腹痛、おなかの張り、肩こり、吹き出物、イライラするなど、このごろ運動不足なうえに便秘が続き、さまざまな不快な症状が現れます。パーソナルトレーナーのおぜきとしあきさんに聞くと、「原因のひとつが運動不足であれば、腸活になるエクササイズを実践してみてください」と話します。そこで、具体的な方法を教えてもらいました。

同じ姿勢、運動不足は便秘になりやすい

「座りっぱなしや立ちっぱなしなど同じ姿勢を続けることが多く、運動の習慣がない、また、このごろ忙しくて運動不足だという人は、便を先へ送り出す腸のぜん動運動が弱まりやすくなります。すると便がたまって、便秘になりやすくなります。

腸の運動を活発にするためには、次の3つを意識してみてください」とおぜきトレーナー。

(1)体全体の血液の循環を促す
血流が滞るとぜん動運動が低下するため、腸内に便が停滞します。運動、特に、積極的に腹筋を使う運動をして血液の循環を促しましょう。

(2)腹筋を強化する
腸の活動の低下の原因の一つに、腸が適切な位置からズレている場合があります。腸が本来の位置になければ、正常に働く状態を保てず、また、このズレは、腹筋が弱っていることが一因と考えられています。

(3)骨盤の状態を整える
腸を含めて内臓を支えているのは骨盤で、骨盤の底には骨盤底筋(ていきん)という筋肉があります。普段は、便を出そうと息むと、無意識にこの骨盤底筋が緩んで排出されます。しかしながら、運動不足が続くと骨盤の動きが悪くなりやすく、息んでも骨盤底筋が緩まずに便が排出できないことがあります。

休憩中に、テレビを観ながら、寝る前に簡単エクササイズ

腸活のためのトレーニングのポイントが分かったところで、「日常生活のワンシーンを想定し、すきま時間に手軽に実践できるエクササイズ」を3つ、おぜきトレーナーに教えてもらいましょう。

1.仕事の休憩中に……ワンレッグスイングアームス(片足腕ふり)

(1)一方の足を一歩前に出すように浮かせ、片方の足でバランスが取れる状態を作ります。

(2)(1)の状態で、腕を左右交互に10回振ります。

(3)足を変えて、もう一方も同様に行います。これを1セットとし、3セットを目安に行いましょう。

2.帰宅後、テレビを見ながら……チェアーステッピング(座り足踏み)

(1)椅子に浅く腰かけて両足を床につけ、背筋はまっすぐ伸ばし、両腕を胸の前で組みます。

(2)(1)の状態で行進するように、左右の脚を交互に上げ下げを10回ずつ行います。

(3)(2)を1セットとし、3セットを目安に行いましょう。

3.寝る前にベッドの上で……バイスクール(足こぎ)

(1)ベッドや布団などの上に、仰向けで寝ころびます。腕は両横に置いて、体が動かないようにしましょう。

(2)(1)の状態で左右の脚を持ち上げ、空中で自転車をこぐように膝(ひざ)の曲げ伸ばしを左右交互に10回ずつ行います。

(3)(2)を1セットとし、3セットを目安に行いましょう。

最後におぜきトレーナーは、「毎日継続すると、排便リズムが整うだけでなく、血液循環が良くなる、歩くときや階段の移動などが楽、おなかがすっきりする、などのように感じられるでしょう」とアドバイスを付け加えます。

思い出したときにさっとできる方法で、2週間ほど毎日続けると、おなかまわりが鍛えられている実感が湧きます。日々の合間の時間を利用した腸活エクササイズ、実践してみてはいかがでしょうか。

(取材・文 岩田なつき/ユンブル)