ホストクラブに潜入した西谷格氏

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 かつて中国人女性の間では結婚するまで純潔を守るのは当然で、婚姻後も配偶者以外に恋愛感情を持つことはタブーとされてきた。だが、それも富裕層の登場とともに、過去のものになりつつあるという。その実態を探るべく、ジャーナリストの西谷格氏が富裕層女性たちの集う上海の高級ホストクラブにホストとして潜入した。なんと、同氏は高級ホストクラブの面接を通過してしまったのだ。

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 中国人女性の頭のなかには「イケメン=高身長」という図式がある。だから人気ホストは背が高いことが絶対条件で、同僚ホストたちの身長は180cm台はザラ。「もっと背が高いのはいないの? 高ければ高いほどいい」と要求する客もいたほどだ。

 日本ではホストの服装はスーツが一般的だが、中国はラフでスウェットやニット姿の者も多い。派手な柄や大きなブランドロゴが目立つ服など、エグザイルのようなちょっとワルそうな感じも好まれる。ジャニーズのような中性的な優男は皆無で、韓流スターのような男らしくてガタイの良い男がよく指名を受けていた。

 入店当初の新人研修ではマネージャーが「客とは性的関係を持つな。でも、うまく惹きつけて『この人は私に気があるのかも』と思わせるんだ」と明言した。水商売の理論は万国共通である。しかし、表向きは性的関係を持つことは禁じられていたものの、そこは男と女。個人ベースでは明らかにデキていると思われるホストもいた。

 常連の大銀行幹部の娘・ルルの友人である40代半ばの既婚女性が、自分の子供といってもおかしくないほど若い童顔のホストの手を握り、「彼はウチの旦那なの」と紹介してきたことがあった。

 2013年に香港系メディア「鳳凰時尚」が約2万2000人の既婚女性を対象に、夫を含むセックスパートナーの人数についてアンケート調査を行ったところ、4割が複数のパートナーがいると回答した。また、食事やデートを含む「不倫」は、84%が経験ありと回答した。有閑マダムは年下ホストとよろしくやっているのだろう。

 中国のホストクラブは一部の富裕層向けの店が大半で、高額のためまだまだ敷居が高い。格差の“上”にいる女性たちは、今夜も札束を武器に男を漁っているのである。

※SAPIO2017年5月号