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シャープは18日、スマートフォン「AQUOS」の新製品発表会を開催した。2017年夏モデルから、同社のフラッグシップモデルは「AQUOS R」の名称に統一されるという。会場には実機の展示もあり、搭載されるいくつかの機能について説明があった。「どのキャリアから出るのか」「SIMフリーモデルは販売するのか」といった情報は、現時点では明らかにされていない。

○"R"に込めた4つの意味

シャープ IoT通信事業本部の小林繁氏は、"R"に込めた4つの意味に触れつつ、製品を説明していった。AQUOS Rシリーズが何機種で展開するのか、現時点で不明だが、会場には5.3インチのIGZO液晶を採用したモデルが展示されていた。

ディスプレイ解像度はWQHD(2,560×1,440ドット)で、前機種(2016年夏モデル)と比較すると約1.8倍も高精細になっている。これに合わせて、液晶の表示速度も前機種比で1.5倍に向上。1秒間に120回の描画を行うことで、よりなめらかな画面表示を可能にした。また、液晶テレビのAQUOSで培った技術により、DCI 90%の高色域を実現し、HDRにも対応。IGZO液晶は「Reality(臨場感のある映像美)」「Response(なめらかで俊敏なレスポンス)」という2つの"R"を実現している。

メインカメラには約2,260万画素のCMOSカメラを搭載。超広角の焦点距離22mm、F値1.9というレンズによって、奥行と臨場感のある写真を撮影できる。また、光学式手ブレ補正と電子式手ブレ補正の「W手ブレ補正」を持つ。小林氏は「歩きながら撮影しても、ブレていない動画が撮れる」とアピールした。

CPUやRAMなどのスペックも向上したことに加え、パフォーマンスを持続させる温度管理にもこだわっている。小林氏は「過去機種と同じ動作をさせた場合に、約4度も低い温度を維持できる」と話した。このほか、製品はIPX5/IPX8等級の防水、IP6X等級の防塵に対応。水滴ではタッチパネルが反応しない仕様を実現し、タッチパネルのチューニングによって濡れても快適に操作できるという。

さらに、最新のAndroid体験を楽しめるよう、発売から2年間は最新OSへのバージョンアップが約束された。3つめの"R"は「Reliability(長く使える信頼性)」だ。

4つめの"R"、それは「Robotics(人工知能がかしこくサポート)」とのこと。小林氏は、シャープが独自に開発を進めている人工知能「エモパー」へと話題を移した。

2014年、端末に実装され始めたエモパーは、現在60万人が利用している(2017年4月現在)。機能面では、ユーザーの行動や習慣を学習し、未来の予定や時期にあわせてToDoを提案するところまで進化している。

そこで今回、エモパーの機能性を拡張すべく、ロボットのように動くAQUOS Rの充電台(クレードル)「ROBOQUL」(ロボクル)が開発された。

ROBOQULにAQUOS Rをセットしておくと、AQUOS Rのインカメラでユーザーの位置を把握。すると、ROBOQULが回転してAQUOS Rの画面をユーザーに向けて、連絡事項を知らせてくれる。ROBOQULが製品に同梱されるのか、オプション品として販売されるのかは、現時点では未定とのことだ。

小林氏は、最後に「AQUOSブランドは今後、ディスプレイ イノベーション、カメラ イノベーション、デザイン&AIといった3つの観点で進化させていく。さらなるラインナップの拡大にご期待いただければ」と結んだ。

このほか、登壇したシャープ 取締役 長谷川祥典氏は、今後のシャープが向かう方向性を述べた。再出発の旗印に「トランスフォーメーション」を掲げる同社。過去30年、家電メーカーとして国内で事業展開してきたが、今後は「人に寄り添うIoT企業」として、グローバルに展開していく。

長谷川氏は「かつては液晶テレビが成長の原動力だったが、今後はモノの人工知能化『AIoT』をキーワードに展開する。その中心的な存在としてスマートフォンがある」と話す。AQUOS Rの販売目標は100万台という強気の設定で、「AQUOSが、これまで以上に重要な存在になる」(長谷川氏)と意気込んだ。

○販路は? 突っ込んだ質問が相次ぐ

長谷川氏と小林氏は、質疑応答と囲み取材にも対応した。販売目標の100万台について規模感を聞かれると、小林氏は「一昨年の販売台数より40%増える計算になる。チャレンジングな目標となっている」とした。いまブランドの名称を統一する意義については「市場が成熟しており、多くのお客様はブランドの名称でスマートフォンを選んでいる。そうしたマーケティングを考慮した。ケースなど、オプション品を探す上でもメリットになる」と説明した。

AQUOSシリーズの現在のシェアについて聞かれると、長谷川氏は「昨年の10月から3月までで、我々の予測では13%ほど。今後はもっと高いシェアを獲得していきたい」と回答した。キャリア向けなのか、SIMフリーモデルや海外展開はあるのか、といった質問に長谷川氏は、「事業者さんに先駆けて発表した。今日の時点で具体的な回答は避けたい」と述べるにとどまった。

さらに、調査会社の発表によればシェアが下がっているが……と指摘されると、小林氏は「他社製品に比べてブランド力が劣っていた。しかし利用者の満足度は低くなかった。AQUOS Rでは液晶の性能、カメラの画質など、ユーザー満足度の高かった機能がさらに研ぎ澄まされている。競争力のあるフラッグシップで、シェアの回復を期待している」と回答した。

通信事業者が夏モデルを発表する前に行われた、今回の発表会。具体的な製品展開について明かされなかったため、囲み取材では突っ込んだ質問が相次いだ。

SIMフリーモデルについてもAQUOS Rブランドで展開するのか、という直球には「販売される企業様が、そのタイミングで発表される」と小林氏。販売目標は100万台と強気だが、販路を拡張するつもりか、という質問には「現時点ではコメントできない。意欲的に取り組んでいきたい」とした。海外展開については「現時点では検討中」とのことだ。

仮にキャリアモデルとして発表された場合、アプリの動作確認に時間がかかるため、OSのバージョンアップが大幅に遅れる可能性がある。それについて指摘されると「仮にキャリア様から販売されるなら、相談していくということですね」と、詳細が語られないのは仕方ないところだろう。

AQUOS Rシリーズではサイズの異なるモデルも展開するのか、との質問には「まだ先の話は申し上げられない」。また、充電クレードルROBOQULは製品に同梱されるのか、別売オプションなのかについても、明確な答えはなかった。多くの人が興味を持つに違いないAQUOS R、通信事業者からの発表を楽しみに待ちたい。

(近藤謙太郎)