッセージ送受信などの機能は省かれているとのことだ。

本体は家庭内で持ち運んで利用できるよう、本体サイズはW69×D143×H134弌⊇杜未鰐932gとプロジェクターとしては非常に小さく、電源がない場所でも約1時間は利用できるよう、バッテリーも搭載している。ただしバッテリー駆動時は明るさが50%に制限される。

ネットワーク接続にはWi-Fiを用い、Miracastにも対応するのでスマートフォンの写真などをXperia Touch経由でワイヤレス投影することも可能だ。他にも給電やデータ転送に用いるUSB Type-C端子と外部入力用のHDMI端子、そしてBluetoothとNFCも搭載しており、PlayStation 4のリモートプレイも可能だとしている。

なお、Xperia Touchはソニーストアのほか、家電量販店でも販売される予定で、ソニーストアの予定売価は税別14,9880円。予約は6月9日から開始し、6月24日より順次届けられる。

●先端技術で新たなコミュニケーションを創出
4月20日に実施されたXperia Touchの発表会では、ソニーモバイルのスマートプロダクト部門 副部門長である伊藤博史氏から、XperiaスマートプロダクトとXperia Touchの狙いについて説明がなされた。

ソニーモバイルが掲げるビジョンを実現する上で、スマートフォンがこれからも重要な役割を果たすと伊藤氏は話すが、一方でその次につながるコミュニケーションを創造していく必要もあることから、同社では新たにスマートプロダクトを展開するに至ったとのことだ。

伊藤氏は現在のコミュニケーションの課題として、自宅でも外出先でもずっとスマートフォンやインターネットに入り込み過ぎて、身近にいる家族や友人とのコミュニケーションが進まず「ネットと現実のバランスが崩れつつある」と話す。そこでスマートプロダクトでは「友人や家族らが集まって、インターネットコンテンツを囲みながら発生する、心地よい新たなコミュニケーション体験を届けたい」と、伊藤氏はその狙いについて説明している。

○ソニーの超単焦点レンズや液晶デバイスを活用

そうした新しいコミュニケーションを実現する鍵となるのが、ソニーが持つ先進技術であるという。ソニーではカメラに代表されるセンサーなど“インプット”の技術と、映像や音響など“アウトプット”の技術、そしてXperia Earのボイスアシスタントに代表される、インテリジェント技術も持ち合わせている。それらの技術を活用し、これまでにないユニークな製品を作り出すことが、スマートプロダクトの大きなポイントになっているという。

それゆえXperia Touchでも、ソニーの先端技術がふんだんに活用されている。スクリーンを投影するプロジェクターに関しても、ソニー独自の超単焦点レンズと、液晶ディスプレイデバイスの「SXRD」(Silicon X-tal Reflective Display)、それをサポートするレーザーエンジンの搭載によって、持ち運びできるサイズにまでコンパクトにできたという。

またXperia Touchでは快適なタッチ操作を実現するための技術として、赤外線を扇形に照射することでタッチを検出し、さらにイメージセンサーを用いることで触れた位置を検出するという仕組みを採用しているとのこと。しかもセンサーによる位置検出は毎秒60フレームで実施されることから、遅延のない操作感を実現できるとのことだ。

●目指すは家庭のリビングへ
伊藤氏によると、スマートプロダクトはこれまで、スペイン・バルセロナで毎年実施されている携帯電話の見本市イベント「Mobile World Congress」で製品のコンセプトを発表しており、その後得たフィードバックを取り入れながら、製品化に向けた改良を進めるというプロセスをとっているとのこと。既にいくつかのコンセプトモデルが発表されているが、その中からXperia Earに続いて製品化を実現できたのが、Xperia Touchになる。

実はXperia Touchは、コンセプトモデルの時点では「Xperia Projector」と呼ばれていた。Xperia Touchに改名した理由について、伊藤氏は「家族」を挙げている。壁や床などにスクリーンを投影し、それを家族みんなでタッチ操作しながらを楽しむことで、新しい家族同士のタッチポイントを作り出すことを目指して開発されたことから、製品化に当たって「Touch」という名前が付けられたのだそうだ。

○まずは体験の場の創出に注力

コンパニオンプロダクト営業部 マーケティングマネージャーの黒川直通氏は、さまざまな調査資料から「家族がリビングで多くの時間を過ごしている」と説明。そこでXperia Touchではリビングでの快適なコミュニケーションを実現するべく、ソニーの技術を活用して「デジタルとフィジカルの境界線をなくすことを目指した」と話している。

とはいえ、Xperia Touchは15万円近くする製品であるため、一般家庭が手軽に購入できるとは言い難い。それゆえ伊藤氏は、「エンドユーザーに触ってもらえるタッチポイントを大きく展開し、そのフィードバックを得てさらなる市場開拓を進めたい」とも話している。

実際ソニーモバイルでは、全国5箇所のソニーストア直営店などにXperia Touchを展示し、実際に体験できる環境を整えるだけでなく、法人向けの導入も進めている。

既にメルセデス・ベンツ日本やホテルオークラ福岡、ビームスなどが4月22日以降順次、Xperia Touchを活用したサービスを提供するとしており、そうした企業の取り組みを通じ、B2B2Cの形で消費者にXperia Touchに触れる機会を作り出していく狙いがあるようだ。

(佐野正弘)