そろそろキッチンを改装したいけれど、理想を形にできるまとまった予算がなければ時間もない……。そんな悩みを抱えているなら、まずは今すぐできるアイデアを取り入れて、プチリノベーションしてみない? 

『Kelly's Kitchen Savvy: Solutions for Partial Kitchen Remodels』の著者で、キッチンとバスルームデザインの認定資格を持つインテリアデザイナーのケリー・モリソーさんが提唱する“20%のキッチンリモデル”には、最小の手間で最大限の効果を得られる模様替えのヒントがいっぱい!

「まず、今のキッチンをすみずみまでチェックして、長所と短所をすべて書き出してください。次に、その中からすぐに手をつけたい場所と、後回しにしていい場所を決めましょう。予算も最初に決めておいて、ライフスタイルや自宅で過ごす時間の長さ、将来家を手放すときのことも考慮してプランを立てていくといいですね」
 
それでは、モリソーさんが教えてくれたキッチンを生まれ変わらせるコツを、ひとつずつチェックしていこう。

1. 照明を明るくチェンジ!
キッチンを明るくしたいとき、壁や天井、窓枠などを新しく塗り替えるのもいいけれど、照明を新しくしたほうがより効果的、とモリソーさん。
「優れた照明は、キッチンをより明るく、広々と見せてくれます。その場が楽しくなって、作業効率が良くなるという心理的効果もあるんです」
天井についた小ぶりの照明を省エネタイプの大きくて明るいものに替えると、それだけでキッチン全体に高級感が出るそう。また、吊戸棚タイプのキャビネットの底に作業用のスポットライトを取り付けると、カウンターを明るく照らしてくれるという。
「ほとんどの人はキャビネットの底の部分にまで気を配らないけれど、そこに照明があると調理スペースが明るくなって、とっても作業がしやすくなるんです」
キャビネット下の照明は壁の内側に配線を必要とする場合があるけれど、一番近いコンセントにつなげられる商品を選べば簡単に取り入れられるとのこと。

2. 縁がステキだと立派に見える
「現場のプロの話では、家の中のさまざまな部分を縁取っているもの、たとえばドアや窓の枠、すそ板、廻り縁などに質の高い見栄えの良い物を選ぶと、どんな家でもより高級に見えるそうです。これはほぼすべての住宅に当てはまります。DIYが得意なら、こうした要素をキッチンに取り入れてみてください」と、モリソーさん。もし手先が器用でなければ、プロにお任せして。

3. ひとつの設備に投資する
予算の都合でレンジだけをプロ仕様にしたとしても、ほかの設備がかすんで見えるわけではない。
「最近では、スタイリッシュなデザインの調理設備が、幅広い価格帯で販売されています。すべてを同じ品質で統一することは、数千万円以上の値がつく住宅の場合には理想的ですが、平均価格帯またはそれ以下の住宅の場合には当てはまりません。プロ仕様のステンレス製レンジに低価格のステンレス製冷蔵庫を合わせてもまったく問題ありません」と、モリソーさん。前年のモデルを選ぶことや、価格が安くなる秋に買い物をするとお得になるのでおすすめだとか。まとめ買いすると割引を受けやすくなるので、計画的な買い物もよいそう。
また、食器洗い機やコンロ、冷蔵庫などの取り外しや設置がかんたんな設備は、もっとも効率的な模様替えの手段のひとつだ。買い替えるときは周囲の寸法を正確に測っておくのが重要だ、とのこと。
「万が一サイズが合わなければ、大工に依頼して工事してもらいましょう。また、キャビネットの買い替えを予定しているなら、これまで使っていたすべての調理器具を収納できることかどうか、きちんと確認してください」

4. 棚の扉には高級感を
「高級感のあるキッチン作りには、ガラスのキャビネットを選んで、見せる収納にするのが人気です」とモリソーさん。キャビネットの扉部分の素材は、美しい装飾の食器類を見せるなら透明ガラスを、普段使いの食器を収納するキャビネットには曇りガラスやエッチングガラスを使うと、メリハリが出てオーダーメイド感を演出することができるんだとか。

5. 収納用小物を見直そう
キャビネットや引き出しの使い勝手が悪いと感じるなら、後付けできるアイテムを活用しよう。スパイスやカトラリー専用の収納トレー、鍋やフライパン専用の収納ラック、引き出し型の収納棚、消音タイプの引き出しなど、ニーズに合わせた改善ができるのはもちろん、リフォームする手間とコストも抑えられる。
「快適なキッチンには使いやすい設備が整っています」と、モリソーさん。もし、キッチンの設備や家電が古く感じ、買い替えたくても今は予算がないというときは、ガス台のバーナーや食器洗い機の取っ手、冷蔵庫内部の棚など、部分的に新しくするだけでも効率が上がるそう。

6. 美しいバック・スプラッシュを作ろう
「高級なキッチンでは、水や油はねを防止する壁材『バック・スプラッシュ』が採用されています。カウンターから壁付けキャビネットの下面、さらにはシンクの周りやそのほかの壁まで貼られていることも。カスタムキッチンの場合、通常は単色タイルか、オーダーメイドのタイル、ウッド、ガラスなどが使われます」と、モリソーさん。模様入りの小さなタイルをたくさん貼ったり、ドットやストライプなど違うタイプのものを組み合わせたり、無地のタイルの上に個性的なデザインのタイルを貼っても。キッチンの背景になってイメージを作るデザインのバリエーションは実にさまざまだ。
「タイルを貼るときにはスイッチやコンセント、壁の境界線部分など、模様が分断されずにきれいにつながるように注意しましょう。使用するタイルとスイッチプレートやコンセントカバーの厚さが同じだと、悪目立ちしません。調理台の後ろの汚れやザラザラ感は、こんなふうにしてきれいに保つことができるんですよ」

7. 取っ手はケチらないで
キッチンの模様替えとして、キャビネットのパーツのどこかを新しくするのがもっとも手っ取り早くて簡単だとよく聞くけれど、取っ手のチョイスは慎重に行う必要あり! 
「1つ¥300くらいのものを選んでしまうと、おそらく2年以内にまた交換しなければならなくなるでしょう。おすすめは、手に持ったときにずっしりと感じるもの。軽い取っ手だと中が空洞だったり、質の悪い金属が使われていたりする場合があるんです。アクリルとガラスでは重さがかなり異なりますよね」
新しい取っ手に交換するときには、今使っている取っ手のネジの大きさを確認して、少しだけ大きいネジの取っ手を選ぶと作業がしやすいそう。
「既存のネジ穴は時間が経って摩耗してしまっているので、しっかり留めるためにはより大きなネジが必要なんです」と、モリソーさん。新たなネジ穴を開けなければならない場合、古い穴を隠すために裏面から板で覆うか、木製のパテでふさいでしまうとよいとのこと。

8. レイアウトはプロのテクニックを盗め!
「雑誌や写真撮影のスタイリストは、グラスやお皿を巧みに並べたり、スツールの上に置いてみたり、ラグやお花、小物などを使って、置き方や組み合わせでおしゃれに見えるように工夫しているんです」と、モリソーさん。これなら大掛かりなリフォームや工具を使ったDIYも必要なし。雑誌を見て気になるアイテムがあったら買い足して、いいなと思う食器やキッチンツールの並べ方を真似してみて!

9. キッチン設備の新調は計画的に!
床やキャビネット、カウンタートップなど、キッチン設備の取り替えには、優先順位をつけるべき、と話すモリソーさん。電気系統や配管など、プロの手助けが必要な工事も同様とのこと。というのも、新しい設備を入れるときに別の工事が発生する場合があるから。たとえば床の張り替えには、備え付けの家具や家電の取り外し、そして再設置が必要になる。
「一ヶ所だけ変えるつもりでも、周りの設備に影響が出る場合も多いので、きちんと調べてからオーダーするようにしましょう。この作業を怠ると余計な費用がかかったり、工事に遅れが出たり、最悪の場合は中止せざるを得ないことも。どんな順番で修理や改善を行っていけばいいかを理論立てて考えていけば、今回のプチリノベーションで何を優先したらいいかがわかるし、将来の大幅改築のときの準備にもなりますね」

original text : Ellen Sturm Niz translation : Rubicon Solutions, Inc cooperation : Yuko Ehara photo : Getty Images

>>『delish』のオリジナル記事はこちら