このヒロイン、最強です - 映画『エル ELLE』より
 - (c) 2015 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS - TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION - FRANCE 2 CINEMA - ENTRE CHIEN ET LOUP

写真拡大

 スリラーなのにコメディーで、変態的なのに気品にあふれているというその内容と、イザベル・ユペールの名演が話題を呼んだフランス映画『エル ELLE』が8月より日本公開される。映画賞レースでもひときわ異彩を放った衝撃作で、『氷の微笑』の鬼才ポール・ヴァーホーヴェン監督とタッグを組んだ主演のユペールは、本作の演技で第74回ゴールデン・グローブ賞女優賞(ドラマ)に輝き、初のアカデミー賞ノミネートも果たした。

 ユペールがふんしたのは、新鋭ゲーム会社の女社長ミシェル。ある日一人暮らしの瀟洒(しょうしゃ)な自宅で覆面の男に襲われ、送り主不明の嫌がらせメールが届くようになり、その後も誰かが留守中に侵入した形跡が残されていて……。警察に関わりたくないミシェルは自ら犯人捜しを始めるのだが、本作がユニークなのは物語が普通の復讐物とは全く違う方向に進むこと。事件を契機にミシェルを取り巻く人々、さらには彼女自身の恐るべき本性が明らかになっていくさまに、ハラハラさせられつつも笑ってしまう。

 ハリウッドの大女優たちが断り続けたこの難役を「ぜひ自分で撮ってほしい」と立候補し、軽やかに演じ切ったユペールの名演は特筆すべきもの。ジャン=リュック・ゴダール、クロード・シャブロル、ミヒャエル・ハネケをはじめとするそうそうたる巨匠たちと仕事を重ねてきたユペールの長いキャリアの中でも「最高峰の素晴らしい演技」と評価されており、併せて公開となったWEB限定予告でもその一端を見ることができる。(編集部・市川遥)

映画『エル ELLE』は8月よりTOHOシネマズシャンテほか全国公開