スマホのモバイルバッテリー最適容量とは? 日常に大容量は無駄 超薄・軽量2500mAh製品で試してみた

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いまや、iPhoneやAndroidスマホに至るまで、スマホを使う上でモバイルバッテリーは必要なアイテムとなっている。ほとんどの人がモバイルバッテリーを使ったことがあるだろう。

最近のスマホは、内蔵バッテリーが大容量化され、駆動時間も長くなっている。それでも、ガラケー時代のように、何日も充電をしないで使えるというわけではないからだ。

モバイルバッテリーは、急速充電や大容量に対応し、価格も下がるなど品質も大きく向上している。特に大容量化は著しく、今では10000mAhは当たり前、20000mAh以上の製品も多数販売されている。旅行や出張など、屋外で長時間を過ごしたり、充電スポットがなかったりする場合は、スマホを複数回 満充電できる大容量タイプは必要だ。
こうした背景からモバイルバッテリー選びでは「容量の大きさ」が優先されることが多い。

「大は小を兼ねる」と言うが、果たしてその選択は正しいのだろうか?

スマホの標準的な1日の利用で、10000mAhもバッテリーを使うことはない。
1日に使うバッテリー容量以上を持ち歩くのは、無用な重りを持ち歩いているようなものだ。

それでも大容量バッテリーを持ち歩きたくなるのは、
必要以上にバッテリー切れを恐れる「スマホ依存症」の第一歩とも言える。

では、1日に必要なバッテリー容量とは、どの程度なのだろうか。

●1日に必要なバッテリー容量はどのくらいなのか?
そこで筆者は、宿泊の伴う出張や旅行用の10000mAh製品とは別に、2500mAhという小容量のカード型バッテリーを購入し、終日、外出時でのバッテリー消費を検証してみた。

利用したスマホはXperia Z4で、バッテリー容量は2930mAh。
現在のスマホでは、標準的なバッテリー容量だろう。

朝100%の状態で外出。
マップやSNS、メールや電話、カメラなど、通常通りの生活で利用したところ、

15時で残容量は、40%程度までになった。
この残容量では、夜までバッテリーが持つかどうか不安なので、このタイミングで充電を開始。
2時間程度で85%程度まで回復し、モバイルバッテリーは容量切れで充電は停止した。

17時の時点で残容量85%となり、夜の帰宅時は、残45%と、バッテリー切れなく帰宅できた。
帰宅後は、自宅でスマホもモバイルバッテリーも充電したのは言うまでもない。

ということで筆者の場合、通常の使い方なら、終日の外出でも2500mAhのモバイルバッテリーの補充でも十分だとわかった。ちなみに、モバイルバッテリーが充電可能な容量は、表示量の60%程度ともいわれている。2500mAhの製品だと実質1500mAh程度となる。
今回の検証でも、残容量40%から85%までモバイルバッテリーで充電したので、1300mAh程度を充電したことになる。

つまり、筆者の利用方法の場合、終日でのバッテリー消費は、3000mAh程度であり、外出中に1500mAh程度を充電できれば、帰宅までバッテリー切れすることなく使えるというわけだ。

もちろん、スマホの利用方法によって、1日のバッテリー消費量は大きく変化する。
例えば、ポケモンGOなどソーシャルゲームや、配信サービスでの動画視聴を利用している場合は、バッテリー消費量はさらに多くなる。

ということで、終日の外出を12時間程度と仮定すれば、下記のような目安も立つ。

6時間(半日)前後で50%消費する場合は、
1日で3000mAh程度を消費し、1回1500mAhの補充で帰宅まで持ち、最小25000mAh製品で十分。

3時間前後で50%消費する場合は、
1日で6000mAh程度を消費し、2回1500mAhの充電で帰宅まで持ち、最小5000mAh製品で十分。


というわけで、筆者の場合は、終日外出で10000mAhのモバイルバッテリーを持ち歩くことは、無駄だったということが今回の検証で証明できた。

筆者は、外出時に10000mAhのバッテリーが重すぎと感じ、2500mAhの製品を購入したわけだが、これが最適な容量だったというわけだ。荷物をできるだけ軽くしたかった筆者にとって、この買い物は正解だったということになる。

今回、検証に利用したのは、「MOCREO LAVO-2500 超薄型ウルトラポータブルモバイルバッテリー」で、重量59g。Amazonで899円と価格もリーズナブルな製品だ。
ちなみに、Lightningアダプターが付属するタイプ(999円)もあるので、iPhoneユーザーも使える。


カード型で重量は59g。卵1個より軽い



ケーブルは収納式で、持ち歩き時にも邪魔にならない


スマホにつないだままメッセージを打ったり改札にかざしたりしたが、問題なく手に収まるので負担はほぼない。


薄さ6mm、フリスク(10mm)よりもかなり薄い



Anker 10000mAh(180g)と比べてみた



カードと重ねると小ささがよくわかる



「大は小を兼ねる」ということわざは、モバイルバッテリーに関しては必ずしも適切とは言えないようだ。
これからは薄着の季節。必要十分な適量のモバイルバッテリーで、気持ちも荷物も軽くして街をさっそうと歩きたいものだ。


内藤由美