by [Nadine Kuhn] Nadine Kuhn

ある人が運動を行うかどうかは、その人の友人の運動状況に影響されるという「友人効果」が最新の研究で報告されています。

Exercise contagion in a global social network : Nature Communications

https://www.nature.com/articles/ncomms14753

Exercise can be contagious, new social network analysis finds - LA Times

http://www.latimes.com/science/sciencenow/la-sci-sn-exercise-contagious-friends-20170418-story.html

Running Is 'Socially Contagious'

http://www.livescience.com/58732-running-socially-contagious.html



物理学者のChristos Nicolaides氏らが行った今回の研究では、5年以上にわたってフィットネストラッカーを使用して運動を継続し、SNSなどを使ってアクティビティの情報を友人と共有している110万人のランナーの情報を分析。これらのランナーはSNSに自分の活動状況を自動的に投稿する仕組みを採用しており、SNS上のつながりは340万に上ったとのことです。

データを分析していったところ、研究者は「ある人が10分多めに走った日には、その友人はその日、3分多めに走る」ということ、そして「ある人が1キロメートル長く走るごとに、その友人は0.3キロメートル長く走る」ということを発見しました。研究者らは「運動は社会的に伝染する」ということをNature Communicationsで発表された論文につづっており、運動を促すにはSNSでのエンゲージメントを考慮に入れたキャンペーンをデザインする必要があるとしています。

過去の研究でも、「社会的に感染する」行動は確認されており、例えば肥満の友人がいる人は肥満のリスクが高まるという研究内容が発表されていました。しかし、人間の行動に影響を与える要素は複数存在するため、ある人の特定の行動が別の誰かに直接的に影響を与えているということは、証明が困難でした。2人の人間が同時に肥満になったからと言って、原因がSNSでつながっていたことにあるのか、それとも単に行動が似通っていたためかは判別しづらいためです。

そこで、今回の研究では、この問題に対して「天気の変化」を利用。例えば、ボストンで雨が降ってある人が運動を取りやめた時に、雨の降っていないシカゴの友人が運動を取りやめれば、ボストンに住んでいる人がシカゴの友人に影響を与えたと言えるわけです。この方法によって、「ある人の運動状況が友人の運動状況に影響を与える」という特定の要素についての影響力を調べることに成功したとのこと。

研究者らによると、「あまり走らない人がよく走る人に与える影響」は比較的大きく、これは、よく走る人はあまり走らない人と自身を比べて優勢を保ちたがる傾向にあるためだと見られています。

そのほか、研究では、「男性ランナーは他の男性ランナーから強く影響を受けるが、女性ランナーからも適度な影響を受ける」ということや、「女性ランナーは同じ女性のランナーからしか影響を受けない」ということが明らかにされています。



by Hunter Johnson

ただし、今回の研究はフィットネストラッカーを使用している人のみを対象としたため、結果がフィットネストラッカーを使用しない人々に必ずしも当てはまるとは言えません。また、SNSで共有されたデータを本当に友人が見ていたのか、などの確認も取れていないため、「SNSで友人の活動状況を頻繁にチェックする人は、その分友人の活動状況に影響されやすい」などの隠れた要素が存在する可能性もあるとのことです。