今どきの新弟子は目標も現実的?

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 月刊誌『相撲』(ベースボール・マガジン社)4月号には、「全新弟子名鑑」が掲載されるのが恒例となっている。この名鑑は全新弟子の身長・体重や出身校、経歴や主な戦績といった基本的データが網羅されている。加えて食べ物の好き嫌い、よく見るテレビ番組や目標とする地位・力士、入門動機など、細かなアンケートへの回答も掲載されるので、コアなファンはチェックを欠かさないものだ。

「アンケートは新弟子検査の会場で行なわれますが、新弟子の家族や親戚、友人知人の購入が期待できるので取材は丁寧です。初めてインタビューされる者も多いため、率直すぎるほど正直な答えが出てきて面白いですよ」(協会関係者)

「目標とする地位」の項目一つ取っても、7年前、逸ノ城(前頭7)と一緒に鳥取城北高校へ留学してきたモンゴル出身で学生横綱・アマ横綱だったバーサンスレン・トゥルボルドのように「横綱」と宣言する新弟子はそれほど多くない。角界の頂点たる横綱を目指すと回答したのは56人中19人と、全体の3分の1程度にとどまる。

 金沢学院大出身で世界選手権軽量級2連覇を含め学生タイトル10個を持つ中村友哉(炎鵬)は、宮城野部屋に入門。山口(十両6)、石浦(前頭11)に続く、横綱・白鵬の3人目の内弟子となった。実績からすれば期待の新星だが、掲げている目標の地位は「三役」、目標とする力士は白鵬ではなく「石浦」といささか控えめな印象の答え。嫌いな食べ物は「グミ(食感が苦手)」だといい、繊細なタイプか。

 東洋大から高砂部屋入りして三段目格付け出しデビューとなった村田亮(村田)も目標は「三役」。同じ東洋大の大波渥(若隆景)は荒汐部屋で「できるところまで」が目標だという。

 実はこの「できるところまで」が目標と答えた新弟子が14人もいるのだ。現実的というか、覇気に欠けるというべきか……。

 一方、二所ノ関部屋に入門した井上直輝(若井上)の目標は「十両」だ。どうせならもうちょっとだけ頑張って幕内を目指してほしい気もする。ちなみに井上は好きな食べ物を「二所ノ関部屋のちゃんこ」と答えていて、先輩への気配りはできそうなタイプだ。

 なぜかピンポイントで目標を「十両」と定めるのは尾車部屋に入った藤川維吹(藤川)も同じ。この藤川は好きな学科を「なし」、嫌いな学科は「全部」と堂々と答え、勉強はからきしであることがうかがえる。

 佐渡ケ嶽部屋の今川恭輔(琴今川)と長濱大河(琴長濱)という2人の中卒力士は目標を「大関」に据える。たしかに高い目標だけど、そこまでいったら横綱を目指せよ!

※週刊ポスト2017年4月28日号