現代女性を襲う「SNS疲れ」って何? 専門家が教える対処法5つ

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友達や恋人との情報共有に欠かせないSNS。便利な反面、周囲の投稿へ嫉妬や苛立ちを覚えるなど、マイナスな感情を生み出すこともありますよね。そこで今回は、働く女性を対象に「SNS疲れ」の実態についてアンケート。また、SNS疲れの原因と対策について、心理コーディネーターの織田隼人さんに解説してもらいました。

■SNS疲れとは? 女性の実態を調査

情報共有やトレンドのキャッチに欠かせないSNS。現代では日々の生活において手放せないツールとなっていますが、SNSで溢れる毎日に疲れを感じたことはありませんか? まずは、20〜30代の女性358人を対象に「SNS疲れ」の実態を調査してみました。

◇女性に聞いた! SNS疲れを感じることはある?

では、実際にSNS疲れを感じている女性の割合を見てみましょう。

Q.SNS疲れを感じることはありますか?

はい(45.0%)
いいえ(55.0%)
(※)有効回答数358件

なんと、半数弱の女性がSNS疲れを実感しているようです。女性はなぜSNSに疲れてしまうのでしょうか?

◇SNS疲れの原因とは?

女性は、気晴らしにもなるはずのSNSでなぜ疲れきってしまうのか。「SNS疲れを感じる」と回答した161人の女性に、SNS疲れを感じる原因について聞いてみました。

☆1.SNS上での人間関係に悩む

・「炎上していたり、見ず知らずの人に難癖をつけられたり、自慢話に付き合うのがめんどくさい」(女性/31歳/医療・福祉/専門職)

・「SNSでしか知らない人とどこまで話を続けたらいいかわからなくなる」(女性/28歳/運輸・倉庫/クリエイティブ職)

☆2.友達と自分を比較してしまう

・「友達の幸せそうな写真とかを見ると自分と比べてしまう」(女性/34歳/医療・福祉/専門職)

・「友人のリア充投稿を見たとき。結婚出産報告など」(女性/26歳/医療・福祉/専門職)

☆3.「いいね」が気になる

・「まわってきた画像や文章に『いいね』やリプライをしないと裏で悪口を言われそうで、仕方なくやっているとき」(女性/26歳/その他/販売職・サービス系)

・「アップするのが疲れる。『いいね』の数を気にするのが疲れる」(女性/33歳/自動車関連/事務系専門職)

☆4.情報が多すぎる

・「いろいろな情報が飛び交っており、いちいち目を通し自分の意見を発するのがめんどくさくなる」(女性/27歳/建設・土木/事務系専門職)

・「あまりにもたくさんの情報や人がいて、みんなが怒っていたり、マウンティングしたりしてくるので苦しい」(女性/25歳/学校・教育関連/専門職)

☆5.見たくない内容も目に入る

・「SNSにアップされる内容が、自分にとってはどうでもいいことばかりでウンザリする」(女性/31歳/情報・IT/その他)

・「見たくないときにもネガティブな話題が目に入ってきてしまう」(女性/25歳/医療・福祉/専門職)

◎SNS疲れの原因まとめ

SNSでは虚実が混同した情報が飛び交います。そこで憤っている人や傷ついたりしている人を見ると、それだけで疲れてしまうこともありますよね。また、友達の投稿に対して、いちいち反応しなければならない雰囲気もつらいもの。さらに、周囲の幸せそうな報告につい嫉妬したり、イライラしたり……。SNSを使っていると、さまざまな感情に振り回されて、心が疲れてしまうのでしょう。

■SNS疲れを感じやすい人の特徴って?

そうは言っても、「SNS疲れを感じていない人」が約半数いることがわかった今回のアンケート。この両者の違いは一体どこにあるのでしょうか? ここでは、SNS疲れを感じやすい人の共通点を探っていきましょう。

◇SNS疲れを感じる人の矛盾とは?

SNSに疲れたなら、やめてしまえばストレスは軽減するはず。しかし、気がつくとSNSをチェックしてしまっている……なんて女性も多いのではないでしょうか? そんな矛盾した気持ちを調査するため、女性たちにこんな質問をしてみました。

Q.SNS疲れを感じても、ついSNSをいじってしまうことはありますか?

はい(81.4%)
いいえ(18.6%)
(※1)有効回答数197件(「SNS疲れを感じる」と回答した女性)

SNS疲れを感じている人のうち、約8割の女性がそれでもSNSをいじってしまうようです。SNSを利用することに疲れていても、チェックがやめられない……。そんな状況のせいで、余計にストレスや疲れを感じてしまうのかもしれませんね。

◇専門家に聞く! SNS疲れを感じやすい人の特徴

では、具体的にSNS疲れを感じやすい人の特徴とは? 心理コーディネーターの織田隼人さんに、SNS疲れを感じやすい人にはどんな共通点があるのか、教えてもらいました。

SNSでは身近な人の情報が公開されているほか、自分の情報も公開でき、それを周囲がコメントや「いいね!」をすることで「認めてくれる」という機能があります。したがって、「ほかの人の行動が気になる」と感じる人や「ほかの人に自分がどう見られているか」という点を重視している人がSNS疲れを感じやすい傾向にあります。

直接会ってのコミュニケーションでは可視化されなかった「どれだけの人数から発言が認められるか」「誰に認められているのか」というのがSNS上ではわかります。そして、発言を認められたことを気持ちよく感じた人は、次なる快感を求めてさらに自分の情報を発信するのです。そうして「認められるための情報」を発信したいという意識になると、「背伸びをしている自分に疲れる」という悪循環が生まれます。一方、ほかの人の情報が気になる人は、毎日他人の「幸せ」を見ていて、それを褒めていくうちに「自分はそんなに幸せじゃないのかも」といった気疲れを起こしやすいと言えるでしょう。

また、自分を幸せに見せようとしている人も、SNS疲れを起こしやすいです。いわゆる承認欲求の強い人、です。たとえば、SNSにUPする写真を撮るためにおしゃれスポットに行ったり、おいしい食べ物を探しまわったり、といったことを繰り返すタイプの人など。このような背伸びも、疲れが生じる原因となります。

さらに、SNSの情報中毒になっている人も疲れやすいです。知り合いの情報をひとつも漏らさずにチェックしなければ、と思い始めるとそれが疲れにつながります。人としっかり繋がっていたいと思い、つい情報を網羅したくなってしまう、というタイプの人は要注意。人の情報をつぶさにチェックしはじめると、他人の幸せと自分の幸せを比較してしまいますし、情報を取り逃すと問題があるかのように感じてSNSを常にチェックしてしまうのです。

■SNSに疲れた……。専門家が教える対処法って?

SNS疲れを感じやすい人の特徴はいかがでしたか? 現代では、このどれかひとつに当てはまっている女性も多いはずです。では、SNS疲れを感じたとき、一体どんな対処法が有効なの? こちらも織田隼人さんに解説してもらいました。

◇SNS疲れを感じたときの対処法5つ

☆1.時間を決めてSNSをチェックする

知り合いの情報をつぶさに確認したくなる人は、「確認する時間」と「確認しない時間」のメリハリをつけるとよいです。確認しない時間を作ることで、ほかのことをやる時間を確保でき、その時間を長くすればするほど依存が薄れていきます。

☆2.直感で行動する

「いいねをする」「コメントを書く、書かない」に対して深く考えてしまうと、どんどん疲れていきます。直感でコメントを書いたり、面倒だったら書かなかったり。また、いいねも直感で押す、押さないを決めていくと、“判断する”ことによって生じる疲れが減っていきます。

☆3.匿名のSNSを使う

SNSからどうしても離れられない人は、あえて匿名のSNSをはじめるのもいいでしょう。Twitterでもいいですし、どこかの掲示板でのやりとりでも大丈夫です。匿名ではある程度自由に表現ができるので、「気を遣う」機会も減って少しは気が紛れるはずです。ただし、この「匿名のSNS」に対して依存しないよう、心がけてくださいね。

☆4.悪いコメントは無視する

悪いコメントが入ったとき、がんばって対応しようと思うとより疲れます。対応しようとすると、頭の中で悪いコメントを何度も読み上げてしまうからです。これでは悪いコメントが頭の中に居座ってしまいます。「無視する」ことで気にしないようにするのが大切ですよ。

☆5.嫌いな人、自分と比べてしまいそうな人はチェック対象外にする

嫌いな人や自分と比べてしまいそうな人の情報は見ないようにするとよいです。最近はミュート機能などもありますので、最初から情報を見ないように設定して、距離を保ちましょう。

■まとめ

SNSが普及した昨今。遠く離れた友人や知り合いと手軽に情報共有ができるという大きなメリットはありますが、その反面、さまざまなデメリットも……。SNS上での発言で誤解を生んでしまったり、「いいね!」がほしくてついつい焦ったりしてしまうこともあるでしょう。SNS疲れを感じたときは、織田さんのアドバイスを参考に、適切な対処ができるといいですね。

(監修:織田隼人、文:ファナティック)

※画像はイメージです

(※)マイナビウーマン調べ
調査日時2017年4月5日〜2017年4月6日
調査人数:358人(22歳〜34歳の女性)