変わった人と思われ、人から敬遠されがちなパーソナリティ障害。性格が悪いのでも、わがままでもなく精神疾患です。なかなかまわりの人からの理解も得られにくいパーソナリティ障害について、まとめました。

本人もまわりも苦しいパーソナリティ障害とは

極端な発言や行動が多く、対人関係がうまく構築できない……。それは性格のせいではなく、パーソナリティ障害(人格障害)という精神疾患です。この病気は、本人はもちろん、まわりの人も接し方がわからず不快な思いをするのも特徴。パーソナリティ障害と理解されず、社会で今もなお苦しんでいる人が多くいます。

パーソナリティ障害とはどのような病気なのでしょうか。まず、パーソナリティ(人格)とは、性格、知能、倫理観を合わせたもの。遺伝的要素だけでなく、その人が育った生活環境や人間関係もパーソナリティに影響しています。それが、パーソナリティ障害の場合、性格だけにかたよってしまい、そのせいで社会生活を送るのが困難になってしまうのです。

パーソナリティ障害にも種類がある

パーソナリティ障害は、アメリカ精神医学会の診断マニュアルによって、3つのグループに分けられています。それぞれの特徴をチェックしましょう。

<A群パーソナリティ>
奇妙で風変わりとされる、パーソナリティ群。

・妄想性パーソナリティ障害
他人の動機を悪意のあるものに解釈するといった不審と疑い深さを持つ。

・シゾイド(統合失調質)・パーソナリティ障害
社会的関係からの遊離、感情表現の範囲が限定されるという特徴がある。

・統合失調型パーソナリティ障害
親密な関係で急に不快になる。認知的、知覚的歪曲、行動の奇妙さが中心。

<B群パーソナリティ>
感情的で、移り気に見えるパーソナリティ群。

・反社会性パーソナリティ障害
他人の権利を無視し、それを侵害する。

・境界性パーソナリティ障害(情緒不安定型パーソナリティ障害を含む)
対人関係、自己像、感情の不安定、および著しい衝動性が特徴。

・演技性パーソナリティ障害
過度な情動性、人の注意をひこうとする過度な言動が見られる。

・自己愛性パーソナリティ障害
誇大的で、賞賛されたいという欲求、他人に対する共感の欠如がある。

<C群パーソナリティ>
不安で内向的なパーソナリティ群。

・回避性パーソナリティ障害
困難や他人との密な接触を回避するパーソナリティ障害。他人からの否定的評価に過敏。その場にそぐわない感情を抱きます。

・依存性パーソナリティ障害
世話をされたいという全般的で過剰な欲求のために、しがみつく特徴が。

・強迫性パーソナリティ障害
秩序、完全主義、コントロールすることに力を注ぎ、非効率なまでにとらわれる。

パーソナリティ障害の治療は、うつ症状など、主な症状の改善から取り組むのが一般的です。薬物治療では、抗うつ薬、気分調整薬、抗精神病薬を処方したりします。ほかにも、対人関係のコミュニケーションを訓練する必要があり、デイケアなどが併設されている医療機関での治療が望ましいとされています。

恋人や夫婦間で一方がパーソナリティ障害を持つ場合、感情の起伏が激しく、相手もその感情に振り回され疲弊し、離婚や別居を選択するカップルも少なくありません。ただ、接し方を少し変えるだけで、改善されることがあるのも事実。相手との将来も含め、いろいろな面から考慮しましょう。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと