By AXLiberty

ドローン配送や自動運転カーなど、機械やプログラムだけを使って自動車やドローンを動かすための研究開発が盛んに行われています。そんな中、海外メディアのBloombergが自動運転技術の開発で、人気ゲーム「グランド・セフト・オートV(GTA5)」が注目を浴びていることを紹介しています。

Don't Worry, Driverless Cars Are Learning From Grand Theft Auto - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-04-17/don-t-worry-driverless-cars-are-learning-from-grand-theft-auto



フォードやGoogleの自動運転カープロジェクトから独立したWaymoは、「今後3年以内に自動運転カーを市場に投入する」としていますが、まだまだ課題が山積みなのが現状です。しかし、自動運転カーにはレーザーセンサーやカメラなどさまざまな装置を搭載する必要があり、そもそも認可が下りなければ公道を走行することもできません。

そんな自動運転カー開発の現場で現在注目を浴びているのが人気ゲームのGTA5。研究者やエンジニアはGTA5を使って自動運転カーのシミュレーションを行っており、これが開発における貴重なプラットフォームのひとつになっています。シミュレーションならガソリンを使い果たしてしまう心配はなく、Waymoの開発している自動運転カーならば、シミュレーター内で1日300万マイル(約480万km)以上の走行が可能だそうです。



By Ferino Design

「公道上で集めたデータだけに頼るのは実用的ではありません。(シミュレーターなら)同じ条件で何度も何度も繰り返しテストを行ったあとに、もう一度公道で試験することが可能になります」と語るのは、カリフォルニア州サンノゼで2020年までに自動運転カーの導入を目指しているデイビッド・バケット氏。

また、GTA5のようなハイクオリティなゲーム上では、人工知能エージェントが道路上で収集できるデータにとても近いデータを生成することができるそうです。GTA5では262種類の自動車が登場し、1000種類以上の予測不可能な歩行者および動物も出現します。さらに、気象条件は14種類用意されており、信号・トンネル・橋・交差点など現実世界と遜色ない道路環境が用意されているため、さまざまなシチュエーションを再現可能です。ゲーム中の架空の都市であるロスサントスの高速道路が現実世界の高速道路の代用になるわけではありませんが、「データを抽出できる仮想環境としては最も豊かなものである」とプリンストン大学で自動運転カーの開発に取り組むアラン・コーンハウザー氏も語っています。



By Matt Baume

Waymoはシミュレーターを使って考え得るあらゆる状況をシミュレートしています。Waymoの自動運転カー開発プロジェクトの報告書によると、「シミュレーターで走らせてみて『よりよい自動運転』が求められるなら、エンジニアはソフトウェアの改良・修正を行い、そのテストをまたシミュレーターで行うことになる」とのこと。つまり、Waymoのような複数年にわたって自動運転カーの開発に取り組んできた組織でさえもシミュレーターはとても重要な役割を担っているというわけ。

カリフォルニア州にあるトヨタ・リサーチ・インスティテュートのギル・プラットCEOも、2017年2月にEnergy and Commerce Committeeの中で「(シミュレーションは追跡調査とともに)現実世界の実証テストと同等のものとして受け入れられなければいけない」とコメントし、シミュレーターの重要性を説いています。

なお、実際に自動運転カーをグランド・セフト・オートV上で動作させるプラットフォームとしては「GTA V + Universe」が存在します。

人工知能で動作する全自動運転カーをゲーム「GTA V」で体験可能な「GTA V + Universe」が登場 - GIGAZINE