ロレックス ミルガウス116400黒文字盤

写真拡大

 こんにちは、斉藤由貴生です。腕時計だけでなくクルマも好きな私ですが、最近中古車を探していると「総支払額が高くなった」という気がします。しかし、それは値上がりしたのではなく、4月から発生する自動車税が総額表記の中に含まれているだけ。一見すると、「割高」に見えるのですが、3月に買った場合と比較しても結果的に支払う額は変わりないのです。

 腕時計も近頃、クルマのように5万円前後値上がりしているという感覚があるのですが、こっちは立派な値上がりです。腕時計はクルマと違い、所有しているだけで発生する税金なんてものはないため、「値段が上がった」ということは「価値が上がった」という認識でいいでしょう。

 以前の記事「トランプ大統領によってロレックスも値上がり」にも書いたように、最近ロレックスを筆頭に腕時計は全体的に値上がり傾向。

 このように値上がり傾向な時期の場合、すでに所有している人からすると「自分の腕時計を高く売れるかも」とうれしい反面、これから時計を買おうとしている人からすると「なんだか割高で買いたくない」という判断にもなりそうです。しかし、何本も時計を所有する愛好家のみなさまは、どの時期だって「買いたい」のです。そして、どの時期でも「買い」な腕時計はしっかり存在します。

 そんなみなさまを勇気づけるためにも、私が率先してこの割高と感じる時期に、あえてロレックスを買えば参考になるのかと思いました。そして買ったのがこの時計、ミルガウス116400黒文字盤。

 なぜこの時計を選んだかというと、理由はいくつかあります。1つは、このミルガウスという時計の値動きが面白いという理由。

◆リーマン・ショックで大暴落したロレックス

 ミルガウスがデビューしたのは2007年のことなのですが、そのデビュー時は新品実勢価格が180万円という超プレミア価格だったのです。一部のお店が180万円にしたのではなく、どのお店でも大体180万円。しかも、その値段でも売れていたのです。

 そんなミルガウスですが、翌年2008年に大暴落するという現象が起こります。2008年6月における腕時計店5社の平均価格が約158万円だったのに対して、同じ年の12月は約65万円。つまり、たった半年で90万円以上も値下がりしたのです。

 なぜ値下がりしたのかというと、その年9月に起こったリーマン・ショックが原因です。他のロレックスも多々値下がりしましたが、ここまでの値下がりとなったのはミルガウス以外に例を見たことがありません。

 ロレックスはその後、アベノミクスにより全体的に値上がりし、リーマン・ショック以前の価格より遥かに高い水準まで回復。安い時期と比較して値上がりした額が30万円程度では驚くに値せず、100万円以上の値上がりというモデルまで存在します。

 ということは、かつて180万円という価格だったミルガウスも、元の値段まで戻るのかと思いきや、あまり値上がりしておらず、現状相場は安い時期と比較して5万円程度高くなったにすぎません。数多くのロレックスが値上がりしているなかで、逆に5万円しか相場が変わっていないモデルを見つけるのは難しいぐらい。そんなわけで、何かと常識が通用しないミルガウスはかなり面白い存在なのです。

 そして、もう1つのミルガウスを選んだ理由は、なんとなくカッコいいと思ったからです。

◆当初イマイチだと思った黒文字盤を買った理由は?

 この時計が出た頃、ミルガウスには3つのラインナップがあったのですが、180万円になったモデルは116400GVというガラスが緑色の特殊なモデルです。他の2つは普通の腕時計と同じく、無色透明なガラスを装着した黒文字盤と白文字盤。その頃私は、同じく黒文字盤を採用する通常ガラスモデルと緑ガラスモデルがあることに違和感を覚え、通常ガラスの黒文字盤モデルを中途半端だと思いました。