■ボストンマラソンで快走

 17日に行われたボストンマラソンで、大迫傑が3位でゴールした。同大会の日本人表彰台は1987年に瀬古利彦が優勝して以来。5000メートル日本記録保持者の大迫は、フルマラソンという長距離は向いてないのではないかと言う声もあった。そんな声を一蹴するような力走を果たし、2時間10分28秒と言う記録を出した。

【今回が初のフルマラソン】異色の日本人長距離ランナー大迫傑、フルマラソン挑戦!

 タイム的にはパッとしない印象を受けるが、初のフルマラソンでの3位というのは期待できる。優勝したのはケニア人ランナーのジョフリー・キルイ。タイムは2時間9分37秒だった。つまり大迫は1位と1分以内で大健闘だと言えるだろう。今後大迫がどの距離を中心に練習を積むのかは定かではないが、フルマラソンでも通用することを証明した。

■大迫について

 大迫は早稲田大学1年時に箱根駅伝1区でデビューした際、衝撃的なインパクトを与えた。早大はこの時、1区で独走すると、一時は東洋大学に抜かれるものの最終的には総合優勝を果たした。その後大学生ながらアメリカに渡り武者修行を重ね、徹底的にスピードに磨きをかけた。そのトレーニングが功を奏して5000メートルでリオオリンピックに出場し、同距離の日本記録保持者となった。

 現在も日本の実業団ではなくアメリカのナイキ・オレゴンプロジェクトに在籍し、高いレベルでトレーニングを積んでいる。ニューイヤー駅伝を中心とした日本実業団にいるよりもフルマラソンを走るという意味ではいい環境だろう。日本の初マラソン記録には及ばなかったが、いい手応えはつかめたはずだ。

■箱根駅伝選手の活躍

 箱根駅伝で活躍した選手がフルマラソンで活躍する。そう言った構図がなかなか出来上がらなかったが、近年その図ができつつありそうだ。2月に行われた東京マラソンで日本人1位となった井上大仁や、設楽悠太、服部勇馬、そして大迫傑。まだまだ日本記録にすら遠く及ばないが、その背中は徐々に大きくなっている。特に設楽、大迫はスピードがあるランナーのため、あとはスタミナをつけていけば面白いものになるだろう。

 これから東京オリンピックまで日本記録樹立者が乱立していけば、なんとか海外勢と真正面から戦える。ハードワークを重ねて「ライバルに負けまい」と切磋琢磨していけば日本長距離界は明るいものとなっていくだろう。今はまだサブテン(2時間10分より速く走ること)が一つの壁となっている。この壁が2時間8分、さらには7分になってくることが急務と言っていいだろう。