窮地に陥るユナイテッド航空のムニョスCEO。オスカー・ムニョス(Oscar Munoz) photo : AFLO

オーバーブッキングが原因で乗務員が乗れなくなったため乗客を無作為に選び、無理やり引きずり降ろし大問題になったユナイテッド航空。SNS上やマスコミで同社に対する批判の声が上がる中、様々な余波が広がっている。

今回の事件の様子を撮影した動画がSNSで拡散、大問題になるとなんとユナイテッド航空(UA)の持ち株会社ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスの株価は急落! 同社の資産価値10億ドル(約1097億円)に当たる、4%も株価が下がったという。

これで影響を受けたのが有名投資家のウォーレン・バフェット。なんとバフェットの運用会社では同社の株式を2890万株も所有! これは同社の株式全体の9%に当たるという。

とはいえ、損失は被っていないのがバフェットのすごいところ。アメリカン航空やデルタ航空など、ユナイテッドのライバル会社の株式も持っていたのがその理由。事件のせいでライバル会社の株価が上がり、その結果バフェットは1日で1億400万ドル(約114億円)の利益を得たと報じられている。事件で市場が動揺している間にも稼ぐとは、さすが投資界のライオンとも真のハゲタカファンドとも言われるバフェット!

オスカー・ムニョス(Oscar Munoz)、ドナルド・トランプ(Donald Trump) photo : AFLO

さて、この株価の急落からもわかる通りUAは現在大ピンチ。今年2月、UAのムニョスCEOはドナルド・トランプ大統領と対面、笑顔で握手をしている場面が報じられていた。しかし今回の事件にはトランプ大統領も「映像を見て心を痛めている」とスパイサー報道官がコメント、不快感を示している。

また今回、引きずり出されていたのがアジア系の男性だったことから人種差別問題に発展する気配も! 過去にUAを利用した乗客から「以前からアジア人に対する対応がひどかった」という告発の声も上がっている。

これを受けてネット上では批判動画が次々登場。UAが「オーバーブッキング解決キャンペーン」という新CMを作ったという設定のコメディ動画も現れている。事件動画に合わせて「私たちはアルゴリズムを使い、一番安くチケットを買った人を突き止め、スーペリアクラスのお客様のために座席を確保します」「追加で59.99ドル払ってアップグレードすれば、どの国籍の乗客をあなたのために引きずり降ろすか決めていただけます」とナレーションが流れ、同社の企業体質を痛烈に批判している。

 

courtesy of Zoo Agency via Facebook

ちなみにムニョスCEOは事件を謝罪したものの、社内に向けては「この男性が騒いでケンカ腰だった」「乗務員は決められた手続きに従って行動した」とメッセージを流していたことが発覚、さらに批判に晒されている。まだまだ波紋が広がりそうなこの事件。引き続き注目したい。

text : Yoko Nagasaka