こんにちは。習慣化コンサルタントの古川武士です。

新年度を迎えて、新しい職場、新しい仕事に慣れようとする焦りから、集中力が分散してしまう、ながら作業が多くなり効率が悪くなっていませんか? そこで、なかなか集中できないときの問題点と、集中して生産性を高める、思考習慣について、動物のモンキーとチーターの行動・思考にたとえてご紹介します。

furukawa_prof.JPG古川武士(ふるかわ たけし)/習慣化コンサルタント
関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。約3万人のビジネスパーソンの育成と約500人の個人コンサルティングの現場から「続ける習慣」が最も重要なテーマと考え、オリジナルの習慣化理論・技術をもとに個人向けコンサルティング、習慣化講座、企業への行動定着支援を行っている。主な著書に「続ける習慣」「やめる習慣」「早起きの技術」などがあり、全16冊、計70万部を超え、中国・韓国・台湾など海外でも広く翻訳され読まれている。


集中力を散漫にさせる、モンキーマインド


モンキーマインドとは、木の枝から枝へ飛びまわる猿の行動・思考をたとえた言葉で、次から次へと異なる複数の作業に対応するために、その都度、思考を切り替えている状態のことです。電話やメール、突発的な仕事など、多くの仕事をこなすときにはメリットがありますが、思考の切り替えを繰り返しているとストレスが高まり、思考力が消耗してしまうので、集中して資料や企画書の作成に取りかかろうとしても、没頭することができません。

カリフォルニア大学アーバイン校の研究では、「一度、関心の対象がそれると、集中力を元に戻すには23分かかる」と指摘しています。つまり、企画書づくりに集中している最中に、ほかのことに意識を向けてしまうと、リカバリーするために23分も時間をムダにすることになるのです。では、集中力を高めるマインドとは、どのようなものでしょうか。


一心不乱に集中できる、チーターマインド


モンキーマインドとは対照的に、1つのことに100%のめり込んで集中している状態のことを、最高時速100km前後で一直線に走る姿になぞらえてチーターマインドと言います。

脳のストレスや思考力の消耗が少ないので、集中力と効率性が高まり、創造力を発揮した生産性の高い作業を可能にします。いわゆる、ゾーン、ピークエクスペリエンスと呼ばれる状態です。

しかし、1つのことに集中するチーターマインドを継続するのは、たいへんなことでもあります。なぜなら、メールの着信や電話、同僚や上司からの相談など、気が散ることが突発的に入ってくるからです。そこで、集中力を維持しながら仕事の生産性を高める習慣について考えてみました。


2つのマインドを効果的に習慣化する方法とは?


モンキーマインドやチーターマインドには、それぞれメリットとデメリットが存在ます。ポイントは、メリットを生かしながら、いかにデメリットを軽減するかです。

私の場合、午前中はチーターマインドを立ち上げて、雑念を振り払い執筆など集中した作業を行い、午後はコンサルティングや打ち合わせなど、モンキーマインドに切り替えて仕事をしています。ストレスや疲労が少ない午前中の方が、頭が冴えているので効率的ということもありますが、実は、チーターマインドからモンキーマインドに切り替えることは容易にできるからです。

しかし、会社勤務の場合は、午前・午後と明確に時間管理をするのが難しい場合も多いので、1日をチーターマインドではじめることを基本にしながらも、モンキーマインドのデメリットである思考の切り替えによるストレスと思考力の消耗をできる限り少なくする習慣を身につけましょう。

具体的には、多くの作業をこなすマルチタスクの状態であっても、同じような作業に大別して、思考の切り替えを減らすことです。たとえば、メールは随時対応するのではなく、一定の時間内にまとめて返信する。同僚や上司に相談するなら複数の案件でもまとめて行うなど、同じ思考で一気に処理するシングルモードで時間の効率化を図るわけです。

モンキーマインドから、チーターマインドに切り替えるためには、前述の研究の通り時間が必要ですが、シングルモードによる時短で相殺することが可能です。午前中にチーターマインドで作業できない場合は、午後のどの時間帯にチーターマインドにするかを決めてから、シングルモードで仕事を片付けていきましょう。


(文/古川武士)
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