小池百合子の選挙カラーを彷彿とさせる安候補のポスター

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 大韓民国第19代大統領を決める選挙戦が、17日から開始した。

 主要な各党の候補者は、「共に民主党」の文在寅氏、「自由韓国党(旧セヌリ党)」の洪準杓氏、「国民の党」の安哲秀氏、「正しい政党(セヌリ党から分裂した保守系政党)」の劉承旼(ユ・スンミン)氏らとなっている。

 朴槿恵大統領の弾劾を受けての大統領選。

 与党であったセヌリ党系の保守勢力は、実質的には死に体であり、そもそもは革新系の文在寅氏の圧倒的なリードだと言われていた。

 しかしここに来て、安哲秀候補の勢いが止まらない。候補者がほぼ出揃った4月3日の時点の世論調査では22.7%だった支持率も、3日後の調査では文候補38%、安候補35%と拮抗、10日に韓国日報が発表した世論調査で二人の差は0.7%まで縮まっている。

◆文候補と安候補の違いは何なのか?

 熾烈な一騎打ちとされる文候補と安候補。

 実は前回の第18代韓国大統領選では、与党・セヌリ党の朴槿恵候補と戦うために「共闘」した仲である。当時、与党・セヌリ党の朴槿恵候補に対抗していたのが、文候補と安候補であり、支持率でリードしていた朴槿恵候補に追いつくため、安候補が身を引き、文候補を野党側の候補単一化とした。結果的には、朴槿恵候補が51.55%の得票、文候補は48.02%の得票で、韓国初の女性大統領―朴槿恵大統領が誕生した。

 当時の「戦友」である二人の候補。

 しかし今回の大統領選では、その選挙戦略と主張が大きくずれ始めている。

 基本的な構図としては、朴槿恵大統領を弾劾まで追い込んだ「ロウソク革命」層を積極的に取り込もうとする文候補。本質的には中道左派でありながら、文候補の対北朝鮮融和政策を批判しながら「死に体」である保守層の票を取り込もうとする安候補という感じか。

 特にこの2週間、北朝鮮を巡る情勢が緊迫する中、安候補は保守層の支持率を一気に取り込み、選挙戦を「2強対決」の構図にまで持ち込むことに成功した。

◆安候補のポスター戦略の妙

 そして16日、各党の大統領候補たちの選挙ポスターが公開された。

⇒【画像】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=136896

 韓国では各候補に数字が割り当てられており、例えば文候補は1番、洪候補は2番という風に表示される。注目の安候補の番号は3番なのだが、そのポスター戦略が秀逸である。

 他の候補が、日本の選挙ポスター同様、胸から上の顔のアップの写真を使う中、安候補は、腰から上の写真を使用し、更には両手を大きく掲げている。

 更にはポスターの色合いも意識し、全面をグリーン一色にした。ポスターのキャッチフレーズも、安候補のタスキの中に閉じ込め、政党名すら表記しないというアイデア。

 候補者たちのポスターを並べてみれば、ひと際目立つのは当たり前であるし、周りの候補者が安候補の「引き立て役」にすら見えてくる。そこに両手を上げる「V(勝利)の形」である。

 小池東京都知事が、知事選においてグリーン旋風を巻き起こしたのは記憶に新しい。安候補の陣営が、小池都知事のイメージ戦略を研究したのかは定かではないが、文候補の牙城を崩しにかかる、安候補の選挙戦には要注目である。

<文・安達 夕>