はーい女装です。今回は、編集ガールからこんなミッションが届いたわ。

「今の時代、マッチングアプリや街コンなども発達して出会いの機会は増えたものの、なぜかその先の恋愛に発展しないことが多いんです。年を重ねれば重ねるほど、恋に落ちる方法がわからなくなるばかり…。出会いツール飽和期の今、恋に落ちる方法を教えてください」

ほう…。♪ダ〜リンアイウォーンチュ〜会いたくてぇ〜(いきなり歌い出す女装)。コスモポリタンガールズ世代には伝わりにくいけど、これ『恋におちて -Fall in love-』ってそのまんまなタイトルの名曲。今から34年前(!)に大ヒットしたドラマ『金曜日の妻たちへIII・恋におちて』の主題歌なんだけど、この歌で女性が落ちる恋って「不倫」なの。不倫袋叩きブームの今なら「相手の奥さんに謝れ!」なんてお節介なAmazonコメントが付きそうな歌なのよね。でも、だからこそ「恋に落ちる」切なさに説得力があった面もある。禁じられたもの、手に入らないものだからこそ、恋心ってのは燃え上がるものなのよ。

ほら、あんたたちだってジャガイモが不作でポテチ系が入手困難って聞いたら、なんか急にピザポテトが食べたくなったりしただろう! 逆に言えば、簡単に手に入るものは、それだけでありがたみが薄れちゃうのよね。出会いの機会がお手軽にインスタントになるってことは、そういうこと。

実はこれ、ゲイ業界ではずっと前からある問題なの。(とくに一昔前の)ゲイにありがちなのは、思春期の「誰にもゲイだなんて言えない」時に同級生のストレート男子に恋をして、まさしく「言えない、手に入らない」という障害のスパイスがその感情をこの上なく燃え上がらせた記憶。そして、大人になって都会のゲイシーンに参加すると今度は、性に積極的な傾向の男性同士だけに、とりあえずデートしたりヤッたりするだけなら、ほいほいできちゃう世界が待ってたわけよ。

飢えてた分だけ、その出会いの豊富さに喜んで最初はがっつくんだけど、そのうちハッとする人も多いの。とりあえずの経験は増えたけど、全然長続きしてねーじゃん! ちゃんと落ち着いた恋をしたいのに、どうしてすぐ終わっちゃうのって!

今、若い女子に起きてるのは、まさしくこんなオカマ化じゃない? しゃあないわよ、ゲイの出会いアプリもそうだけど、恋愛候補者たちが詐欺すれすれの写真に一番いい面を書いたプロフィールを付けて、大量に陳列されてるんだもの。ファストファッションならぬファスト恋愛。安いからいろいろ買って、シーズンごとに使い捨てしたくなるわよね〜。

考えてみて。一昔前なら、村のいい年頃の数人の異性しか候補にならなかったし、二丁目のくっつけバーのママ並の強引さで「あんたには隣村の田吾作がお似合いよ! はいデキた〜」くらいに周囲が結婚まで持ち込んで、そのまま一生添い遂げるしかなかった。今じゃ考えられない選択肢の無さだし、そりゃ多くの不幸も生まれて隠れて泣いた女性たちもたくさんいたはずよ。でも、長い時間を一緒に過ごしたことで、子どもたちと共に落ち着いた幸せと愛を感じられた人も同じくらいいたと思うのよね。

その時代に戻ることは怖いことだし、選択肢が増えた人生の自由度は、女性の先人たちが闘って手に入れたありがたいものでもある。でもね、アタシよく言うんだけど、自由って荒野なのよ。舗装されてない、好きに切り拓いてねって道でもあるの。そこんとこを分からずに、お互いがファスト恋愛商品として消費し合ってると、長い時間をかけてようやく分かる人間の旨味まで到達しないで、次の新商品に目がいっちゃうんじゃない?

別にずーっと短い恋愛を繰り返し楽しむだけのスタイルでもいいのよ。それも選択肢。でも、ファスト恋愛が欲しいんじゃないって人が、そういう店にばかり行って大量の商品を見て「選ぶ側」意識でいると、どんどんその感覚に慣れちゃうわ。そして実は恋愛はお互い様だから、男性目線のその店では、いつの間にかあなたはSALEの札を貼られた、さらなる格安商品になっちゃうかもしれないわね。お手軽で安いものって、大切にされないしみんな似たようなものだし、よく見ると素材が悪いんだから。その意味と使い方をちゃんと分かって利用しないとね。

じゃあ高級店ってどこなのよ! って話なんだけど、そこはもう自分自身の心構え、生き様の問題かも。表面的な属性に惑わされないで、ちゃんと人となりをしっかり見る洞察力や、出会いやお付き合いを丁寧に味わう気持ち。そういう信号を出すようにシフトすれば、同じように腰を据えたものを求めているお相手のほうにフィルターが変わっていくんじゃない。とはいえ、出会いや相性は運の要素も大きいから、簡単にはいかないし、だからこそ長く続ける意味がある恋愛になるんだと思うけどね。

相手を自由に選べる恋愛荒野で、勘を研ぎ澄ますの! サバイバルの知恵を駆使するの!そしてしっかり生き抜いた女こそが、枯れることのないオアシスに辿り着けるんじゃない? HAVE A NICE FLIGHT!