タオルで顔の汗を拭うテニス選手(2009年10月5日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】体に装着して使用する超高感度の汗センサーで、嚢胞(のうほう)性線維症や糖尿病などの病気の診断と治療を改善できる可能性があるとの研究論文が17日、発表された。

 従来の汗センサーは汗を採取する間、患者は30分間身動きが取れないが、この最新モデルはその必要はなく、検出に要する汗の量も従来型と異なり微量で済む。

 米スタンフォード大学(Stanford University)のカルロス・ミラ(Carlos Milla)准教授(小児科学)は「これは非常に大きな前進だ」と述べた。

 スタンフォード大と米カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)の研究者らが共同開発したこのウエアラブル機器は、自由に曲げられるセンサーとマイクロプロセッサで構成されており、皮膚に貼り付いて汗腺を刺激する。

 センサーは、さまざまな種類の分子やイオンの存在を検出する。例えば、汗に含まれる塩化物の量が多いほど、センサー表面で発生する電圧が高くなる。

 塩化物イオン濃度が高いのは嚢胞性線維症の兆候である可能性がある一方、高血糖値は糖尿病の兆候の一つだ。

 米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された論文によると、センサーからは分析と診断のための検出結果が電子的に送信されるという。

■薬の効果をよりよく把握

 研究チームは、このセンサーが嚢胞性線維症を対象とする薬剤の開発と一人一人の患者に合わせた薬物治療の一助となる日が来ることを期待している。嚢胞性線維症は肺や膵臓(すいぞう)で粘液の蓄積を引き起こす遺伝病で、治療が困難なことで知られている。

 現在は米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)電気工学科に所属するサム・エマミンジャド(Sam Emaminejad)助教は「嚢胞性線維症の薬は、ごく一部の患者にしか有効に作用しない」と指摘する。

「医薬品の臨床試験の参加者にこのウエアラブル汗センサーを使用したらどうなるだろうか」とエマミンジャド氏。「薬に反応して参加者の塩化物イオン濃度がどう上下するか、はるかに優れた知見が得られるだろう」

 個人の汗の成分は食事などの要因により短時間で変化する可能性があるため、さらに研究を続けてウエアラブルな汗センサーが毎日継続して安定的に機能するかどうか確かめる必要がある。

 また研究チームは、有益な情報を得るには汗に含まれるどの成分を調べればよいのかについても明らかにしていきたいとしている。
【翻訳編集】AFPBB News