<3年前にイラクの40%を支配していたISISが、今はわずか7%未満。撤退先のシリアに残る2拠点も、落ちるのは時間の問題だ>

テロ組織ISIS(自称イスラム国)の「最後の日」が、かつてなく近づいたかもしれない。カリフ制国家の樹立を宣言してから3年近くが経ち、ISISはいまや、イラクから完全に排除される瀬戸際だ。まだ支配権を保っているシリアの2つの主要拠点でも、アメリカとロシアの支援を受けた軍隊を相手に、厳しい決戦を迎えようとしている。

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戦乱のイラクでISISが拠点としてきた都市モスルでは、ISISの敗北が間近に迫っている。ISIS打倒のために手を結んだイラク軍、クルド人部隊、イランの支援するイスラム教シーア派民兵組織、そしてアメリカ主導の有志連合は、モスル西部のはずれまでISISを追いつめている。そこに残っているISIS戦闘員は、おそらくは隣国シリアへの退却を余儀なくされるだろう。

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アルカイダのイラク支部組織として生まれたISISは、2014年にはイラクの40%を支配していた。だが、2014年に主要都市を手中に収めたあと、イラク全土で敗北が続いた。2017年3月末には、ISISの支配地域はイラクの7%未満にまで縮小したと、統合作戦軍の司令部報道官を務めるヤーヤ・ラスール准将は述べている。

奪還寸前、バグダディのモスル

つまり、イラクにおけるISISの支配地域は、モスルの一部に絞られているということだ。モスルは、ISISの支配下では群を抜いて人口の多い都市だ。2014年には、指導者のアブ・バクル・アル・バグダディが、モスルからすべてのイスラム教徒に向けて、世界規模の聖戦ネットワークに参加するよう呼びかけた。

知られている限りでは、バグダディが公に姿を見せたのは、それが唯一の例だ。だが、イラク軍とその同盟軍は、ここ数カ月の戦闘により、モスル東部からISIS戦闘員を駆逐した。さらに今週には、バグダディがカリフ制国家の樹立を宣言したヌーリ・モスクの奪還も目前に迫った。このモスクの奪還はISISにとって、象徴的にも戦略的にもさらなる大きな打撃となるはずだ。

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ISISは、イラクからの撤退計画を立てている。アメリカ当局の推定によれば、モスルにはおよそ2000人のISIS戦闘員が残っているものの、バグダディを含めた多数の構成員が隣国シリアへ逃亡したとの報告が多数寄せられている。シリアでは、まだ残っている9000〜1万2000人のISIS戦闘員が集結していると見られる。

国境を越えたシリアでは、ISISの展望はイラクよりは明るい。ISISは現在でも、シリア中部と東部の広い地域を支配している。政府軍側の防御拠点がある都市デリゾールも、ISISが包囲している。

トム・オコーナー