「EDになりにくいタイプの男性がいるんです。それは言わば、“保護者タイプ”と言えます」
 こう語るのは、性感研究の第一人者で医学博士の志賀貢氏だ。

 保護者タイプ…その名の通り、女性と交際した際、父親(保護者)のように大きな愛で包み込んであげられるタイプの男性だという。
 「女性のやることなすことを温かい目で見守り、否定などしない。それでいて『無理するなよ』などと何かと心配をかけてあげられるタイプです」

 当然、このタイプは女性にモテる。高齢になっても若い女性と付き合える男性は大抵が保護者タイプだ。
 では、なぜ保護者タイプはEDになりにくいのか。
 「基本的に心に余裕があるんです。女性が愚痴やワガママをこぼしても、軽く聞き流して間違っても叱らない。それはベッドでも同じ。自分が楽しむことより、女性を悦ばせることを重要視するんですね」

 女性を喜ばせる――こう聞くと、すごいテクニックでイカせまくることと勘違いされそうだが、実は違う。
 「もっと精神的な面ですね。女性は寂しがり屋が多いので、ベッドではとにかく抱きしめて、しばらく包み込んであげたり、優しい言葉をかけてあげたりといったことです」
 女性は、優しい父に抱きしめられる赤子のような気持ちに戻れるという。

 そして、こういう態度をとれる男性はセックスも強い。
 「自分自身に余裕があるので、変に格好つけようとしない。イカせなきゃと気負うこともないので、ベッドでは女性同様、リラックスできているんです。だからペニスも勃起しやすい」

 勃起が起こるのは、副交感神経が優位な時。つまり、男性もリラックスした状態でなければ、勃つものも勃たないのだ。
 「包容力のない男性は、いわば余裕がないんです。自分のことで手一杯だから、ベッドでもつい焦ったり、自分の欲望を優先しがちなので、闘争本能が強くなるんです。すると、気持ちばかり高まって、体がついてこないのです」
 しかも、そうした態度は女性から「自分勝手」すなわち「セックスが下手」とみなされて、次はない。極論を言えば、EDになりにくい男性とは、“ペニスが勃起しなくても構わない”と開き直っているタイプとも言えるのだ。

 それだけではない。
 「女性は安心できる相手とのセックスのほうが濡れるんです。さらに濡れることで雌の匂いを強く放つため、男性は雄の本能を刺激されるんです。自然とエロい気分が高まり、興奮して勃起の手助けにもなるんです」

 ED解消を考える際、我々男性はどうしても、「どうすれば勃起するのか」「何をすればセックスが強くなるのか」ということに集中しがちだ。しかし、相手の女性がソノ気になっていなければ、勃起したとしても元も子もない。
 「まずは女性が求めていることを読み取り、性的な興奮を高めてあげる。女性が気持ちよくなって、アナタに甘えてくれれば男性は自然と雄の本能が目覚めて、ペニスも硬くなるのです」

 保護者のような顔をしつつ、股間はビンビン。これこそが真のデキる男なのだ。

志賀貢
医学博士。内科医として診療する傍ら、260作以上の小説やエッセイを執筆。また、性感研究の第一人者で『かなりHな夜の教科書』(河出書房新社)など、医学的見地に基づいたセックス&口説き術にまつわる著書も多数ある。