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●安倍首相任命の政務官がまさかの"重婚"と"ストーカー登録"

 経済産業大臣政務官である中川俊直衆院議員が18日、電撃辞任した。その理由は週刊誌で女性問題が報じられるというものだったが、実際、本日発売の「週刊新潮」(新潮社)4月24日号に掲載された元愛人による告発記事は、中川議員の唖然とするほどの"えげつない本性"を白日の下にさらしている。

「好色は元「官房長官」の父親譲りだった「中川俊直」代議士ハワイの「重婚」写真で一発辞任!「ストーカー登録」された経産省バカ政務官!!」

 こう題された告発記事によると、中川議員と元愛人の関係が始まったのは2011年のことだったという。2人は古い知り合いだったが、東日本大震災を機にFacebookで連絡を取り合い"大人の関係"になる。だが、驚くのは2013年9月、2人がハワイで"結婚式"を挙げているという事実だ。確認しておくが、中川議員は3人の子どもをもつ妻帯者。元愛人は「週刊新潮」にこう語っている。

「入籍をしたわけではないですが、牧師さんの前で愛を誓い結婚証明書に自署したのです。奥さんがいる以上、私は結婚ができない。せめてウェディングドレスをとお願いし、受け入れてくれた」

 にわかには信じがたい証言だが、どうやら事実らしい。「週刊新潮」は2人の"ハワイ挙式"のグラビア写真まで掲載。そこにはウエディング姿の元愛人と、「結婚証明書」を持つ牧師、そして、その横で満面の笑みを浮かべる中川議員の姿が収められている。
 
 言うまでもなく、日本の民法では配偶者のある者は入籍できない。ところが、この「結婚証明書」はアメリカで法的に認められたものだというから、記事タイトルのように、これは不倫どころか、れっきとした"重婚"である。
 
 これだけでも驚愕だが、さらに「週刊新潮」ではその後の中川議員と元愛人、そして"もうひとりの女性"とのドロドロの関係も暴露されている。

●別れ話に半狂乱の末、警察に「ストーカー登録」される

 例の"重婚ウエディング"の後、2人の関係は次第に亀裂が入っていくのだが、その理由は中川議員の常軌を逸した"嫉妬と妄想"だったという。記事によれば、元愛人が知人男性のFacebookに「いいね!」をしただけでも"浮気しているのはわかっているんだ!"と連絡してくるほどだったという。

 そして15年3月、シャワー中に電話に出なかったことで中川議員にひどく咎められた元愛人は、一度は距離をおくようになった。だが、昨年11月に中川議員から連絡がきて「実は僕も最近、彼女と別れたんだよね」。元愛人は甘言に乗せられ、再び中川議員と関係をもつようになったという。

 ところが、その関係もすぐに破局が訪れる。その理由は、同じ自民党の前川恵衆院議員の存在だった。前川議員といえば今年3月、「フライデー」(講談社)3月24日号で中川議員との密会を報じられたことが記憶に新しい。

 元愛人の告白によれば、中川議員は前川議員のことを"前カノ"と呼び、"16年初めに付き合い始め10月頃に別れた"と説明していたという。しかし、その年のクリスマスに元愛人とベッドで過ごしていた中川議員のもとに、前川議員から電話があり、その場で延々と痴話喧嘩を始めたというのだ。しかも、前川議員には元愛人のことを"前カノ"と言い訳していたという。

 自分が二股にかけられていたと悟った元愛人は、「週刊誌に話す」と告げる。するとその日の午後、中川議員は元愛人の家まで来て、扉をドンドンと叩き続け、その場で土下座。号泣し、半狂乱状態になったという。そのため元愛人が110番通報を行い、結果、元愛人は警察に勧められるかたちで中川議員をストーカー規制法に基づく「ストーカー登録」をし、中川議員本人は渋谷署で「ストーカー警告の書面」にサインなどさせられたという。

「週刊新潮」は「前代未聞の」と書いていたが、たしかにさんざん報じられてきた国会議員の女性スキャンダルのなかでも、今回のスキャンダルの下劣さとグダグダぶりはトップクラスと言っていいだろう。

 だが、中川議員の今回のスキャンダルはある種の必然であったのかもしれない。というのも、中川俊直議員の父親は、官房長官や自民党幹事長を歴任した中川秀直氏。秀直氏といえば自身も政治家であった義父から地盤と基盤を受けついだ世襲政治家だが、2000年、第2次森喜朗内閣で内閣官房長官在職中に女性スキャンダルが発覚し、官房長官を辞任している。

 この秀直氏の不倫劇については、今回、「週刊新潮」も少し報じていたが、その内容はそこで書かれているようなレベルの話ではなかった。なんと、当時、官房長官だった秀直氏は、自分のスキャンダルを封じ込めるために、国民の血税である官房機密費をつぎ込んでいたという大疑惑が浮上していたのだ。

●秀直元官房長の愛人問題と右翼団体との関係、そして官房機密費の動き

 あらためて秀直氏の女性スキャンダルを振り返ってみよう。きっかけは、当時20代の愛人を妊娠中絶させていたという報道。2000年、いくつかの週刊誌と月刊誌がこの秀直氏の愛人疑惑を報じ、元愛人による手記などを掲載。そのなかで、新潮社の写真週刊誌「フォーカス」が愛人を自宅の寝室に招いたときの写真や、秀直氏がサインしたとする人工中絶の同意書を公開し、一気に追い詰めていく。

 ちなみに、秀直氏はこの中絶同意書のサインに「中川一郎」(故人で自民党タカ派の元重鎮)との偽名まで使ったと週刊誌で報じられたが、今回、息子の俊直議員も元愛人との"結婚証明書"に「Nakagawa Shunchoku」と偽名(音読みの愛称)を用いていたというから、これもある意味"父親譲り"ということなのだろう。

 だが、秀直氏のスキャンダルは愛人問題だけではなかった。この元愛人には覚せい剤の使用疑惑があり、すでに捜査当局も動いていたのだが、そこで秀直氏が官房長官という地位を利用し、元愛人に電話で内偵情報を漏洩していたことを「フォーカス」がすっぱ抜いたのだ。しかも「フォーカス」は入手したその電話の録音テープをテレビ局にも提供。地上波で音声が放送されたことが決め手となり、ついに秀直氏は官房長官辞任に追い込まれたのである。

 愛人疑惑だけではなく捜査情報まで漏洩──。これだけでも公的な立場を利用した前代未聞のスキャンダルだが、このあと、さらにとんでもない疑惑が浮上する。それが、前述の官房機密費の流用疑惑だ。

「フォーカス」はこのとき、秀直氏と右翼団体幹部の蜜月会合の写真も公開していた。実は、この愛人は右翼団体幹部とも付き合いがあって、秀直氏は交際の一部始終を握られていたといわれる。そして、秀直氏は官房長官を辞任したあと、新潮社と「フォーカス」を名誉毀損で訴えたのだが、その訴訟の過程で、新潮社側が"女性問題で脅された秀直氏が右翼団体に対して官房機密費から多額の金を支払った"と主張したのだ。

 実際、裁判所が内閣官房に照会すると、なんと、秀直氏が在任中の2000年7〜8月の2カ月間で実に合計2億2000万円もの機密費を受け取っていたことが判明。当然、この官房機密費が右翼団体への"口封じ"に流用された可能性が濃厚になった。一方の秀直氏は私的流用を否定し、もともとブラックボックスである機密費の使途までは公表されなかったのだが、しかし、この疑惑を裏付けるように、「週刊文春」(文藝春秋)04年2月19日号では当時の森派(清和会)関係者が絶対匿名を条件にこんな証言をしている。

「中川のある側近と慰労会を兼ねて食事に行きました。『大変だったな。大丈夫なのか?』と訊くと、『もうカタはつきました』という。お金のことだとピンと来て、どれぐらい掛かったのかと問うと、黙って片手を広げました。中川は婿養子で夫人に頭が上がらない。いつもお金を工面するのに苦労していました。もし仮にあれが五千万円を意味するのなら、自分の財布から出すのは不可能だと思います」

 ようするに、中川秀直元官房長官のスキャンダルは、国会議員の不倫などというレベルではない、まさに政治と公金の私物化という大問題だったのである。

●前代未聞のスキャンダルも封殺する自民党のグロテスクな世襲政治

 ところが、である。清和会幹部で森喜朗元首相のお気に入りだった秀直氏は、これだけのスキャンダルと疑惑があっても、官房長官を辞任しただけで、議員辞職に追い込まれることも、政治生命を絶たれることもなかった。小泉政権では自民党国対委員長や政調会長、そして第一次安倍政権では幹事長に就任するなど要職を歴任。清和会の重鎮として、2012年の引退までのうのうと議員生活を全うしたのだ。

 そして同年、自身の選挙区の後継者として擁立し、初当選を果たしたのが、息子の俊直氏だった。ちなみに、俊直氏は父の秘書を長らく務めており、2006年には広島県東広島市長選にも立候補(落選)したのだが、そのときは当時官房長官だった安倍が駆けつけるなど、手厚い応援を受けていた。

 そう考えると、今回、俊直議員がこんなとんでもないスキャンダルを引き起こしたのも、あそこまでの大問題を連発しても責任をとることなく政界に留まり続けた父親を見て、「女性問題くらいならなんとでもなる」と考えたのかもしれない。実際、俊直議員は政務官こそ辞任したものの、議員辞職までは至っておらず、菅義偉官房長官も「自分で判断することだ」と擁護している。

 とすれば、今回の問題の元凶は、スキャンダルや不正をはたらいた議員を平気で復権させ、しかも、その利権や体質ごと"世襲"させている自民党の体質そのものにあると言えるだろう。

 その最たるものが安倍首相だ。安倍晋三自身が絢爛たる世襲議員であることは今更言うまでもないが、同じく世襲の俊直議員とは同じ清和会派閥であり、当選2期にして政務官に抜擢した。どれだけ政治を私物化しようが、前代未聞のスキャンダルをすっぱ抜かれようが、首相と仲良しの有力政治家一家というだけで守られる。こんなことが許されていいのだろうか。このトンデモ議員を政務官の座に座らせた安倍首相の責任を追及するのはもちろん、自民党のグロテスクな世襲政治にもケリをつけなければならない。
(編集部)