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●関西のディープな笑いを届ける
NTTぷららと吉本興業は4月25日から、「ひかりTV」において映像配信サービス「大阪チャンネル」の提供を開始する。4月18日に開催した、NTTぷららのメディア向け事業説明会では、大阪チャンネルをはじめとする新事業について説明があった。

この日、NTTぷららの板東浩二代表取締役社長が語った、2017年度上半期の事業戦略をまとめると、「(ニフティやBIGLOBEなど)ISPの買収が続く厳しい市場環境の中、業界をリードしていくことで生き残れるように全力を尽くす。それには、『ニーズはあるのか』『どうせ失敗する』と言われることでも、早い段階から成長を見越して投資し、サービスの提供に取り組んでいく」となるだろう。

特に注力していくのは、4Kとスマートフォン対応だ。

NTTぷららは2014年10月に日本初の4K-VODサービスを開始。当初のコンテンツ数は124だったが。2015年3月末にはHDRに対応、4K-IP放送も開始するなど常にリードし続け、2017年3月末時点では、日本で最大規模となる1,589本の作品を提供するに至った。2017年度以降も、引き続き4Kコンテンツを拡充していく考えだ。

また、昨年11月にはHDR対応4K-IP放送による生中継を実施。さらに同社が出資した宮沢りえ主演の「湯を沸かすほどの熱い愛」や、黒木華主演の「リップヴァンウィンクルの花嫁」、橋本愛と宮崎あおいが共演する「バースデーカード」など、3作品が第40回日本アカデミー賞を受賞しており、4Kコンテンツの市場拡大に貢献した。

一方、スマートフォン対応の目玉となるのが、今回発表の「大阪チャンネル」。関西発のディープなお笑いコンテンツを配信するチャンネルだ。過去に放送された番組の再放送やライブ配信など見放題となるサービスで、開始時に約1,000本のコンテンツを用意する予定。

板東社長は、大阪チャンネルには大きく4つの特長があると言う。

1つは、これまでネットで配信されてこなかったコンテンツを扱うこと。2つめは、地上波で見逃した番組が見られること。3つめとして、なんばグランド花月やNMB48など人気の劇場公演の映像を提供すること。最後の4つめが、大阪チャンネルだけで見られるオリジナル番組の提供を予定していることだ。同社では3年間で最低でも30万会員を獲得すると息巻く。

提供形態は2種類あり、1つは専用アプリを利用してスマホで視聴する「大阪チャンネル」モバイル向けアプリ。月額480円(税込)で、専用アプリをダウンロード/インストールして利用する。

もう1つはひかりTV契約者向けの「プレミアムビデオ」。月額432円(税込)で、視聴端末はテレビ、タブレット、スマホ、パソコンなどだ。なお、どちらも見られるコンテンツは同じで、視聴時間の上限などはない。

お笑いコンテンツの多くは4Kの高画質を必要としない。また、視聴者の中心となる若年層は映像視聴の中心がテレビよりもスマートフォンというケースも多く、高画質よりも手軽さを重視しようと判断したそうだ。

NTTぷららの板東社長は「高校時代、学校から帰宅すると、ちょうど吉本新喜劇が始まる時間で、私達の世代には共通の文化だった。あの空気感が今の子供達、大阪や関西だけでない全国の視聴者に届けられるのはとても嬉しい」と語った。

なお、スマートフォンの専用アプリで鑑賞する場合、画面上部でコンテンツを流しながら、画面下部に出演中のタレントの情報が表示され、そのタレントの出演する他の番組へのリンクも表示される。

●スマホで撮った動画をテレビにかんたん共有
ひかりTVクラウドCは、2017年6月から開始する映像コミュニケーションサービスで、スマートフォンで撮影した4KやHDの動画/写真をテレビの大画面で視聴できるもの。スマートフォンからクラウドにデータをアップし、それをひかりTV対応チューナーで取り出してテレビで見る流れ。

「クラウドCの『C』はコミュニケーションの『C』。同様のサービスは他にもあるが、ITに疎いユーザーでも分かりやすいよう、別途専用ケーブルなどを用意せずに、家庭の大画面テレビで見られるようにしたかった」と板東社長は話す。

また、2017年4月下旬からは、ゲームアプリ「ルナたん〜巨人ルナと地底探検〜」のアニメ化も行う。スマートフォンの縦画面で見られる縦長に制作されたアニメで、元々スマートフォン用に提供していた同名ゲームのキャラクターが人気になったことがきっかけで、プロダクション・アイジー社と共同で手がけることになった。

さらに、2017年5月からは、ISP「ぷらら」の新規会員向けサポートアプリ「マイぷらら」の提供もスタートする。会員証のQRコードを利用して、ルーターのインターネット接続設定が簡易に行えるもの。スマートフォンに専用アプリをインストールして、Wi-Fiルーターや同社会員証に印字されたQRコードを読み込むことで、ユーザーIDやパスワードなどの入力の手間を省く。

最後に同社のスポーツ支援についても触れた。下町ボブスレー、プロゴルファーの宮里美香選手、サッカーのFC今治に続き、新たにスノーボード・陸上の成田緑夢(なりたぐりむ)選手とスポンサー契約を締結。成田選手は、トランポリンの練習中に事故で腓骨神経左膝下麻痺となったことで競技を変更、現在パラリンピックでのメダルを期待されている注目のアスリートだ。

また、スマートスタジアムにおける取り組みもFC今治と共同で検討している。スタジアム内にWi-Fiを設置することで、MVP選手投票、応援メッセージや画像の共有、地域商業施設の情報配信、試合のプログラム、チーム情報などを観客に配信。チーム、サポーター、今治の地域が三位一体で繋がっていき、地域振興、スポーツ振興に貢献するのがねらいだ。

(諸山泰三)