KAT-TUN

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 さまざまな“名言”からジャニーズタレントの実像を浮き彫りにしていく「ジャニーズたちの名言」。今回はKAT-TUNの肉体派、上田竜也の後編。『炎の体育会TV』(TBS系)などで見せる彼の熱い部分は、どのようにして出来上がっていったのだろうか?

闘争心が強いだけ! 戦闘民族だから!!
(「龍組」Vol.6 2016年8月9日/Johnny's web)

 ジャニーズの中でも特に反抗的で生意気なメンバーが揃っていたというKAT-TUN。子どもの頃は一家揃ってホテルのレストランで外食し、習い事に追われる毎日を送っていたという上田だが、KAT-TUNの中で大人しくしていたかというとそんなことはない。むしろ人一倍血気盛んな“戦闘民族”だった。

 メンバー間での殴り合いのケンカは日常茶飯事。田中聖とは目が合っただけでケンカになったこともあるのだとか。上田だけでなく、しょっちゅういろいろな組み合わせのケンカが起こっていたというのだから、もはやビーバップ・ジャニーズだ。後にメンバーの中丸雄一は「こんなに仲よくなれるとは思わなかった」と語ったという(『Myojo』2012年8月号/集英社)。

 『炎の体育会TV』で陸上部の監督に就任したときの抱負として語った「後退のネジを外します。インファイターですよ。アウトボクシングする奴はいらないです」(2016年4月16日)という言葉も、彼の闘争心の表れだろう。何を言っているのかよくわからない部分もあるが、とにかく気迫だけは伝わってくる。

男は自分が決めたことにとことん突き進む生き物。そうなったときはもう他のことは目に入らなくなる。正直だから勝手にもなるんだよ。
(『anan』2006年4月12日号/マガジンハウス)

 上田はある時期、ものすごくフェミニンなルックスになって、「MARIE ANTOINETTE」という曲を作ったり、クマのヌイグルミにキスをしたり、決めポーズが「アッカンベー」だったりしたのだが、それも彼の行くところまで突き進んでしまう猪突猛進さゆえに生まれたパフォーマンスだった。そういう意味では矛盾はしていない。

人は必ず壁にぶつかるときがあるけど、そっから進むか止まるかは、自分次第なんですよ。大いに悩んで、手あたり次第いろいろやって、決めりゃいいでしょ。
(『Myojo』2008年6月号/集英社)

 上田自身、いろいろなことに悩んで試行錯誤した結果があるから、このように率直に語れるのだろう。ただし、「手あたり次第いろいろやって」と言っているものの、つまみ食いでは何もわからない。「“このスタイルでいくんだ”って、自分が決めたことを信じて完全燃焼してほしい。完全燃焼してダメだったら、しょうがないって思えるはずだから」(『Myojo』2012年8月号/集英社)とも語っている。試行錯誤だって完全燃焼しなければ意味がないのだ。

短命で終わる遊びの愛ならいらないぜ。俺は、家庭的な永遠の愛がほし〜い!
(『Myojo』2007年8月号/集英社)

 かつてはミステリアスな雰囲気を漂わせ、「人生とは?」と問われると「謎」(『POTATO』2011年4月号/学研プラス)と答えていた上田だが、恋愛観や将来の夢などについては驚くほど普通のことを答えている。

 「刺激なんてなくていいからごくごく平凡で落ち着いた恋愛をして、いつか幸せな家庭を持ちたいね」(『POTATO』2015年3月号/学研プラス)、「(将来挑戦してみたいことは?)父親になること」(『saita』2014年2月号/セブン&アイ出版)、「(個人としてやってみたいことは?)男友だちといっしょに、海外旅行に行きたいね〜」(『ポポロ』2013年12月号/麻布台出版社)、「結婚したら娘がひとり欲しい!! そのコに「パパと結婚する」って言ってもらうのがオレの夢(笑)」(『POTATO』2011年5月号/学研プラス)……。回答の普通さにブレがない。

 前編では上田の本質が“努力の人”だと書いたが(参考:KAT-TUN 上田竜也は“努力の人”であるーーグループのために重ねた変化を名言から振り返る)、もう一つの本質はこの“普通さ”にあると思う。戦闘民族で血気盛んではあるが、根っからエキセントリックというわけではない。ごくごく普通の兄ちゃんなのだ。

 普通の兄ちゃんだからこそ、幸せな家庭を築きたいし、大切にしたいと思っている。そして彼が大事にしているもう一つの“家”と“家族”はKAT-TUNだ。

オレにとってKAT-TUNは、もう家族みたいな存在なのね。ムカつくこともあるし、ぶつかることもあるけど、家族だから絶対に切れない絆がある。
(『オリ★スタ』2010年9月13日号/oriconME)

 上田は何度となくKAT-TUNとメンバーのことを“家”や“家族”に例えている。ほかにも、「いくらもめても、KAT-TUNって、俺たちにとって家みたいなものだから、絶対に戻るべき場所」(『Myojo』2012年8月号/集英社)、「やっぱり俺にとってのメンバーは家族だし、KAT-TUNは必ず帰る場所、なくしちゃいけない家なんです」(『Myojo』2016年4月号/集英社)などなど。

 「こんなに家族構成が変わる家なんてねーだろ」と言いつつ、脱退したメンバーについて「10年と言わず、いつだって会えます。脱退した次の日だって」(いずれも『Myojo』2016年4月号/集英社)と言えるのも、メンバーのことを本当に家族だと思っているからに他ならない。家族は一度家を飛び出したって、いつまでも家族なのだから。

俺は全部KAT-TUNのことしか考えてない。
(『炎の体育会TV』2016年9月3日/TBS系)

 今の上田は離れ離れになった“家族”とそれを支えてきたhyphen(ファン)のために猪突猛進、一生懸命頑張っている。「全てはKAT-TUNのためになるんだ。とか。みんなの為と思うと頑張ろうと思うよ。それ以外はない」(「龍組」Vol.2 2016年8月6日/Johnny's web)という言葉のとおりだ。“家族”思いで、泥臭く、熱く、心あたたかな彼の生き方がファンの支持を集めているのだろう。(大山くまお)